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ツキノワグマによる人身被害を防止するために

最終更新日:2015年5月15日

ツキノワグマによる人身被害についてのQ&A (平成16年秋版)

Q1 クマに対する県の対応方針はありますか

A1
 県内では、ツキノワグマ(以下、クマという。)による民家近くでの人身被害の発生や、そのおそれがある事態が多発していることから、クマによる人身被害を防止するために、県として次のとおり対応しています。

 県民の生命、身体の安全を守ることを基本として対応しますが、一方、クマは森林の一部であり、私たちが住む自然界を構成する大切な一員であることから、県の豊かな自然環境を保全し、生物多様性を確保するために、クマとの共生を図ることとします。

Q2 クマが絶滅するのではないか心配だ

A2 
 人とクマとの遭遇を少なくすることが、結果的には被害の防止になり、無用な捕獲の回避になると考えています。
 さらに、生息域が分断され、個体群が孤立し、絶滅の危機に瀕している西日本などの地域とは異なり、北陸以北の山間地は、クマにとっての好適な生息環境が比較的維持されていると言われています。
 特に、富山県は、豊かな自然環境が広がっており、人工林の割合も18%と、全国平均41%の半分以下で、自然植生度の10及び9の割合が本州一を誇っていることからも言えることですが、クマの生息に適した環境である広葉樹を主体とした森林は、しっかりと確保されています。
 この自然環境をしっかり保全していくことが重要であり、結果としてクマを絶滅させないことになると考えます。

Q3 クマの狩猟を禁止すべきでは

A3
 日本では、クマが絶滅の危機に瀕している西日本において、鳥獣保護法において狩猟が禁止されていますが、生息が比較的安定しているその他の地域では、狩猟鳥獣として定められています。
 しかし、今年のような状況下においては、結果として、県内でのクマの捕獲数が例年を大きく上回っていることは事実であり、富山県猟友会からは、捕獲数の適正化(狩猟の適正な維持)を図るため、今猟期の狩猟自粛が申し入れられたところです。
 県としても、捕獲(数)の抑制が必要であると考えており、この申し入れは適正なものと判断し、狩猟者に対して、狩猟の自粛を要請してきているところです。
なお、生息数など、県内のクマに関する最近の情報がないことから、客観的に禁止する根拠が希薄ではありましたが、過去の事例から、自粛の要請により、十分目的を達成できるものと判断したものです。
(今後は、クマに関する基礎調査を行い、保護管理に努める必要があると考えます。)

Q4 クマは危険だから全部駆除してもいいのでは

A4
 県内のクマが全部いなくなっても、すぐに私たちの生活が困るわけではありません。
 しかし、人間を含めた生物同志の関係は、食物連鎖のようなわかりやすい関係もあれば、全く研究の及んでいない生態系が安定した自然界のバランスを支えていることもあります。したがって、突然の種の絶滅は、これまで長い時間をかけて微妙なバランスを保ってきた生態系に悪影響を及ぼしかねないとの危惧があります。
 この生態系の「環(わ)」や「鎖」を壊さないことは、私たち人間を含めた全ての生物にとっての必須の条件なのです。(参考:生物多様性キーワード事典)
 また、ツキノワグマを「猛獣」だと思ってらっしゃる人もいますが、本来は、大変臆病で温厚な動物です。過度に恐れることは決してありませんが、とにかく、人とクマとの遭遇を少なくすることが、結果的には被害の防止になると考えます。

Q5 クマを引き寄せないためには、どうしたらよいのですか

A5
(1)人家のまわりに生ゴミなどを無造作に捨てたり、置いたりしなでください。 
(2)キャンプ場などでは、ゴミの管理を徹底してください。
(3)キャンプや登山、渓流釣りなどで出たゴミは必ず持ち帰ってください。
(4)人家のまわりで収穫の予定のない柿等の実は撤去してください。
(5)山野にある墓地の供え物等は持ち帰るようにしてください。

Q6 クマと遭遇しないためには、どうしたらよいのですか

A6
(1)クマに自分の存在を知らせてください。
 クマは、嗅覚や聴覚が人間より優れ、人の接近をいち早く察知し、人を避けます。
 ラジオや鈴などで音を出して行動してください。
 風や雨、川の音などで人の気配を察知できないことがあるので、過信は禁物です。
(2)クマのいるところで行動しないでください。
 クマは、明るい場所を避けます。見通しのよい明るい場所で行動してください。
 クマの糞や足跡などを見つけたら、迂回するか、引き返してください。
(3)早朝や夕方の外出は注意が必要です。
 クマは、人里近くへは、夕方に出てきて、朝方に帰ることが多いので、できるだけ外出しないようにしてください。
 この時間帯に外出する場合には、単独での行動は避けてください。
 特に、クマによる農作物等の被害歴がある場所での行動は危険です。

Q7 それでも、クマに遭遇してしまったら、どうしたらよいのですか

A7
(1)子グマに出会った時は、そっと立ち去ってください。
   見えなくても、親グマが近くにいます。
(2)とにかく落ち着いてください。
 ア クマまで距離があるようなら、そっと立ち去ってください。
 イ 急に大声を出さないでください。
   大声を出したり、ものを投げつけたりすると、クマは興奮します。
   クマが逃げる機会を与えるよう心がけてください。
 ウ 静かに退避してください。
   クマから目を離さないようにして、できるだけゆっくりと後退してください。
   持ち物や帽子、衣類などを静かに地面に置いて、クマの注意をそらしてください。
   クマとの間に立木などの障害物をおける位置に移動できれば、突進を防ぐこともできます。
 エ 人家周辺でも細心の注意を。
   民家周辺での出没もあり得ることから、決して、よそ事などと思わず、常に周囲に細心の注意を払うよう心がけてください。
(3)走って逃げないでください。
  クマは、「逃げるものを追う」習性があるといわれています。背中を見せて逃げるなど、不要な刺激を与えることは危険です。
(4)急所を守ってください。
  万が一、クマが威嚇行動の後、襲ってきた場合には、反撃することも考えられますが、力(走ることや木に登ることにおいても)ではクマの方が勝っています。
  確実な防御方法はありませんが、ダメージを最小限にするために、自分の首を両手でしっかり抱えてうずくまり、クマの攻撃をしのぐ方法が有効だともいわれています。

Q8 今年はどうして、クマが人里にたくさん出てくるのですか

A8
 原因は色々考えられますが、富山県では、夏の猛暑(特にフェーン現象)や台風等で、山間地の植生への悪影響が餌不足につながり、クマが餌を求めて行動範囲を広げていることで、結果として、人里へ出る頻度が高くなっていると言われています。
 また、人里では、カキやクリなどの実がなり、クマを引き寄せる原因の一つとなっています。
 なお、富山県内には、豊かな自然環境が広がっており、人工林の割合も18%と、全国平均41%の半分以下で、クマの生息に適した環境である広葉樹を主体とした森林は、しっかりと確保されています。
 しかし、里地里山といわれる地域では、かつて、人手が入ることで維持されてきた人家近くの雑木林が放置され、ナラやクヌギなどが大きく生長し、実をつけるようになり、クマにとって格好の餌場となったり、同じくスギ林の多くが、手入れされないまま放置され薄暗くなり、クマにとっては格好の隠れ家となっており、人里へ出やすい環境ができています。
 人手が入らないことにより、クマと人との棲み分けが曖昧になってきているのです。
 こうした人家近くの森林に積極的に手を入れることで、クマが人里に出にくい環境をつくることが重要です。

Q9 クマを見つけたらすぐに殺すのですか

A9
 言うまでもなく、県政の最大の目標は、県民福祉の向上であり、このためには、県民の生命、身体の安全が第一でなければなりません。
 しかし、クマは、国内の数少ない森林性大型哺乳類であり、私たちが住む自然界を構成する大切な一員であることから、県の豊かな自然環境を保全し、生物多様性を確保するために、人との共生を図ることを基本としています。
 県では、クマによる人身被害の防止対策の一つとして、市町村捕獲隊によるクマの捕獲を許可しています。
市町村では、人身被害のおそれがある場合に、市町村捕獲隊へ捕獲を依頼します。
 依頼を受けた市町村捕獲隊から、県へ捕獲許可申請が提出されますが、その審査にあたっては、パトロール等による追い払い状況や被害状況等を確認することとしており、無条件での捕獲が行われないような仕組みになっています。
 また、市町村での体制が整えば、積極的に奥山放獣が行われているところです。
 奥山放獣は、人里へ出てきたクマを檻で捕獲し、唐辛子成分のスプレーを用いて、人里へ出てくる危険を学習させたうえで、山へ返すものです。

Q10 麻酔銃を使って捕獲して、山へ返すことはできないのですか

A10
 県では、A9でお答えした奥山放獣を行っています。
 麻酔銃の使用は、かなり限定した状況下で、はじめて可能になります。
 例えば、最近報道された、民家へ侵入して居座ったクマですが、山の餌不足から、かなり衰弱して動けない状況にあったので、至近距離から麻酔銃が使用できました。
 また、イノシシを捕獲するために設置された罠に誤ってかかったクマについても、体が固定されていたことで、至近距離から麻酔銃が使用できました。
 なお、麻酔が効くためには、15〜30分の時間が必要で、この間、クマが興奮して暴れて危険な状態になりますから、クマの動きが封じられていることが必要になりますし、麻酔銃の性能からいえば、至近距離からの発射が条件となり、通常の状況下においての使用は不可能なのです。

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