富山県ホームページ メニューを飛ばして本文へ

メニュー


検索


本文

ホーム > 組織別案内 > 厚生部 子ども支援課 > 少年の主張富山県大会 > 第32回「少年の主張富山県大会」(平成22年8月18日開催)

少年の主張富山県大会

最終更新日:2017年9月1日

第32回「少年の主張富山県大会」(平成22年8月18日開催)

平成22年8月18日(水)砺波市文化会館大ホール(砺波市)で開催した第32回「少年の主張富山県大会」の結果は次のとおりです。

県大会の様子

県大会の様子

少年の主張富山県大会について

 1979年の国際児童年を記念して始められ、今年が32回目になります。本大会の目的は、中学生が日常生活を通して心を揺り動かされたことや一般社会に対する思いなどを自分自身の言葉でまとめ、それを県民に広く発表することで、より多くの大人に今の中学生を理解してもらうとともに、同世代の若い人たちへの意識啓発をねらいとして実施しているものです。
 今年は、応募者総数4,271人の中から厳正な審査を経て選ばれた10名が県大会で発表しました。

大会次第

◎ 開会の挨拶
◎ 激励の言葉〔砺波市教育委員会教育委員長〕
◎ 審査委員紹介
◎ 少年の主張発表
◎ 健全育成サマーコンサート〔富山県警察音楽隊〕
◎ 審査結果発表
◎ 講評
◎ 表彰
◎ 閉会の挨拶

審査結果

◇最優秀賞
 砺波市  宮本  薫 さん
 「今を生きる」

◇審査委員特別賞
 高岡市  王  静雪 さん
 「一つの言葉から」

◇優秀賞(8名:発表順)
 射水市  高林  奏 さん
 「二十六位の悔しさ」

 富山市  宮田 凌雅 さん
 「わずかに開いた大人への扉」

 氷見市  山中 麻由佳 さん
 「子供たちの願いが叶う日まで」

 高岡市  安川 あさの さん
 「こうちゃんの姉として」

 黒部市  朝野 新菜 さん
 「レスリングと私」

 砺波市  松浦 しおり さん
 「農業の楽しさ」

 南砺市  大橋 祐介 さん
 「平和への誓い」

 高岡市  高柳 真珠 さん
 「命のありがたみ」 

第32回少年の主張富山県大会 最優秀賞受賞作品

            「今を生きる」
                  砺波市 宮本 薫
 「私、何で生きているんだろう…。」
 こんなことを思った経験が何度もある。何かいじめを受けたわけでもないし、耐え切れないような辛いことがあったわけでもない。ただ、「生きている」ということに疑問を感じるときがある。手を動かしたいと思えば、手は動いてくれる。しゃべりたいと思えば、口から自然と言葉が出てくる。目に映るこの光景も、耳から入ってくる音も、「生きている」ことの証である。健常者だから、という意味ではない。ただ、こんなことが当たり前すぎて、「生きている」ことを忘れてしまうときがある。「そんなことあるわけない」と思う人もいるだろう。でも、時々思ってしまう。いつか死んでしまうときがくるんだなあって。
 「人間って死んだらどうなるのかなあ。」
以前、母に尋ねたことがある。すると、天国について教えてくれた。でも、私の心の中はすっきりしなかった。「天国」っていう所がどんな所なのか、本当は母も知らないことに気付いたからである。
 私の祖父は、私が小六のとき、癌を患った。両親が共働きで、何かと祖父母の世話になっていた私は、祖父のことが大好きだった。だから、祖父が癌だと知ったときは不安になり、怖くなった。癌は何度も転移し、入退院を何度も何度も繰り返した。手術はこれまでに七回行なっている。処方された薬を飲んで、薬の副作用や病気と戦うストレスに、私たち家族も精神的にダメージを受けた。私は祖父が病気になってから、弱音を吐いているのを一度だけ聞いたことがある。
「死ぬのが怖い。」
と祖父は言っていた。祖父が泣いていた。祖母も泣いていた。驚いた。あんな力強そうな祖父を、ここまで追い詰めてしまうことに命の重みや尊さを強く感じた。
 私だって死ぬのは怖い。ましてや、病気の祖父は死を誰よりも身近なものとして受け止めざるを得ないのだ。みんな死ぬのが怖い。だから、人は「天国」なんて確証もないことを信じようとするのだ。
 死んでしまうことより、生きていることの方が奇跡であり、かけがえのないことだと思う。私の体に流れる、言い表せないほどの血のつながりがあって、それぞれが「役割」を果たしてきたからこそ、今を生きているのだ。全ての命が存在できるわけでもないし、こんなに健康で恵まれた環境の中に生まれるとも限らない。しかし、人はいつか死んでしまう。死は必ず訪れる。祖父も、そのことを深く考えている。それでも、今、祖父の顔には「笑顔」がある。
「明日どうなるか、分からん。もしかしたら、明日死んでしまうかも知れん。それは、ある意味、誰でも同じや。やから、今を大切に生きんとあかんよ。」
祖父がよく口にする言葉だ。今を大切に生きる。そのために、多くの経験をする。多くのことを学ぶ。いつか自分の生きる意味を見つけたいと思う。そして、自分も一人の人間としての「役割」を果たし、未来へつなげていきたいと思う。
 今、世の中では、命に対する意識が低くなっている気がする。簡単に人の命を奪ったり、自らの命を絶ったりと、そんな報道がある度に悲しくなる。私は命を軽々しく考える人間にはなりたくない。仕方のないことだってあると思う。でも、人の死に慣れ、それを悲しむことのできない人間にはなりたくない。一人ひとり奇跡に近い確率でこの世に生を受けている。だからこそ、他人の命も、自分の命も大切にできる人でありたい。かけがえのない今を大切に。

第32回少年の主張富山県大会 審査委員特別賞受賞作品

           「一つの言葉から」
                   高岡市 王 静雪
 2007年、3月。私は、小さな国境を越え、海を渡り、中国から日本に来ました。
 日本…未知の国。聞いたことはあるけれど、隣の国という以外は何も知らない。不安はありました。しかし、楽天的な私は、これから出会う様々な出来事を想像しながら、わくわくした気持ちでいました。
 新しい学校、新しい友達。みんな親切で、何かと声をかけてくれるのですが、悲しいかな、日本語を一つも知らない私には、全く分かりません。授業はお経を聞いているようで、さっぱりです。ついていけません。宿題が出ても、他の人の二倍も三倍も時間がかかります。来日したときの元気はあっという間に消えてしまいました。「為什麼光是我受苦?(何で私だけこんなに苦労しなければならないの?)中国にいた方がずっと楽だったろうに…。」何度もつぶやき、やがて、ひどいストレスを感じるようになりました。言葉の壁は想像以上に高く、自分が常に好奇の目にさらされている、と感じるようになっていました。実際に指を指されたり、変な笑い声をたてられたり、とてもつらかったです。
 そんな状況にあっても、私の幸せを一番に考えてくれている父や母には何も言えませんでした。迷惑や心配をかけたくなかったのです。そういう父や母への思いが力となり、「絶対に乗り越えてみせる!」といつの間にか、前向きに考えることができるようになっていました。
 日本語を理解するためにまず私が心がけたこと、それは常に他の人の会話を真剣に聞くことでした。そして、突然「その日」は訪れました。初夏の出来事です。一人の女の子が、きれいに水を張ったプールを見て
「ああ、すごい!」
と言ったのを聞きました。
「すごい、すごい。」
私の耳からその言葉が離れません。もちろん「すごい」という言葉の意味を私は知りませんでした。しかし、その一言が妙に私の心を打ったのです。これはきれいになったプールに驚いて思わず出た言葉だろうと想像しました。その言葉の意味を知りたい。私は、早く母にその言葉の意味を確かめたくて、家に飛んで帰りました。母の答えは、私の思ったとおりでした。たった一言の発見。でも、あの「すごい」という言葉は、私に日本語の扉を開けてくれたのです。あの時の感動は今でも忘れていません。
 このことをきっかけに、来日して半年もたたないうちに、私はたくさんの日本語を覚え(発音は少々変ですが)人との会話もできるようになり、友達もぐんと増え、学校生活がすごく楽しくなったのです。
 「国際社会」という言葉をよく耳にします。しかし、「国際社会」について真剣に考えている人は、果たしてどのくらいいるでしょうか。
 世界には、190余りの国があると社会科の授業で習いました。その国と国は、国境線で分けられています。国境の向こうには、違う人、違う言葉、違う歴史があり、お互いに理解し合うことは、とても難しいことだと思います。言葉の壁を越えて、初めて共感できるものもあります。「言葉の大切さ」「言葉の難しさ」「言葉を発見する喜びや楽しさ」。私は日本という異国に来て、そういうことを身をもって体験しました。
 世界の人々の心は皆一緒。理解し合えば、お互いに通じ合えると私は信じています。しかし、そのためには「言葉」という、その国の文化の根幹を成すものの理解を抜きにして考えることはできないと思います。
 私には夢があります。それは、国と国との「友好のかけ橋」―通訳になることです。言葉と言葉の橋渡しをすることで、壁をなくし、他国への偏見や差別を少しでもなくせるようお手伝いできたら、本当に嬉しいです。日本語の壁を乗り越えるきっかけとなった、あの「すごい!」という言葉との出会いを忘れず、日々努力を重ねていきたいです。

    

【 情報発信元 】
厚生部 子ども支援課 青少年係 電話:076-444-3136  [ お問い合わせフォーム
Adobe Reader< PDFファイルをご覧いただけない場合 >
左記のボタンのリンク先から「Adobe Reader」をダウンロードしてください(無料)。

情報発信元

厚生部 子ども支援課 青少年係
電話:076-444-3136