富山県ホームページ メニューを飛ばして本文へ

メニュー


検索


本文

ホーム > 組織別案内 > 厚生部 子ども支援課 > 「あいさつにまつわる いい話」優秀作品のご紹介 > 平成19年度「あいさつにまつわる いい話」最優秀賞受賞作品

「あいさつにまつわる いい話」優秀作品のご紹介

最終更新日:2016年7月6日

平成19年度「あいさつにまつわる いい話」最優秀賞受賞作品

 平成19年度「あいさつにまつわる いい話」作品募集では、2,427作品という多数のご応募をいただきました。その中から選ばれた、各部門の最優秀賞受賞作品を掲載します。

【小学生の部】最優秀賞

題名「登山道で交わすあいさつ」
 富山県滑川市 4年 米山 駆

 ぼくは、山の自然が大すきです。1年生のころから、毎年夏には、立山や剱沢に登っています。今年の夏は、みだが原から歩いて雄山へ行き、そこから大汝山まで登りました。その時に、室堂で、オコジョに初めて出会った事が、ぼくの思い出の1つです。山道には、チングルマやトリカブトなど、めずらしい高山植物が多く自生しています。その植物の近くに、アルミホイルやビニールぶくろ、ラーメンやおかしのふくろが落ちていました。ぼくは、悲しい気持ちと、自然を守りたい思いで、全部拾い集めました。
 ところで、ぼくは、山歩きをするようになってから、ずっと不思議に感じていた事がありました。それは、登山道ですれちがう人たちが、必ず、「こんにちは」と、声をかけてくれる事です。知り合いでもなく、ただ通りすぎるだけの相手に、あいさつをするという事が、あまり理かいできませんでした。だから、声をかけられても、ちゃんとあいさつを返せない時もありました。登山道で交わすあいさつの意味について、そんなに深く考えた事がなかったからだと思います。
 ぼくのすきな登山は、今年で4年目になります。毎年、歩くきょりがふえて、たくさんのあいさつをもらううちに、ぼくのあいさつも、少しずつふえていったように思います。それは、「こんにちは」の一言に、いろいろな思いがこめられている事に気付いたからです。
 例えば、岩場を歩いていて、「こんなに遠い所まで歩いて、すごいね。」の意味の「こんにちは」。他にも、せまい登山道で、すれちがうのがきけんな時に、立ち止まって相手を待っている時の、「待っていてくれて、どうもありがとう。」の意味の「こんにちは」。山小屋からの帰り道、登ってくる人たちに、「もう少しで着くから、がんばってね。」の意味の「こんにちは」。たった一言の同じあいさつにも、相手を気づかう、温かい真心がこめられているような気がします。
 今年のぼくは、登山道では自然にあいさつを交わす事ができました。自分で、積極的にしたい気持ちになったからです。山の自然にふれる事で、自分が少し成長した気がして、うれしく思いました。
 ぼくは、登山を通して、あいさつは思いやりや元気を運ぶ、すごいパワーを持っていると知りました。今までのぼくは、自分から進んであいさつをするのは、苦手な方でした。でも、これからは山以外のどんな場所でも、相手の気持ちを考えて、あいさつができるようになりたいです。

【中学生の部】最優秀賞

題名「あいさつがくれた幸せ」  
 富山県滑川市 3年 岩城 穂乃花

 「おはようございます。」
幼稚園の生活も、この朝のあいさつから始まります。
 私は昨年、「社会に学ぶ14歳の挑戦」で幼稚園に行きました。5日間の体験で多くのことを学ぼうと、やる気に満ち溢れていた私。「笑顔を忘れず、思いやりのある行動を心がけること。」これが私の目標でした。
 私の中学校は、あいさつ運動が活発で、誇りでもあります。そのあいさつを園中にたくさん響かせようと自分から積極的に園児たちとあいさつを交わしました。すると私のあいさつに負けないくらい、園児たちも元気いっぱいの声であいさつを返してくれました。「おはようございます。」「お姉ちゃん先生、おはようございます。」このあいさつのキャッチボールが、まだ出会って間もなかった園児たちと私の心を、確実に深く、強く、結びつけてくれたのでした。
 しかし中には、恥ずかしいのか、私が声をかけると黙って、ずっと下を向いたままの子もいました。さっきまで調子よくあいさつをしていた私も少し心が沈んでしまいました。あいさつを返してもらえない時の寂しさ。それは相手が幼児であろうが、大人であろうが、誰であっても感じる気持ちです。自分の思いが相手に届かなかったのだろうか、何か不快な思いをさせてしまったのだろうか、いろいろな考えが頭をよぎり、不安になります。
 そんなある日、年少組では公園に散歩に出掛けることになりました。小さな園児たちが肩に水筒をかけて外に行くところでした。その時、1人の女の子がまだ教室に残っていました。
「どうしたの? 」
そう私が優しく話しかけると、
「あたしの水筒がね、ないの。」
女の子は今にも泣き出しそうな顔で言いました。
「大丈夫だよ。きっと見つかるよ。」
と言い、一緒に探し始めました。しばらくして、私はその子の水筒を見つけました。
「あったよ、あった、ここに。」
と手渡すと、女の子はとても安心した表情で、
「お姉ちゃん先生、ありがとう。」
と声を弾ませて言いました。無邪気な笑顔、透き通った瞳がまっすぐ私の方を向いていました。「ありがとう。」この一言で私の心は、どれだけ温かく、幸せな気持ちになったことでしょうか。そして、その一言が私にやる気と元気を与えてくれました。
 私たちの周りには、たくさんのあいさつが溢れています。「おはよう」「ありがとう」「ごめんなさい」短い言葉だけど、相手にしっかりと素直な自分の気持ちを伝えてくれます。そしてお互いの心の絆をつなぐ大切な手段であり、架け橋でもあります。
 私はこの幼稚園の体験学習で、園児たちから、あいさつが持っている魔法のパワーを改めて教えてもらいました。人に元気を与えたり、優しい気持ちにさせたり、そして何よりも感謝の気持ちを持って、素直に「ありがとう」と言える人になりたいと思いました。
 また、これらの体験を生かし、学校生活や家庭、地域の中でも、みんなが幸せに満ちた気持ちになるあいさつを心がけていきたいです。
 「おはよう! 」
 今日もこのあいさつと共に、私の新しい1日が始まります。

【一般の部】最優秀賞

題名 「お道よう・・・・・・」 
 新潟県糸魚川市 中村 栄美子

 雪の日、病気がちな父の代わりに魚の行商をする母に連れられて、私はよく山間の村に行きました。
目的の集落の入り口辺りでバスを降りて、雪の道を歩きます。母は、背中に干物や塩魚を入れた大きな箱を担いで、時々、後ろを歩く私を振り返ります。雪の積もった道は人が1人歩ける程の細い道が続いて、黙々と歩きます。前から人が来てすれ違う時、荷物を担いだ母は早めに横に寄って相手を待ちます。横によけて待っている私達親子に、
「おやおや、ありがとう。」
「お姉ちゃん、待ってくれてありがとね。」
心のこもった挨拶の言葉をかけてくれます。声をかけられた私は母と顔を見合わせ、にこっと笑ったことが思い出されます。
 雪道を30分程歩いて目的の雑貨屋に着くと、腰をくの字に曲げたばあちゃんが、
「お、遠いとこやって来たねえ。」
と声をかけ、
「寒かったろう、あがって先ずはこたつに入って、あったまって・・・・・・」
と言って、火鉢に炭火が赤々とおきている部屋の戸を開けてくれます。冷たくなった手と足があったまってくると、冷えた体が急に元気を取り戻します。
 昼を過ぎると、口コミで村の人が1人、2人とやって来て、母の担いで来た塩魚やスルメ、干し魚が次々と売れていきました。何時間もかからない間に売り切れ、母は、「バスに乗り、雪の道を歩いて来たかいがあった。」と安堵して、ばあちゃんの出してくれた熱いお茶を飲みながら、少し世間話をして帰り仕度をします。
 雪がちらちらと降る外に出ると、くの字に曲げた腰に手をやりながら、ばあちゃんはゆっくり手を振って、
「お道よう、お道ようのう。」
と何度も声をかけて送ってくれます。帰り道、気をつけて行きなさい。ばあちゃんの「お道よう」の言葉に見送られて、雪の道を帰った記憶が蘇ります。
 子供の頃、「お道よう」の挨拶言葉を聞いた私が母になり、小学生の子供を持つ親になって、あの温もりのある心のこもった挨拶言葉が忘れられず、友人や知人、子供の友達にも
「お道よう。」
と声をかけていました。
 そんなある日、娘も友達に、
「お道ようね。」
と声をかけています。そんな娘に意味がわかっているのかしらと、
「『お道よう』ってどういう意味かわかるの。」
と聞くと、
「そんなことわかっていまーす。『帰り道、気をつけてね』っていうことでしょ。」
と笑いながら答えます。
「そうよ。『帰り道、転んだり事故に遭わないように、お帰り下さい』って事。いい言葉でしょ。」
すると娘は、
「あのね、来週からあいさつ運動が始まるから『お道よう』をあいさつ言葉に入れてもらうわ。先生に言うことにする。」
そうだと娘は大きく頷いて、
「あいさつは人の心と心を結ぶ心のくさりのようなものだと、先生が言っていたよ。あいさつって大事なんだね。」
と大人びた口調で話しました。
 小さかった娘も大人になり、都会で働いています。娘が、私の住む町に帰省して帰る時の言葉は、勿論、「お道よう、お道ようね。」です。東京へ帰る娘の後姿に向かって、何回も「お道よう。」と繰り返しています。私が娘の住む都会に行き、帰る時、娘は、
「お母さん、お道よう、お道ようね。」
と小さく笑いながら言います。幼い日、ばあちゃんがかけてくれた「お道よう」の、心のこもったあったかい挨拶言葉を、ずっと使っていきたいと思っています。

【 情報発信元 】
厚生部 子ども支援課 青少年係 電話:076-444-3136  [ お問い合わせフォーム
Adobe Reader< PDFファイルをご覧いただけない場合 >
左記のボタンのリンク先から「Adobe Reader」をダウンロードしてください(無料)。

情報発信元

厚生部 子ども支援課 青少年係
電話:076-444-3136