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「あいさつにまつわる いい話」優秀作品のご紹介

最終更新日:2016年7月6日

平成26年度「あいさつにまつわる いい話」最優秀賞受賞作品

【小学生の部】最優秀賞

題名「あいさつのパワー」
 富山市 4年 高原 裕理

 わたしはある日、お母さんといっしょに料理教室に行きました。その教室の先生、Yさんは、お母さんの知り合いの中国人でした。
 Yさんは、日本語がとても上手で、教室のだれとでも明るくえ顔でおしゃべりをしていました。その様子を見ていると、なんだかうらやましくて、わたしもYさんと話をしてみたくなりました。でも、何と話しかければいいのか分からないし、はずかしくてもじもじしていました。
 すると、Yさんが近よって来て、わたしの目線に合わせてこしをかがめ、にっこりわらって
「こんにちは。よく来てくれたね。」
と声をかけてくれました。
 わたしはとつぜんのことでびっくりして、お母さんの後ろにちょっとかくれながら小さな声で
「こんにちは。」
と言いました。本当は、話しかけてもらってうれしかったのに、元気よく「こんにちは」と言えなかったのがくやしくて、その後もずっと心がモヤモヤしていました。
 やがて料理教室が終わり、家に帰る時間になってしまいました。
 Yさんが教えてくれた料理はとてもおいしかったし、Yさんのような明るく楽しい人に出会えてよかったということをどうしても伝えたかったので、お母さんに相談してみました。すると、
「思い切って中国語であいさつしてみたら。」
と言われ、勇気を出して中国語で言うことにしました。Yさんの前でドキドキしながら
「謝々(シエシエ)(ありがとう)、再見(ツァイチェン)(さようなら)。」
と言いました。
 たったこれだけなのに、きんちょうして体に力が入り、あせが出てきました。
 Yさんは目を丸くして
「よく言えたね。こちらこそありがとう。」
とにこにこしながら頭をポンポンとたたいてくれました。Yさんもお母さんもわたしもみんなえ顔になって、気持ちが伝わったことが分かりました。
 さっきまでの心のモヤモヤはすっかりなくなって、ハッピーな気分で帰ることができました。
 「こんにちは」や「ありがとう」など、あいさつは短い言葉でたくさんの種類があり、一日の中で場面にあったあいさつをわたしたちは何気なく使っています。わたしは、今回のことで、たった一言でもおたがいに心をこめてあいさつをすると、気持ちが伝わって、その後の時間やまわりの空気までかわることが分かりました。
 あいさつがもっている見えないパワーはとても大きいものだと知り、これからはあいさつの仕方やタイミングを考えながら生活したいなと思いました。

【中学生の部】最優秀賞

題名「心をつなぐもの」
 富山市 3年  竹田 楓季

 僕には、小学校に入学した頃からずっと、あいさつをしている人がいました。それは、近所に住んでおられる、おじいさんとおばあさんです。お二人は、毎日朝早くから畑仕事をされていたのです。
 朝七時。僕が小学校へ向かうために家を出ると、すぐに畑が見えてきます。草をむしったり野菜を採ったりしているおじいさんたちの姿が目に入ったので、僕は「おはようございます。」と大きな声で言いました。すると、「おはよう。」「気をつけて行ってこられ。」と返してくださいました。この時から僕は、お二人とあいさつを交わすことが毎日楽しみになっていったのです。雨の日には、おじいさんが家の窓から手を振ってくれました。少し離れた所にいて声が届かないときには、手を高く上げたりと、いろいろな「おはよう」で僕を送り出してくれました。だから、会うことのできない日は、少しさびしい気持ちで畑の横を通って行きました。
 下校のときにも「ただいま。」と声をかけると、おばあさんが「ちょっと待っとられ。」と言って僕の安全帽の中に野菜をたっぷり入れてくれました。帽子の中はいつも泥だらけになったけれど、うれしくて野菜を抱えて走って帰ったことを覚えています。このような日々が、小学校を卒業するまでの六年間。おじいさんたちとの関わりは、ごく自然な、僕の生活の一部となっていたのです。
 中学生になり、学校の方向が反対なので、畑の前を通ることがなくなりました。家を出る時、畑におじいさんたちの姿は見えるのですが、今までのようにあいさつを交わすことはできなくなってしまいました。近くにいるはずなのに距離を感じて、さびしく感じていました。しかし、その後も家まで野菜を届けに来てくれたときには、以前と変わらない笑顔で話してくれ、少し照れくさい気持ちになりながらも、とてもうれしかったです。夏休みには、ラジオ体操へ行くときに畑の横を通るため、また以前のように会うことができるようになりました。中学一年生の夏までは、僕とおじいさんと、おばあさんの三人であいさつを交わすことができました。
 しばらく経つと、年をとられたおじいさんたちは、畑で過ごされることが少しずつなくなっていきました。おばあさんが寝込んだと聞いていたのですが、中学二年生のときに亡くなられてしまいました。そのうち、おじいさんも外で見かけることがなくなりました。晴れた日に手押し車で、ゆっくりゆっくり散歩されていたので「こんにちは」と声をかけると、言葉はありませんでしたが明るい笑顔で返してくれました。今でも、その時の笑顔が忘れられません。おじいさんも亡くなられ、僕にとって、あの笑顔が最後のあいさつとなってしまったのです。僕を小学校の頃から、ずっと見守ってくれていた大切な人たちがいなくなり、悲しくて、さびしくて、涙を我慢することができませんでした。
 今、僕は学校生活の中で、あいさつを心がけるようにしています。友達や先生、授業の号令も、大きな声で言うようにしています。部活動でもバスケットボール部のキャプテンとして、学校同士の交流をもてることへのお礼と感謝の気持ちを込めてあいさつをしてきました。
 おじいさんたちとの日々の中で、あいさつを交わすことが楽しく、うれしいと感じられました。あいさつをすることの意味や大切さに気付かせてくれました。単なるコミュニケーションだけではなく、人と人、心と心をつなぐ力があると気付かせてくれた、おじいさんたちのように素敵な笑顔であいさつのできる大人になっていきたいと思います。
 おじいさん、おばあさんのことは絶対に忘れません。「ありがとうございました。」

【一般の部】最優秀賞

題名「明日は、みんなで一緒に挨拶しようか」
 大阪府大阪市 今田 信一

 恒例の夏休み早朝ラジオ体操が、今年も町内で始まった。今春小学校に入学したばかりの孫の優花が、学校で配られた出席カードを手にして、張り切っている。彼女の誘いに応じて、一緒に参加することにした。
 初日。自宅近くに住む優花一人を迎えに行ったつもりだったのだが、まだ保育園に通っている弟の僚馬と妹の春花が、自分達も参加したいと訴えてきた。
 結局孫三人をつれて、会場へ向かうことになった。町内 世話役の方々が、幼い三人の参加者を笑顔で迎えてくれる。出席カードは優花の分しかないので、あとの二人と私の分まで新しいのを頂く。僚馬と春花は、自分達が一人前に扱われて納得顔である。
 そうしている間にも、総勢五十人程の参加者で会場は埋まる。どの顔も、眠そうに目をこすったりあくびをしたり気怠るそうにしている。なかには見知った顔もあるが、今までに会話や挨拶を交わしたこともないので、お互い素知らぬ風である。
 ラジオから聴衆者に向けて
「全国の皆さん、おはようございます。」
と眠気を吹きとばす元気のよい挨拶が呼びかけてくる。会場の中から
「おはようございます。」
と応えたのは、まだ三歳の春花唯一人。その声は会場に響き渡ったけれど、参加者達は、ラジオの声にも春花の声にも一切反応がない。
 程なく体操が終了し、皆言葉を交わすこともなく、会場をあとにする。
 帰り道、春花一人が挨拶のできたことを誉めてやりながら、自分も挨拶をしなかったことをちょっぴり反省する。
 二日目。昨日と同じく、ラジオから元気な朝の挨拶が会場に呼びかける。
「おは……。」
と言いかけた春花が、急に口をつぐんでしまった。挨拶をしているのが一人だけで他には誰もいないことに気づき、うつむいてしまう。
 すっかり元気をなくしてしまい、体操もできない程にすねてしまった。
 帰り道、気落ちしている妹を気遣って姉の優花が
「明日は、みんなで一緒に挨拶しようか。」
とやさしく声をかけると
「うん、やろうやろう。」
と弟の僚馬が元気に応じる。姉兄が応援してくれたことに気を良くした春花に、笑顔がもどる。
 翌日。孫達は、約束通り勇気を出して声をそろえて挨拶ができた。参加者の中には驚いて声のほうを振り返る人もいれば、一緒に口の中で小さく挨拶をつぶやく人もいる。
 体操をしながらニヤッと、目と目で互いの健闘を称え合う孫達の仕草が、何ともかわいいものだ。
 その日を境にして、ラジオの声に応じて挨拶を交わす声が聞かれるようになった。
「お孫さん達、元気があってよろしいなあ。」
「気持ちのいい挨拶やねえ。」
「しっかり挨拶ができて、偉いねえ。」
などと声をかけてもらえる間柄にもなり、三人の孫達は照れながらも得意気である。
 体操の終わったあとには、
「また明日、お会いしましょうね。」
「今日も一日おたっしゃで。」
と、誰彼なく挨拶が交わされるようになった。
 これをきっかけにして、ラジオ体操で見知った顔と街中で出会うと、交わす言葉が自然と口をついて出るようになってきた。
 同じ町内に住みながら、これまで知らぬ顔で通り過ぎていた人達と、こんなにも知り合いが増えたのかと驚嘆する程、温かい気持ちを感じるようになった。
 幼い孫達の素直で邪念のない挨拶する声が、大人の心までをも通じ合わせることになった、貴重な体験をした町内の夏休み早朝ラジオ体操であった。

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厚生部 子ども支援課 青少年係 電話:076-444-3136  [ お問い合わせフォーム
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