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知事記者会見[平成23年度]

2017年6月8日

知事室 目次

定例記者会見[平成23年7月22日(金)]

◆日時 平成23年7月22日(金)午後2時05分〜2時52分
◆場所 県庁3階特別室

1 知事からの説明事項

内容 配布資料 動画
(1)東南アジア(シンガポール・タイ)経済・観光訪問団の活動結果報告について リンク
(A4版22枚)
リンク
(23分57秒)

2 質疑応答

内容 動画
(1)民主党のマニフェストについて
(2)総理の「脱原発依存」発言に対する考えについて
(3)放射性セシウムに汚染された牛肉や稲わら等について
リンク
(22分23秒)

注)上記は質疑応答の内容を大きく分けた項目であり、順番が前後している場合があります。

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記者会見録

1 知事からの説明事項

記者会見で説明をする知事 先般、16日土曜日から出発しまして、実際には現地に行きましたのはシンガポール・タイ3泊4日ということで行ってまいりましたが、その間、経済交流、また国際観光の振興といった点で、大変いろんな方にお会いでき、かつ手ごたえのある訪問になったなと、うれしく思っております。
 大きく言うと3点ございまして、1つは、経済交流につきましては、もちろんシンガポールとタイそれぞれ、富山県から現地に進出している企業の皆さんと懇談する機会も設けましたし、またタイでは、富山県関係以外の日系企業についてもお声がけをして、この際、富山ものづくりセミナーというものを開催して、富山県企業はすぐれたオンリーワン技術を持っていたり、さまざまな技術を持っているので、タイへの進出とか販路開拓ということもそうですし、また富山県関連企業に限らず日系企業、あるいはさらにいろんな関連の業界でも、ぜひ富山県のいろんな技術、商品に注目をして、取引を拡大してほしいというアピールもできたと思います。
 それからあわせて、経済関係について言うと、シンガポールの経済開発庁、タイの工業省、保健省といったような政府部門の事務次官とか副次官等々とお会いしまして、富山県進出企業への協力支援、それからこれから新たに進出を計画している企業、また取引拡大、ビジネス拡大へのいろんなチャレンジについて、なるべく好意的に扱ってほしいといったこともお話しをして、それぞれ両国とも日本との経済交流はさらに進めたいという基本スタンスでありますので、それなりに前向きなご返事をいただけたなと思っております。
 それから、さらにタイの保健省については、かなり具体的にタイに進出するプランを持っている企業、あるいはそこと、例えばバンコクならバンコクを拠点にしながら、薬業関係で新たにASEAN全体に販売するような総代理店契約も結んで、「富山のくすり」を積極的にASEANに販売したいといった計画を持っている企業もありまして、そうしたことについても、知事という立場で出向いて、そうした企業の考え方とか取組み姿勢を紹介して、今後、もちろん具体的なビジネスの話になりますと、企業自らやってもらうしかありませんが、そういう先導的なこともできたなと。これもよかったなと思っております。
 それから経済交流については、その関連で、タイの船会社RCLも訪問しまして、伏木富山港から東南アジア方面への、将来は直行便、当面は、例えば上海を起点にして、上海経由でシンガポールやバンコクまで行くといったようなルートの開設、あるいはその前段階としての調査等もお願いして、これも前向きなご返事をいただきました。
 それから観光については、それぞれシンガポールとタイで観光説明会をやりましたが、非常に多くの旅行代理店とか、観光業関係の方々にお集まりをいただいて、それぞれ両国とも非常に暖かい地域でありますから、富山県の立山黒部アルペンルート、世界遺産の五箇山といったようなことはもちろんですけれども、雪の大谷なんかが典型ですが、雪の魅力ですね。それから春から夏にかけての雪の大谷だけではなくて、例えば五箇山で冬、雪遊びをするとか、立山山麓でかまくらをやるとか、そういうことについても大変関心が深い。それからカニとかエビ、富山のブリ、ホタルイカ、シロエビなんかはもちろんですけれども、お魚なんかも大変PRをしましたら、これも手ごたえがあったなと思っております。詳しくは後でお話ししますが、ここ数年、シンガポールもタイも、国際的な観光客が増えつつあるんですが、これからかなり増えるのではないかと期待も持てたなと思っております。
 それから、タイについては航空会社も訪問しまして、成田、羽田、関西空港、セントレア等を通じての観光客を、広域的な観光の中に富山県を組み入れてほしいという話もしましたし、あわせてチャーター便を、本当はこの春にも予定されていたんですが、近いうちにぜひやってくれというようなこともお話をしてきたところでございます。
 3点目は、特にマレーシア出身の留学生の皆さん、マレーシアとかシンガポールに戻って活躍している5人の方々にお会いして、そのうち3人は富山大学に留学した人たちでしたが、富山県に大変好意を持っていただいて、そういう方々とお話をして、今後も東南アジアからもっと富山大学などに留学に来てもらって、県内企業がそういう人たちを採用して、これから東南アジア進出を進めるときにも、そういう人材が欲しいというニーズが大分出てきておりますので、そういう留学生の皆さんとのネットワークづくりをできたと。これは今後につながるなと思っております。

 以下、簡単に訪問先別に説明します。
 まず、5ページをご覧いただきますと、シンガポールでは、最初に着いた日の夕方、県内企業との懇談会をして、皆さんご承知かもしれませんが、シンガポールの経済成長率は2010年、実質で14.5%。特に製造業は、この5ページの出だしのほうに書いてありますように、エレクトロニクスとか製薬などを中心に約30%という高度な成長になっておりまして、今後もまだまだ発展する勢いだなと思っております。
 そういうことを背景に、県内企業の皆さんも、シンガポールは社会資本整備もそうですが、情報通信とかいろんな面で、ASEAN全体をにらんだ統括的な国としての地位を高めつつあるので、大変仕事がやりやすいという話が非常に多うございました。現実に、シンガポールでは不二越さんの会社も訪問したのですが、そういうことでシンガポールが非常に拠点性を高めているという印象も深くいたしましたし、日本に対しても割に好意的だなということを大変感じた次第です。
 それから6ページは、さっき3点目に申し上げたASEAN地域、とりあえずはシンガポールやマレーシアの皆さんで、富山県に留学してきた人たちとのネットワークづくり等を少しやったわけですけれども、富山県に対して大変いい印象を持っていただいていて、相当な数の留学生の方がマレーシアなどに戻っていらっしゃるようですので、こういった方々とのネットワークを今後つくっていきたいと。
 それから、これは富山大学の学長さんはじめ、県内4大学の学長の皆さんとも近く相談しようと思っているんですが、もっと積極的に留学生を受け入れるような仕組みづくりも今後考えていきたいなということを思っております。
 6ページ、7ページはそんなやりとりがあったわけでございます。
 それから7ページの下は、不二越を実際に訪問したときの内容になっておりますので、また後ほどご覧いただきたいと思います。
 それから8ページは、観光説明会であります。大変手ごたえがあって、立山黒部アルペンルートの映像などについては、異口同音に非常に強い、すばらしく感動したという話もありましたし、これまでどうしても東京、大阪、京都といったゴールデンコースに行く人が圧倒的に多かったわけですが、あと、あえて言えば北海道ぐらいだったわけですけれども、これから富山県をそうしたコースの中に組み入れたツアー商品を販売していきたいといったような発言も少なからず出ました。
 それからもう1つ、現地に行ったからこそ、そういうことがわかるんだなと痛感しましたのは、これは8ページの下から5、6行目に書いてありますが、シンガポールは6月に3週間、11月中旬から年末まで6週間、小中高等学校が休暇で、これを利用して、親子で海外旅行。シンガポールで旅行というと海外旅行ですから、そういう方が圧倒的に多いので、そうしたところにターゲットを絞った商品を早めにつくって売り出すことが大切であると。これは意見交換の中でそういうアドバイスをする方々もおられましたし、こういった点も現地に行って話ができて初めてわかることで、よかったと思っております。
 それから8ページから9ページにかけて書いてありますが、地元メディア2社からも取材をいただきまして、いろんな関心を持ってもらったなと思っております。
 それから9ページの下のほうは、シンガポール経済開発庁への訪問ということでございますが、ここでは副次官のリムさんという方にお会いしたんですけれども、この方はたまたま京都大学に留学しておられたご経験もある方で、大変話が弾みました。
 昨年、富山県でものづくり総合見本市というのをやりまして、海外から171社参加していただいたんですが、シンガポールからは残念ながら1社でした。8割以上が中国からで、あとはモンゴル、ヨーロッパ、アメリカということだったんですけれども、来年やりますので、ぜひシンガポールからも来てほしいといったようなお話もして、それなりの反応があったなと思っております。
 それから次に11ページは、タイのほうでありますが、ここでもまず現地を見ようということで、YKKタイランド社に行ってまいりました。やっぱりタイも非常に経済発展しまして、2010年の経済成長率が7.8%ということであります。産業構造が軽工業から自動車とか電器産業へ転換しつつあるということでありましたので、実際、地元のYKKさんも製品について、そういうことをにらんだ製品の事業の多角化とか、製品の付加価値化に努めているというようなお話もございました。
 それから11ページの下は、タイの船会社RCL社の社長にお目にかかわったわけですけれども、東南アジア航路について、今は釜山でトランジットするケースが圧倒的に多いんですけれども、できれば上海ぐらいまで行って、上海で積みかえて東南アジアに行くとか、あるいは将来は直行便をシンガポールやバンコクのほうにつなげるといったようなお話について、かなり踏み込んだ議論をしまして、社長のスメットさんからは、今後そうした直行便の実現の可能性についても、例えば神原汽船などと情報交換、連携しながら調査をしていきたいとかなり具体的なお話をいただきました。
 それから12ページの下は、観光説明会・意見交換会でありますが、ここもシンガポールとほぼ同じというか、それ以上に非常に好意的なお話が多くて、13ページのほうを見ていただきますと、タイの観光業、旅行業界で大変な実力者と言われているタイ旅行業協会前会長のアネックさんが見えていまして、ビザの発給の改善とかいろんなことを積み重ねてきて、日本への旅行者が昨年20万人を超えたと。震災後も、日本を160社の旅行会社と一緒に訪問したといった話を踏まえて、富山県、立山黒部アルペンルートは昨年は3,200人の実績でしたが、自分の考えでは―私のほうから香港からは既に1万人を超える人が来ている。台湾からは一時10万人近くで、減っても6、7万人は来ているという話をしたこともありますが、近い将来、間違いなく1万人は超すのではないかと。それから今年はともかくとして、来年は5,000〜6,000人にはなるのではないかといったような大変手ごたえのあるお話がありまして、タイの旅行業界の大変中心的な方でありますので、そうした突っ込んだお話ができたのはよかったなと思っております。
 あと、13ページの下はタイ工業省で、タイ投資委員会のセミナーを富山県で開催してもらうとか、いろんなことについて議論をし、今後検討しようということになりました。
 また、タイ国際航空にも行きましたが、冒頭申し上げたように、成田、羽田、関空、セントレアを経由した広域観光の一環として富山に来ていただく。また、できればなるべく早く、もともとこの春に計画があって、東日本大震災で中断されたチャーター便をぜひ飛ばしてほしいといったようなこともお話をして、それなりに手ごたえはあったなと思っております。
 それから14ページから15ページにかけては、タイの保健省にも行きまして、「くすりの富山」というのはタイでもかなり評価をされていまして、特に配置薬システムというのは大変関心を持って、ここ3年ほど毎年のように、タイの保健省などの方々が富山県庁にも寄られたり、また県内の配置薬関係の会社にも寄ったりされた実績もあるのですが、これも大変好意的な対応をしていただいて、特に富山県から新たにタイに進出する計画を持っている企業もありますし、またバンコクを拠点にして、ASEAN一帯にジェネリック医薬品その他のものを売っていこうという具体的な計画を持っている企業もあったりしまして、これについては大変具体的な事業につなげるような役割もある程度果たせたかなと思っております。
 あと、ものづくりセミナーということで、富山県の進出企業だけではなくて、幅広く日本の日系企業に呼びかけて、本県から今回訪問団に加わった13企業のうち11社から、それぞれの会社が得意とされているオンリーワン技術とか、さまざまなプレゼンをやってもらったんですけれども、大変充実したプレゼンテーションで、非常に反応もよかったなと思っております。
 それから最後に、タイへの進出企業、富山県以外の日系企業も含めて懇談会もやらせてもらったんですけれども、ここにタイ投資委員会のアチャカーさんという女性の長官に出ていただいて、大変話が弾みました。
 富山県もこれから、いろんな企業がタイにこれまで以上に関心も持っていますし、タイのほうからも、例えば、日本国内で投資セミナーなんかをやる際には、富山県でやることも検討したいといったようなご返事もいただきましたので、これまでは何といっても、私も就任以来、中国とか韓国、台湾との関係の充実、拡充に力を入れてまいったんですが、この3国は引き続き大切ですけれども、これからはASEAN地域も大事だと。また県内の企業もそういう問題意識を持つ企業が増えておりますので、今回、その中心的なシンガポール、またかねて日本に対して非常に親日的で、外交面でも大変円滑にいっているタイ、この2つで今申し上げたようないろんな角度からのアプローチ、プレゼンテーション、人的ネットワークが構築できたのは大変よかったなと、かように思っている次第でございます。
 これをベースに、さらに富山県の産業の空洞化を招かないように、コアな部分はしっかり富山県に根づいていただきながら、シンガポール、タイをはじめASEAN地域にも、ケースによっては新たに工場新設等の進出もやったり、販路開拓をもっと進めたり、さまざまな面で交流を深めて、ASEAN諸国と富山県がともに発展していくように、これからも努力していきたい。その第一歩としては、大変手ごたえがあったなと思った次第でございます。
 以上で私からの説明を終わらせていただきます。

2 質疑応答

記者会見で記者と質疑応答する知事○記者
 知事が東南アジアに行かれた後、民主党のマニフェストという話が、昨日、今日と、菅総理、岡田幹事長から「甘い見通しのものであった」というような陳謝の言葉がありました。
 富山県としても、マニフェストについては、公共事業の削減だったり、土地改良事業を減らされたりということで苦労した部分があるんですけれども、この陳謝をどのような思いで受けとめられたかということが1点と、もう1つ、これは東南アジアに行かれる前だったと思いますが、「脱原発依存」ということを菅総理が記者会見で言われて、その後は少しトーンダウンしたところもあるんですけれども、県民の暮らしに欠かせないエネルギー、原発というものについて、知事として、今の現状、どんな感覚でいらっしゃるかということをお伺いしたいと思います。

●知事
 まず、民主党のマニフェストについては、私は、今では2年近く前になりましたが、マニフェストを出されたときから、実現可能性という点については大変疑問があると思っておりましたし、そのことをいろんな場で、公の席でも申し上げてきました。
 特に子ども手当とか高速道路の無料化とか、給付を増やすという話がたくさんある一方で、例えば社会資本整備、「コンクリートから人へ」ということを殊さらにおっしゃって、本当は人にとっても必要なコンクリートもあるはずなのに、ちょっと偏ったお話のされ方だなとかねて思っておりましたし、また、行政改革をやれば、確か16.8兆円が生み出せるというようなこともおっしゃっていたのですが、私は当時から、とてもそんな数字が出るはずがないというふうに思って、これも公の席でも申し上げたことがございます。
 その後の経過は、皆さんご承知のとおりで、陳謝されたかどうかはその場にいないから知りませんが、やっぱり実現可能性という点で、甚だ困難なマニフェストを発表して、それで有権者の方がそれを見て投票されたという面もありますから、責任ある政党として、実際は実現可能性が非常に乏しいものを出してしまったことについて反省されているとすれば、それはそうだろうなと。ようやくそういうことを自らお認めになることになったかというふうな感慨を持ちますが、問題は、これまでのことについては有権者がご判断されると思いますが、今まして政権を担っていらっしゃるわけだし、仮に政権の座から離れることがあっても、いずれにしても日本の代表的な政党のお一つでいらっしゃる。まして抽象的な政権公約ではなくて、具体性のあるマニフェストでもって政策で競って政権を取る、それが今後の政党のあり方だ、政党政治のあり方だとおっしゃっていたはずなので、その肝心のマニフェストがとても実現できないことを並べるというのは大変残念なことで、今後はそういうことがないように、足を地に着けると同時に、国民の幸せ、国の将来を考えて、10年先、20年先、30年先を見通した先見性のある政策を、勇気を持って打ち出して実行していくという政党になっていただければなと思います。
 2つ目の脱原発についてでありますけれども、その後、私は留守中の新聞はまだあまり詳しく読む時間がないんですけれども、幾つかざっと拝読した感じでは、「脱原発」というような趣旨のことをおっしゃったけど、「実はあれは個人的な見解でした」というようなことをおっしゃっているようでありまして、やっぱり私はいろいろあっても、民主的な手続を経て一国の総理になられた方をあしざまに言うのはあまり好きじゃないんですけれども、正直情けないなと思います。やっぱり、わざわざあの局面で記者会見をされて発言される以上、国民は総理の個人的な意見を聞きたいんじゃなくて、国を預かって、国民の今後の命運を担わなければいけない立場の総理大臣としての重みのある発言を聞きたいと思っているわけで、情けないなと思いますね。
 ぜひ、今後は、いつまでおやりになるのか知りませんけれども、出処進退を明確にされて、責任のあるご発言をしていただきたいものだなと思います。

○記者
 2つ、今の原発の話に絡んで、知事も出席されたこの間の全国知事会議で、エネルギー政策のあり方というのを活発に議論されたと思うんですけれども、知事はその中で、「再生可能エネルギーを増やす方向性というのは、だれも異論はないと思うんだけれども、『卒原発』という言葉がひとり歩きしている面がある。相当しっかりした総合的な議論をして、スタンスを決めなければいけない」という発言をされたと思うんですけれども、それを考えると、原発への依存度はともかく、原発というものは今後も必要であるという認識でいらっしゃるという理解でいいのかというのが1点と、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムを含む牛肉が今市場に流通している問題が注目を集めているんですけれども、これに対するこれまでの国の対応、あるいは姿勢に対する知事のご見解あるいは注文するべき点があれば、教えていただけないでしょうか。

●知事
 まず、原子力発電の問題ですけれども、お話のように全国知事会でも大体おっしゃったようなトーンで申し上げたと思うのですが、やっぱり今度の福島第一原発の事故なんかを思いますと、今後、原発の安全性等については、よほどしっかりと見直してやってもらわなければいけないと思いますし、それから原発にはいろんな課題がありますから、普通に考えて、再生可能エネルギー、自然エネルギー、こういったものの比重をできるだけ増やしていくということは、私は大方の国民の皆さんは当然そう思っておられるのではないかと思います。
 ただ、現実には、原子力についてもいろいろ課題がありますけれども、別途、地球温暖化対策ということも人類が立ち向かわなければいけない大きな課題のはずでありまして、現に鳩山前総理はそのことで国際公約とも言われるような目標を立てられたわけです。
 私は、鳩山前総理が立てられた目標も本当に実現できるのか、当時から疑問には思っておりましたけれども、しかしCO2、温室効果ガスをなるべく減らしていくというのも、当然目指さなければいけないことです。
 その温暖化対策ということもあるから、菅総理はお忘れになったのか不思議なんだけれども、昨年総理になられて、しばらくしてエネルギー計画の見直しをされて、細かい数字は間違ったらあれですが、昨年の時点で現状、確か国内の発電の26%ぐらいだった原発を53%に引き上げるということを打ち出されたんです。そのときに、確か再生エネルギー等についても比率を上げる計画にはなっていたと思うんですけれども、同じ総理が福島原発問題があったとはいえ、急に「脱原発」といったような言い方をして、よほど総合的に十分論議をし、検討を進められた上でのご発言ならいいんですけれども、残念ながら十分議論をされた形跡があまりないわけで、そういうふうに軽々に物を言われるというのは残念だなと思っております。
 私自身は、原発について、もっともっと自分で自ら勉強しなければいけないと思っているんですが、今の私の認識としては、原子力発電というのは、さっき申し上げたように再生可能エネルギーの比率をできるだけ上げていく、それはだれしもそう考えると思うんですが、当面の例えば5年、10年で原子力発電をやめるとか、極端に減らすというのは現実には非常に難しいんじゃないかと。一方で電力の安定供給ということもありますし、これは産業だけではなくて、やっぱり県民、国民の生活の面でも、通常の生活の利便性ということもさることながら、病院とか教育の場とか福祉の現場とか、どうしても電気がないと困るという場面はたくさんあるわけで、例えば、一時、東京で心配されたように、手術の最中に節電で停電になったらどうなるんだということをあのころ真顔で心配したわけで、そういうことが本当に、今、ほかのエネルギーの開発がまだ十分に進まない段階で、原子力発電だけを一方的に減らしたり、やめたりということは、少なくとも5年、10年というタームではなかなか難しいんじゃないかと。
 ですから、やっぱり比率は下げるにしても、少し時間がかかるのではないかなというふうに思っております。
 同時に、今回シンガポールやタイへ行って改めてそうだなと思ったんですが、やっぱりもともと暑い国だからということもありますが、印象としては大変ふんだんに電気を使っていらっしゃる。ホテルの冷房の効き方なんかとても日本の比じゃなくて、寒いくらいで、東京なり富山の冷房になれた身からしますと、ここまで効かせていいのかと思うぐらい、電力はふんだんに使っていらっしゃる印象でした。
 ですから、やっぱり電力の問題一つをとっても、今後の国民生活とか、あるいは日本の経済、産業、こうしたことも十分に縦、横、斜めによく目配りをして、時間軸、5年以内にやれること、10年ぐらいでできること、やっぱり30年はかかるということを区別して、しっかりプランを立てて発言をしないと、国民も心配ですし、非常に感じたのは、諸外国が今、日本の中央政治について非常に心配している人が増えているように私は感じました。
 日本の中央政治も早く、もっともっと立派な形に直していかないと大変なことになると、こういうふうに思っております。
 それから放射性の牛肉の件ですけれども、ご質問は、今の福島県とか宮城県なんかで屋外に放置されていたわらを食べた牛の肉があちこち流通している、それについてどう思うかということですか。

○記者
 今、後手後手に回っているとか、国の対応がいろいろ議論になっているところがあると思うのですが、今の国の対応に対するご見解あるいは注文です。

●知事
 そうですね。牛肉については、今、正確な数字は忘れましたが、今月に入ってからでしたか、出荷制限されたそうですし、また牛が食べるわらなんかについては、屋外に放置されて積んであるという状態を国の役所がご存じなくて、そういったところに早くから注意喚起することに気がつかなかったというような話もあったようですけれども、そういった点は、これだけの大きな大震災、また津波とか原子力災害とかいろんな要素が入っていますので、中央政府も大変だなとは思いますけれども、やっぱり総合的な配慮というか、対応が十分できていなかったと言われても、そこはやむを得ないのかなと。
 ぜひ、国は、特に食べ物とか人の健康や命に直接かかわるようなことは、いくら分権の時代といっても全国的な見地から責任ある対応をしてもらわなければいけない分野ですから、総合的で先を見通した一貫した政策を立案して、着実に実行するというふうにしていただければなと思います。
 もちろん県としても、留守中でしたけれども、常時、私にもこのことについての情報が、県内で流通しているものがあるといったような報告も入っていましたし、それぞれ各部門で実態を調べたりしてくれていますけれども、例えば農家の皆さんに放射能の恐れがあるようなわらみたいなものを購入するのはやめてほしいとか、いろんな助言、指導等も既にさせていただいておりますけれども、これからもしっかり対処したいと思います。

○記者
 今のご質問にも関連するんですけれども、東北のほうで収穫された稲わらから放射性セシウムが検出されている問題で、その稲わらを食べた可能性のある牛肉が流通していることがわかってきていますが、販売業者ですとか、小売されているお店で、やっぱり売り上げが落ちたり、風評被害が広がってきているという声も聞いたりするんですけれども、恐らく、風評被害をどう食いとめるかというのは、最終的には国がどう動くかということになるかと思うのですが、県としてできること、県としてどういう対応ができるかということをお伺いしたいと思います。

●知事
 放射性物質に汚染された稲わらを食べた可能性のある牛などが、直接富山県に売られたケースはあまりないのですが、他の県の業者さんに売られて、それがまた富山県に転売されて、物によっては県内で消費されないで、またさらに別の県の業者に転売されるとかというのもあったようですし、また県内で現に消費されたものもあるようですので、1つは、もちろん国と他の県とも十分連絡をとって、そういう放射性セシウムを含む可能性のある牛肉が、まず富山県内にできるだけ入らないようにする。もし既に入ったものがあって残っているものがあれば、消費されないように何とかできるだけ水際で食いとめる。
 それから、今後についてはさっき申し上げたように、確か牛ですと12カ月以内だったらいいということになっているんでしたか。そういうのは別にして、ある程度以上の月齢になった牛は、これは国もそういうふうに言っているようですけれども、購入したりしないとか、あるいは汚染された可能性のあるわらを買ったりしないとか、そういうことをしっかり徹底しまして、富山県内に汚染の疑いのある牛が今後増えるとか、あるいはどうかする可能性があるものをできるだけ事前に摘んで、心配がないようにすることが何より大事ではないかなと思っています。

○記者
 今の件に追随するような話なんですが、牛肉だけではなくて、野菜であったり果物などに関しても、当然放射性物質が検出される可能性はあると思うんですが、その中で、産地や農家の方々というのは、安全に関する証明であったり、出荷する前に欲しいという声もある中で、富山県として、出荷する前の野菜や果物の放射性物質の検査みたいなものを考えられたりしないのでしょうか。

●知事
 もし積極的にお求めがあれば、検査機器も衛生研究所(や環境科学センター)なんかでも確か整備してありますから、対処したいと思いますが、一般的に出荷するときに全部やるかというと、ご承知のとおりで、富山県は環境放射線も平常値の範囲内で、日本の中でもむしろ少ないほうですし、これまでも水とか、いろんなところを調査していますけれども、皆、平常値で、検出されないといったようなことでありますから、今の時点で、あまねく野菜とか果樹とかいろんなものを検査しなければならないという状況ではないのではないかと理解しています。もちろん今後の状況を見て判断したいと思いますが、今の時点ではそういうことじゃないでしょうか。

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