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知事記者会見[平成21年度]

2017年6月8日

知事室 目次

知事記者会見(イタイイタイ病資料館(仮称)整備基本構想について)[平成22年3月29日(月)]

◆日時 平成22年3月29日(月)午後2時〜2時40分
◆場所 県庁3階特別室

1 知事からの説明事項
(1)イタイイタイ病資料館(仮称)整備基本構想について
※配付資料は、関連ファイルをご覧ください。

2 質疑応答

1 知事からの説明事項

記者会見で説明をする知事○知事
 それではイタイイタイ病資料館、まだ仮称ですけれども、これの整備基本構想について発表させていただきたいと思います。
 お手元にカラー版で資料があると思いますので、それを見ていただきたいと思いますが、この資料館の理念につきましては、ここにありますとおりですが、日本の四大公害病の一つでありますイタイイタイ病が、二度と繰り返されることがないように、貴重な資料、あるいは教訓を次の世代に継承していく、またこうした困難を克服した先人の皆さんの英知や努力を未来につないで、環境と健康を大切にする県づくりを進めたい、こういうことであります。
 目的・機能ですけれども、関係機関でいろいろな資料が保存されているわけですけれども整理が困難な状況になっておりまして、散逸の恐れがある。特に関係の方が亡くなったり、あるいは高齢になったりということもあります。そこで、まず関係資料の散逸を防止する。貴重な資料を収集・保存して散逸させないということと、保存する資料を効果的に整理して管理していくと。それから関係者の高齢化ですとか、またイタイイタイ病って何とご存知ないお子さんが増えてきているということもありますので、風化を防止する、また未来につないでいくということで、正しい理解を広める、知識を深める。また特に子どもさんへの学習機会の提供、もちろん一般向けの啓発も行う。東アジアなどで同じような公害問題が起きつつあるということも言われています。こうした教訓を国内はもとより、国外のこれから発展する地域の皆さんにも情報を発信して、教訓にしてこういうことが起こらないようにしてもらおうということでございます。
 ねらいは今申し上げたことと裏腹ですけれども、イタイイタイ病、文字通り、「痛い、痛い」と言って、痛みに耐えかねて亡くなっていかれた方もいるわけですから、そういったことの悲惨さを知る、またこれを克服してきた歴史を学ぶ、それから、県民一人ひとりが環境と健康を大切にするライフスタイルを確立する。それから企業も含めて公害が二度と起こさないような地域づくりを進めるということであります。
 整備の方針ですけれども、既に検討会報告でも既存施設の活用の方向性がでておりましたけれども、国際健康プラザ内の国際伝統医学センターの施設を有効に活用して必要な改修を加えて整備したいということであります。 
 国際伝統医学センターとして使っておりましたところは、1,166平方メートルありますけれども、検討会報告では、資料室、展示室、図書閲覧室、また研修室を合わせまして、約520平方メートル、それに事務室や供用の部分を足してだいたい1,040平方メートル必要じゃないかという提案になっているのですけれども、それをある程度上回るスペースがありますので、できるだけ有効活用していきたいと思います。

 それから、展示計画ですけれども、この資料で言うと後ろのほうについておりますが、まず、現代の子どもたちはやはり水道に慣れていますので、昔の田園地帯のお宅が、例えば川の水を引き入れて、そして台所の水を調達していたというのはなかなか想像しにくいと思うのですね。そういうことを見ていただき、美しい田園風景の中でそういう生活が行われていた。その中で、激しい痛みの伴うイタイイタイ病が発生して、大正年間からいろいろ言われていて、最初は原因のわからない風土病みたいに言われていた時期があるわけです。それから次の絵では、流域住民の健康調査ですとか、保健指導とか、また患者認定制度も確立してきまして、イタイイタイ病の医学的な説明も含めて紹介する展示スペースであります。またイタイイタイ病の原因究明や健康と暮らしを守る動き、また被害者側が訴訟を起こして、昭和47年に勝利判決を受けたわけですけれども、それを受けて被害者側と原因企業との取り決めも行われた、こういった経過もここで表すということであります。
 それから三番目は、美しい水・大地を取り戻さなければいけないということで、まず神岡鉱山等の発生源対策、これは患者の皆さんも定期的に現地に行って、立入調査等もされているわけですけれども本当の意味での清流を取り戻す。また汚染された土壌については、土壌汚染対策事業をやっておりまして、今のところ23年度で全事業が終了するという見通しになっております。そうした取り組みや成果もここで紹介する。また同時にそれだけではなくて、この神通川流域は東に立山連峰、北に神秘の海富山湾、富山平野と本当に美しい田園でありますから、そうしたところで美しい環境を取り戻して環境と健康を大切にする富山県にしようと。そのために県民のライフスタイルも変えていこうとか、また企業も含めて二度と公害を起こさないようにやっていこうと。そういう中で、うまく土壌汚染対策の成果はもちろんですが、今後の地球温暖化防止対策、かねて県として取り組んでおります、水と緑の森づくり運動ですとか、レジ袋の無料配布取止めとか色々な問題に積極的に取り組んでおりますので、最終的には未来志向型の資料館にしていきたいと思います。
 それから先ほどの資料の方に戻って頂きますと、事業計画ですけれども、関係資料の継承だけではなくて、先ほど申し上げました小中学生の皆さんへの学習の機会の提供でありますとか、もちろん中高年の方も含めて幅広い世代も含めた啓発、またインターネットを活用した情報発信に重点を置いた事業を進めたいと思います。内容は資料にあるとおりですが、例えばお子さんたちへの学習機会の提供という意味では、なかなか一般の教科書でイタイイタイ病が取り上げられるスペースが減ってきているということもありますので、例えば夏休みに夏期セミナーを開催する、また課外授業用の学習プランを立てまして、例えば小中学生さんというと一時限45分ぐらいですから、例えば90分の映像、または語り部の方に語って頂くようなメニューを用意して学んでいただくということもあると思います。またもちろん一般向けの啓発も努力したいと思いますし、その際には、被害者団体、また被害流域でこうした問題に関わってこられた方々を語り部として起用して進めるということもやりたいと思います。また、先ほど申し上げたように東アジアなどで同じようなカドミ問題なども起きているという議論もありますので、こうしたことを教訓にしてもらおうということで、外国語対応のホームページをつくりまして、バーチャル資料館ということにしておりますけれども、あるいは印刷物などを活用しまして、英語、中国語、韓国語、ロシア語でも啓発していきたいと思います。

 また、管理運営の計画でありますけれども、これは国際健康プラザとの一体的な施設管理、また民間のノウハウも活用しまして効率的かつ効果的な体制を整備したいと思います。入場料については、このイタイイタイ病資料館は基本的に普及啓発とか資料の保存、次の世代への継承とか、あるいは内外に向かっての情報発信がねらいでありますので、基本的に無料にする方向で検討したいと思います。
 また、開館日時等は健康プラザの状況も踏まえてこれから具体的に検討していきたいと思います。また、管理運営方式は、館長さんとか施設管理・運営に必要な人員はもちろん配置していきますが、一方で指定管理者制度も導入することもあわせて検討していきたいと思います。
 スケジュールですけれども、22年度中に施設の改修と展示の設計を実施いたしまして、汚染土壌の復元事業が完了します平成23年度末までの完成を目指したいと思っているわけで、22年度は基本設計・実施設計、23年度が改修・展示工事になると思います。
 なお、被害者団体や地元富山市と相談しまして、必要な協力をいただかないといけないと思っておりまして、また原因企業に対しては、費用の問題も含めて相当程度の協力をしていただきたいと思っております。
 展示の構成は、先に見てもらいましたが、暮らしの原風景、プロローグから始まりまして、イタイイタイ病の発生と解決に向けた動き、また原因究明、健康と暮らしを守る動き、裁判もあったわけですね。またテーマ2として、流域住民の健康を守り、患者を救う取り組みということで、健康調査とか保健指導、患者救済といったことであります。またテーマの3としては、美しい水・大地を取り戻してきた環境被害対策ということで、発生源対策と土壌汚染対策とそれらの成果といったことについて説明をすると。またエピローグとして環境先端県を目指した取り組みのアピールをしたいと思っております。
 以上が県立でつくることにしております、イタイイタイ病資料館についての整備基本構想であります。

2 質疑応答

○記者
 資料館のねらいは、資料や教訓を後世に継承することで、たくさんの人に訪れてもらうことが大切だと思います。清流会館では年間400人ほどだが、新潟県の水俣病資料館は年間3万6千〜7千人の人が訪れていると聞いております。この資料館は年間どのくらいの人数を目指しているのか、また根拠となるデータがあれば教えてください。

○知事
 これから詰める必要がありますが、私はやはりなるべく多くの方に来ていただいて、こういう悲惨なことがあったのかと、こういうことは二度と起こしてはいけないとアピールしていくことが大きな目的で、場所もそういう観点も含めて選んでおります。幸い、国際健康プラザは年間延べ30万人ぐらい利用される施設で、もちろんこれはご自身の健康増進のために定期的にいらっしゃる人も含んだ数字で、それが大部分の数字でありますけれども、一方で例えば今お子さんの数は減ってきていると言っても、小学校1学年で1万人前後ぐらいでしょうか。例えばそういった方々に、小学校何年生がいいのかはまた学校現場と相談しますが、例えば4年生、5年生になったら一度は見てもらうようにするとか、特に富山市は重点だと思います。色々なことを考えますと、年間2万5千人から3万人は見てほしい。新潟県は人口が結構多いので、240万人弱の県で、富山県は110万人の県ですから、単純に考えれば新潟県が3万5千人ならば、富山県は1万5千人ぐらいになるかもしれないが、私としては2万5千人から3万人の方、できるだけ多くの方に見ていただけるような努力、工夫をしたいと思っております。

○記者
 整備費用の負担の交渉について現状はどうでしょうか。

○知事
 これまでに原因企業とは実務的に2度協議を行っております。私の受けとめとしては、原因企業が全く協力しないということは考えておられないと思いますが、一方世界同時不況の影響もあっていろいろ経営も苦しいだろうと思います。しかし、私どもの方から言えば、これは上流の県外の企業が原因で、そして被害を受けたのは富山県の神通川流域の住民の皆さんのということですから、これは相当程度の負担していただいてもしかるべきだと思いますので、引き続き粘り強く交渉というか協議をしたいと思います。あまりずるずるしないで、できるだけ早く解決に向けて努力したいなと思っております。

○記者
 ここまで具体的に中身がイメージされてきますと、総工費のおおまかなイメージもあると思いますが現時点でどのくらいになるのでしょうか。

○知事
 これから基本設計、さらには実施設計になるので、今からいくらになるかは申し上げにくいのですが、既にある建物を大幅に改修していくということでありますから、とんでもない金額ではないと思うが、今の時点でいくらというのは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしても数千万円ぐらいではできなくて、億単位の数字になると思います。

○記者
 展示の構成について、以前からも資料館については、被害者団体の御意見も取り入れたいとおっしゃっていたと思いますが、どのくらい被害者団体の意見を踏まえたのでしょうか。

○知事
 そもそも検討会の中に、亡くなられましたが小松さんや、高木さんに被害者団体の代表として入っていただいて、イタイイタイ病資料館をどういう展示のイメージにするかは意見も伺っていて、今回それを、具体的なものに整理しており、かつプロローグからテーマ1、2、3、エピローグという構成やパースについては、被害者団体の方々にも見ていただいてご相談して、ご意見は生かしてつくったということであります。

○記者
 着工は平成23年度でよろしいでしょうか。

○知事
 そうですね、今のところは平成22年度に基本設計・実施設計をして、23年度から改修・展示工事をやると。できれば23年度末、24年3月までにはそういう工事を竣工して、いずれにしても24年の春までにはオープンしたいと思います。

○記者
 館長については、今思い描く方はいますでしょうか。

○知事
 今まだ具体的なことを考えておりませんけれども、当然イタイイタイ病について、ある程度知識見識を持った、また健康・環境問題にそれなりに見識を持った方になっていただきたいと思いますが、具体的なことはこれからです。

○記者
 連携協力について、富山市にも相談し、必要な協力を得たいとあり、これから詳細は詰められると思いますが、現時点でどういう協力を得たいと考えているのでしょうか。

○知事
 富山市とは話をしておりますが、他の例えば水俣病、熊本県では水俣市が市立でつくっていらっしゃるわけですね。新潟県の場合は県立でつくっておれるわけですけれども、特に富山県の場合はイタイイタイ病の流域は、合併以前は富山市だけではなくて、いくつかの町、例えば婦中町に分かれていましたが、今ではすっぽり富山市に入っていて、かつ富山市さんは中核市で、例えば保健所行政、衛生行政をやっていらっしゃるわけですね。ただ、これまで富山県が長い経過の中で、このイタイイタイ病については前面に立ってやってきましたので、私は県立としてつくることは良いと思っております。まずは全体の事業費はどうなるか、これから基本設計に入りますし、その過程で被害者団体のご意見も十分参考にしながら、どういう施設にするか固めていきたいと思います。また同時に何と言っても責任のある原因企業との話し合いも早く進めていきたいと思います。そういう中で富山市さんともお話をしまして、それなりの協力がいただければと思っております。

○記者
 被害者団体の方は、この施設にどう関わってくるのでしょうか。

○知事
 具体的にはこれからですが、語り部的な役割を、被害者団体の方で熱意ある方にお願いすることは当然あると思います。それ以外のことは地元のご要望も伺って今後ご相談したいと思います。

○記者
 原因企業に対して、今実務的な話し合いが進んでいるとのことですが、知事自らが協議されることはありますでしょうか。

○知事
 今、実務的な面でお話をして、富山県として十分納得することがあればあえて出る必要はないと思いますが、企業のこれからの対応状況によっては、私自らが協議の場に臨むこともあると思います。

○記者
 公害認定されて40年、今のタイミングで資料館をつくるということで、タイミングについてはどのようにお考えでしょうか。

○知事
 長い色々な経過がありまして、これまでは、まず原因企業との関係や発生源対策とか汚染された土壌の復元、被害者の方の認定などそういう緊急度が高いことに精いっぱい対応してきましたが、汚染された土壌の復元のピークも過ぎて、23年度には概ね完了するという状況になってきましたし、また被害者団体の方も中心でやってこられた方が大分ご高齢になって、特に小松さんには大変残念なことに亡くなられたわけですが、できるだけ被害者の方のご意見を尊重しながら、このイタイイタイ病の教訓を保存し、整理して次の時代に伝えていくということをきちんとしなければいけない時期にきていると思っておりまして、私が知事に就任する前から色々な経過があったと思いますが、そういう資料館を整備すべき決断をする適切な時期にできたと思います。

○記者
 展示項目の中で特に被害者団体の意見を反映したという点はありますでしょうか。

○知事
 検討会の場に小松さん、高木さんにも出ていただいて、また昨年、富山県知事としては初めて清流会館にも行った時は、まだお元気だった小松さんから直接お話をお聞きしました。当時から私どもと大きな差はなかったと思うのですね。あえて言うならば、私がひとつそうだなと思ったことは、今の子どもたちは水道に慣れて、蛇口をひねれば水が出てきますが、昔は台所の水は、お隣の清らかな神通川の水を引いて、炊事洗濯など、いろいろなことをやっており、そういうことが実感できればよいということもありましたので、そういう点はご意見を踏まえたものになっております。

○記者
 新潟県のケースで言いますと資料の収集・保存にも力を入れていると聞いております。今回のイタイイタイ病資料館では、資料をどのように積極的に収集するのか具体的な方向はいかがでしょうか。

○知事
 収集については、遡れば、私が指示したのは一昨年で、どこに何があるかを詳細に調べていて、さらにその後ももっとないのかとやってきておりますので、今の段階で未調査になっているとは考えにくいのですが、さらにもれがないように色々な方にも呼びかけますし、見落としがないように点検をしていきたいと思います。被害者団体のご意見も十分尊重して生かしておりますし、それから検討会に入っていらっしゃる有識者の方の中には大変熱心に取り組んでこられた方や、公衆衛生の専門家やいろいろな方がおられるので、どこに何があるかは確認できていると思うが、さらに努力したいと思います。それから昨年同時に進めておりますのは、段々高齢化されているということもありますから、お元気なうちに生の声をお聞かせいただこうと、これまで17人の方の映像記録を行いまして、その中には患者ご自身もいらっしゃいますし、また患者ではないけれどもその周辺にいらっしゃる方で被害者側に立って長年熱心に活動されている方もいらっしゃるわけです。どこかに書類やテープという形で保存されているものは大丈夫ですが、私がむしろ心配しているのは、今御存命の方がお元気なうちに、生の声を残すことが大事だと思いますので、そのことに全力を尽くしたいと思います。

○記者
 今回ようやく県としての構想を取りまとめられましたが、知事としてこの構想をご覧になってどう評価していますでしょうか。

○知事
 私は、昨年資料館の整備を真剣に検討しなければいけないと思った時から、職員にも、また関係方面にもお願いをしていたのですが、せっかくやる以上は、既存の資料、文書、映像のようなものも、くまなくきちんと整理するということと、また御存命の方々の生きた生の声をお元気なうちにできるだけ保存していくと。また同時に、この資料館は、過去の悲惨な体験をしっかり収集・整理して、わかりやすく子どもたちを含めて次の時代を担う人たちに伝えるということと、同時にこれを二度と繰り返してはいけないと、そういう教訓であると同時に、悲惨な歴史を乗り越えてきた、それをバネにして、もっと健康や環境に配慮した生活、ライフスタイルをしていこうと、また企業も含めて二度とこういう公害を起こさないような生産活動をやっていこうというような、未来志向型の、教訓を良い風に生かしていくことが大事ですから、そういう点から言うと、私の希望に沿った形になっているように思いますし、その過程で被害者団体の皆さんの意見も十分生かしているつもりですので、いい方向にいっていると思います。もちろんこれから基本設計などもやっていく過程で、今後も特に被害者団体の方のご意見は十分お聞きして対応したいと思います。

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