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知事記者会見[平成20年度]

2017年6月8日

知事室 目次

知事記者会見要旨[平成20年7月22日]

◆日時 平成20年7月22日(火)午後1時〜1時45分
◆場所 議会大会議室

1 知事からの説明事項
(1)整備新幹線の地方負担軽減のための地方交付税措置の拡充について
(2)全国知事会議について
(3)神奈川県との交流について
※配付資料は、関連ファイルをご覧ください。

2 質疑応答

1 知事からの説明事項

記者会見で説明をする知事○知事 
 それでは、ただいまから記者会見、3点お話をしたいと思います。
 一つは、整備新幹線の地方負担軽減のための地方交付税措置の拡充ということであります。
 先般、総務省のほうで作業的な数字が示されましたので、一部報道もあったようですけれども、その後精査をいたしまして、発表するにふさわしい段階になったと思いますのでお話をしたいと思います。
 お手元資料を見ていただきますと、これまで、国に対し、また与党に対し、いろいろお願いをしてきましたが、おかげをもちまして、今回、画期的な制度改正が実現できたと思います。ご理解いただいた増田総務大臣はじめ、総務省の皆さん、また、力強いご支援を賜りました与党プロジェクトチームの津島座長さんや、また、本県選出の長勢先生や萩山先生、また、ほかの本県出身の先生方にもご尽力をいただきました。また、県議会の皆様にも、この3月に与党の勉強会に出るときには予算特別委員会の日程をずらしていただくといったようなご協力もいただきまして、議会を含めて、県を挙げての取り組みが大きな成果を生み出したことができたなと感謝している次第であります。
 内容的には、昨年までは新幹線についての地方債の各年度の元利償還金に対する交付税措置率が50%ということだったんですけれども、今年度からこれを標準財政規模に対する元利償還金の比率が1%を超える、特に各年度の元利償還金の負担が重い団体について、その度合いに応じてこの措置率を最大70%まで引き上げると、こういうことであります。標準財政規模の定義は、税と交付税と地方譲与税を足したものでございます。
 この結果、じゃ、どうなるかということでありますけれども、新幹線はもともと国全体の均衡ある発展とか環日本海時代の振興のために不可欠な国家プロジェクトということで、それにふさわしい財政措置が必要ということを言ってきたわけですが、特にここにありますように、一つは負担の公平ということで、東海道とか山陽両新幹線、東北新幹線も盛岡まで地方負担が無かったわけで、先行した財政力が強い地方団体の負担がなくて、後発のこれから頑張ろうという財政力の弱いところに3分の1の負担があるのは不公平だということ、また、昨年来、改めて東京と地方との格差問題が非常に大きな政治のテーマになっていますけれども、既に発展して経済力が強い豊かなところは負担がなくて、これから何とか発展していこうというところの負担が重いというのは、さらなる地域格差の拡大につながる、これをぜひ是正してほしいといったこと、それから、3点目は、地方財政が、三位一体改革等によりまして、地方交付税が6.1兆円削減されるといったことがあって、現行の財源スキームが決定されたのは平成8年12月ですけれども、全く、ここにありますように様変わりしてしまったと。政策的経費に充てられる純粋な一般財源というのは半分以下になっているということであります。決して甘えるわけではなくて、国・地方通じて財政厳しい中ですから、行革を真剣に進めるとしても、それは当然なんですが、余りにもこれは不公平で重い負担ではないかということが理解されたということであります。
 意義のところにも書いてありますが、私は、いろいろな経過がありますけれども、結論としては画期的な改革になったなと。相当大きな、財政運営の面では効果があると思います。また、新幹線の地方負担は、マクロでは地方財政計画にもともと計上されているんですけれども、沿線の自治体の負担の度合いに応じて交付税措置率を上げるということで、負担の実態を適切に反映した交付税措置がなされるということで、より公平になる、また、格差是正にも資すると、こういうことになっております。
 ちなみに言うと、マクロで地方財政計画に載っているわけですから、実際に地方負担があるところに十分に配分されないと、先に新幹線が整備されて地方負担なしでやったところにも観念的には地方交付税が単位費用へ入っていくことになりますので、これは余りにも不公平だという私どもの主張が理解されたということであります。
 本県への影響ですけれども、3のところを見ていただきますと、今年度、この8月中旬に省令改正をしていただけるということでありますけれども、償還額が増えるに伴って交付税の措置率が上がります。私どもの計算では、今年度は制度としては交付税措置率が上がって、全国で5つの県がこれによって交付税措置率のかさ上げ対象になりますが、富山県は今年度は対象にならない見通しであります。しかし、来年度以降償還額はどんどん増えてまいりますので、富山県も相当な交付税の増額が確保できる。
 3の(2)を見ていただきますと、いろいろな試算の前提がありますし、今後、国・地方を通じての財政がどうなるかというふうなことで、ある程度の変動も考えられるわけですが、ざっと300億円近い交付税の増額が確保できたと、こういうふうに思っております。特に償還がピークを迎えます平成30年度ごろには、単年度で100億を超える地方債の元利償還金が見込まれるわけですが、これに対して地方交付税の措置額が現行に比べて20億円増の70億円超の財源措置が確保できます。そうしますと、これまで行政改革をやったり20年度予算編成措置等を通じまして財政再建をおおむね明確にできたと思っているんですけれども、今回の措置によって財政再建の取り組みが大きく前進して、元気とやま創造に向けての取り組みを加速する財政面での基盤が確立できたと、こういうふうに考えております。
 今後のスケジュールはこの下にあるとおりで、8月半ばまでに閣議報告、省令公布、今年度の交付決定がなされるということであります。
 もう1枚おめくりいただきますと、整備新幹線についての交付税措置は、今までは国と地方が、貸付料分を除きますと2対1で負担しておりまして、3分の1の地方負担の分を、90%地方債措置をして、その元利償還の50%を交付税で措置するということでありましたが、これを個々の団体ごとに負担が大きくなるにつれて、最大70%まで交付税措置額を上げると、こういう仕組みをつくっていただきましたので、先ほど申し上げたような効果が出るということでありまして、大変ありがたい改革が実現できたと、こういうことになるわけであります。

 それから、第2点目は、先般全国知事会議がありまして、これも現地で取材された方もおられますけれども、最終的に取りまとめを改めてさせていただきたいと思います。
 7月17、18日、横浜で知事会議が開催されまして、知事本人の出席45人ということで、47人のうち45人ですから大変出席率もよかったと思いますし、また、増田総務大臣、丹羽地方分権改革推進委員長等々も出席されました。議事としては、第二次の地方分権改革、今後の地方財政の展望と地方消費税の充実、また、道路財源の一般財源化に伴う諸課題、また、交付税の復元・充実、地方税源の確保・充実といったことについて協議を行って提言をまとめました。また、医療とか福祉、また、地球温暖化対策、原油原材料の高騰対策といったような問題について、知事会の枠に必ずしもとらわれず、中央政府に、しっかりこの際、国民の立場に立って物を言っていこうということで緊急決議もさせていただきました。
 本県から提案しまして知事会として合意に至った主な成果ですけれども、簡単に申しますと、一つは、事務権限の移譲に伴う財源確保で、特に増田総務大臣がお出になりました席で、私のほうから、出先機関とか事務権限の移譲のことが言われているわけですけれども、まず、資料の下の参考というところを見ていただきますと、既に勧告された、例えば道路や河川の直轄事業から補助事業に振りかえるということになりますと、単純に、大体直轄事業というのは国費3分の2、補助事業というのは国費が2分の1程度でありますので、ざっと計算しますと全国で6,000億円も地方の負担がふえると。富山県の負担でいっても100億をかなり超える。また、今、出先機関の見直しをやる、そして地方にできるだけ都道府県単位のものは譲ろうというふうな方向での議論がなされておりますが、これも、人件費だけを見ても、全国で約7,000億円ぐらいの地方負担がふえる。富山県だけ見ても100億円以上ふえると。この財源の問題が、合わせて、少なく見ても1兆3,000億円以上の地方負担が生ずるわけですが、この点については三次勧告以降に税財源のことは触れますということで、専ら事務権限の移譲と出先機関の地方への移譲ということが議論されているんですけれども、気をつけないと、三位一体改革のように新たにまた地方につけ回しをして地方の負担だけが増えるということになりかねませんので、それはぜひ財源と権限移譲の話をセットでやってほしいということを強くお願いしまして、大臣からも、また後ほど丹羽地方分権改革推進委員長も見えまして、それは大前提としてやっていくんだと、こういうふうに確約された形になりましたので、その点は認識を共有できてよかったなと思っております。
 もう1枚おめくりいただきまして、道路財源の見直しについてもいろいろ議論がありましたが、地方枠の3.4兆円をしっかり確保してほしいということと、一般財源化するとしても、軽油引取税、自動車取得税といった地方税をしっかり守っていくということ、それから、補助金、交付金についても、できるだけ地方の自主性を高める仕組みにしてほしいということで合意が得られました。
 また、税源についても、偏在性が少ない、安定性を備えた地方税の体系とか、地方消費税の充実を含む地方税改革の早期実現、こういったことが、また、交付税の確保といったことも含められたわけであります。
 また、国民生活を守る緊急決議という点では、医療対策とか介護人材の確保とか地球温暖化対策、原油原材料の高騰対策、消費者の安全対策といった問題について、事前に知事会長も含めた打ち合わせがありましたので、ぜひこういうことを知事会としてまとめるべきじゃないかという提案もさせていただいて、当日の会議で緊急決議として採択されました。特にその中でも長寿医療制度については、当初の原案の中に国と地方の負担の話だけが書いてありまして、地方への負担転嫁というようなことが書いてありましたが、それもさることながら、国民の皆さんから比べると、保険制度間での不均衡是正とか、あるいは低所得者の負担増の重視とか、いろいろな問題がありますので、そういったことについてきめ細かな対策を検討するように申し入れる、そういう文章に変えていただくことができました。
 また、地球温暖化対策についてもしっかり打ち出すということが決められたということと、本県で、全国で初めてレジ袋の削減等をやりまして、国民のライフスタイル、ビジネススタイルの見直しをやろうということを始めておりますので、そういった点も知事会全体としてやっていこうという、そういう文言が入った次第であります。これはこれでよかったと思っております。

 3番目は、神奈川県との広域連携の最近の成果についてお話をしたいと思います。
 今年2月に、神奈川の松沢知事さんと知事懇談会を行いまして合意して、いろいろな分野での連携をしよう、交流を深めようということにしたんですけれども、7月18日に、その第1回目の取り組みということで、横浜市で富山県商談会in神奈川というのをやらせていただきましたし、また、20日には、氷見市で九転十起の像が建立されたということであります。また、今後、県の工業技術センターと神奈川県の産業技術センターとの研究交流、また、県政情報の相互交流、美術館交流などが予定されております。
 内訳、その下のとおりですが、まず、商談会でいうと、神奈川を中心に首都圏の企業33社、これは日産自動車とかJFEとかIHIとかブリヂストンとか、相当超一流の企業も入っておられましたし、富山県側からも51社出まして、商談件数が238件で、もちろんこれが全部成約になるわけではございませんけれども、昨年、一昨年、その前の年の商談件数に比べると、前の年に比べても1.4倍、それ以前と比べると2.6倍とか、大変大きな成果がありましたし、単に数字だけではなくて、かなり具体的な商談、お互いに申し込むことができて、非常に成果が、最終的な成約が出るのではないかと期待しておりますし、参加された富山県側の企業も非常に喜んでおられました。
 工業技術センター、産業技術センターの相互交流はこの下にあるとおりで、今週24日に1回目、向こうの研究者の方に来ていただいて発表していただくんですが、県内企業の研究開発部門の担当者を中心に約100人が参加して、ここでしっかり研究開発の勉強をすると。またいずれ、富山県側からも神奈川に出かけてやっていくということで、神奈川県は人口880万の大県ですけれども、こういう物づくりの伝統については、これは掛け値なしに両方でお互いに学び会う点があるので非常にいいことではないかと思います。
 もう1枚おめくりいただいて、また、観光情報なんかをお互いの県政番組で紹介し合おうじゃないかということになりまして、この8月初めには、神奈川のコンシェルジュ神奈川というテレビ番組で富山県の観光情報を出していただけることになりました。今後、秋、それから来年1月早々に、富山県側でも神奈川のPRを県政番組で取り上げたいと思っております。また、九転十起の像は、20日に氷見市の藪田で完成除幕式がありましたけれども、大変多くの方に参加していただきました。また、今後美術館交流というのもやることにしまして、8月の初めには、神奈川の近代美術館に富山県近代美術館の秋野不矩さんの絵をお貸しすると。そのかわり、11月から近代美術館でやるときに神奈川県内から作品をお借りすると、こういうふうになっています。もう1枚おめくりいただくと、それぞれ、なかなか印象の深い絵を貸し借りできるということで、こういう点も非常にいいんじゃないかと思っております。
 以上で私からの説明を終わらせていただきます。

2 質疑応答

記者会見で記者と質疑応答する知事○記者 
 大分県での教員採用の事件がありますけれども、知事に伺うのもあれですが、どういうふうに受けとめられているかということと、あと、富山県で考えられる今後の対策、改善策などあればお伺いします。
○知事 
 これは、まず県の教育委員会できちんと検討していただくことが筋ですけれども、全国的な大きな問題になりましたので、私からも念のため、教育委員会に対して、こういうことはちゃんとやってもらえるよねと言ったら、ちゃんとやりますということでありまして、一つは、取材に応じて確か教育長も既におっしゃっているのではないかと思いますが、今までは合否が決まってご本人に通知を出して、ホームページに載せた後ということでありましたが、いろいろな方の問い合わせに対して情報提供をするということがあったようですけれども、これはもちろん受検者の合否には全く影響しないんですけれども、事後ですから。しかし、誤解を与えかねないといことでありまして、これは、教育委員会としても今後は一切取りやめるという方針を出していただきました。この点は私からも当然そうですよねということで念押しをさせていただいております。
 そのほか、大分の事案を中心にいろいろな報道や情報が流れておりますので、私からも特にお願いして、教育委員会もそうしていただけると意見が一致しておりますのは、幸い富山県の県教委はきちんとやってくれているんですが、一層信頼度を高めるという意味で、採点過程のチェック、また、採用選考プロセスの点検見直しへの助言というものを外部の有識者にやってもらうと。やはり第三者の目を通すということが、富山県の場合きちんとやっていたと思うんですけれども、なお念のためそういうふうにしてもらうのがいいんじゃないかと。
 2つ目は、受検者の匿名化でありまして、今年は一次検査に間に合わないようですが、二次検査から整理番号化して、また来年度からは一次検査、二次検査、こういったものもすべて整理番号でやるというふうにしていただいてはどうかと。その点は、教育委員会もそういう考えでおられる。それから、採用選考基準ですね。これもいろいろな議論があって、こういうものを出すとあらかじめそこだけを勉強されても困るというような議論もあるようですが、できるだけ透明性を高めるという意味で採用選考基準を公表していただく。また、答案の保存期間も、従来1年だったようですけれども、全国の状況等を見ますと3年ぐらいにしてはどうかと。また、こうした採用選考プロセス、富山県の場合は公正に行われたと私は信じておりますが、せっかく教育委員という方がおられるんですから、そういった方々に改めて採用選考プロセスの点検・見直しもしていただきたい、この点も教育委員会としても内部でいろいろ検討されて、そうしたいという考えで私の考えと大変一致しております。大体そういうことでありますが、私から細かなことをご説明するのはあれですから、ぜひ教育長さんなり教職員課長なり、しかるべき方に皆さんから詳しく取材をしていただいたらどうかなと思います。
 私としては、いずれにしても、今回、本当に大分の事件は残念で、あってはならないことだと思います。幸い富山県の教育委員会の場合には、先ほど申し上げた、合否が決まってホームページに出た後の問い合わせ等に対する便宜供与的なことはあったようですが、こうしたことはやはり誤解を招きますので、こういうこともやめるということのほか、それ以外は、全国的に見るときちんとしていたと思うんですが、なお、今申し上げた点についてきちんと念のためやっていただいて、県民の皆さんからいささかも不信感というか、疑念を抱かれないように、襟を正してきちっとやっていただくというのがありがたいなと思います。そういう線で、県教委でも一生懸命、今、準備作業もされているやに聞いておりますので、そうした形で万全の体制をとっていきたいと、こういうふうに思っている次第です。

○記者
 新幹線の交付税の話なんですが、ここまでの交付税の流れからいくと、人口割という部分ではなくて、今回の制度改正では元利償還に応じての配分という、それの意味と、大きな制度改正だったと思うんですが、何が功を奏したのか。
○知事 
 2つ、今ご質問をいただいたんですが、一つは、これまで地方交付税の配分については少し小泉総理のころに構造改革をやられて、いろいろなことを簡素化、効率化しようというような大きな流れがありました。そういう際に、交付税の配分についても、例えば従来規模の小さな市町村に、かなり財政事情、きめ細かく補正係数を使ったりして、ここは人口が例えば1,000人、2,000人しかいないんだから、どうしても行政コストが余計にかかりがちだと、そういったところに配慮してあげようとか、あるいは、個々の例えば公共事業等の補助金が来るわけですが、その負担についても、毎年公共事業が非常に多くつく場合と少なくつく場合とありますから、そういった時の変動に対するというやり方をしているんですが、簡素化ということで、できるだけそれを、今のお話のように単位費用化するとかというふうにしてきたわけですね。ただ、やや行き過ぎの面もあるかなと私は思っておりまして、簡素化するのは一見いいんですけれども、そうすると、今の新幹線の地方負担なんかが最たるものでありますが、以前は、そもそも新幹線の地方負担がなくて、さっき申し上げたように、東海道新幹線、山陽新幹線あるいは上越新幹線などもそうなっていたわけですが、今度、今までの新幹線の地方負担の交付税措置50%というのはいいんですが、地方負担に対する50%ですね。これも、起債の充当率が90%で、それの50ですから、地方負担の45%だけ当該団体の実際の財政需要に対して入ると。残りの55%というのが、新幹線をやろうとやるまいと単位費用の中に入っている計算になるんですね。地方財政計画の中の新幹線の地方負担というのは、これは国全体としてやることですから計算には入っているわけですから、実際に個々の団体に配るときに今のようなやり方をすると、個々の団体にずばり来ているのは45%だけで、残りは来ていない。それ以外の部分はどうなるかというと、新幹線が既に整備されて、もともと地方負担を払っていなかったようなところにも観念的には単位費用に入って配られるということになっているんですね。
 私は、もちろん公共事業というのも、新幹線も幅広い意味では公共事業の一つですけれども、年度によって多かったり少なかったりするから、ある程度そういう変動にいちいちフォローして細かくやるという考え方もあるし、もっと簡素化して、何年かすればならされるんだからいいんじゃないかという考え方もあるんだけれども、例えば、新幹線のように余りにも巨額な国家プロジェクトについてそういうやり方をすると、極端な不公平が生ずる。現に、地方負担を払わずに、しかも、もともと豊かで財政力のあったところは、全く負担なしに整備されて、かつ新幹線の固定資産税が入ってくるわけですね。しかし、これからつくるところは巨額な地方負担をして、にもかかわらず、それに対して満足な財源措置をしていないということになるわけで、これは、東京都に住んでいても愛知県に住んでいても富山県に住んでいても同じ日本国民なのに、同じ税負担をしているのに余りにも不公平ではないかと。ですから、もう少し財政の実態に応じた交付税の配分の仕方をしないと、幾ら簡素化といっても物には程度があるので、これは余りにも不公平だと。
 もう一つは、このルールを決めたときは、もう少し国も地方の財政もある程度余裕があったから、それからまた恐らくこういう富山県みたいなところが生ずるとは当時思わなかったんでしょうね。だから、こういう簡素な仕組みだったんだけれども、これはやはり実態に合わないということがこの間2年越し、一応3年越しとも言えますが、理解をしてもらったので、私はそういう意味で、地方交付税の配分の簡素化というのは、一見いい面もあるんだけれども、気をつけないと財政力の弱いところとか、あるいは後から発展しようと思って頑張っているところに非常に不公平、不利な結果になる。これは、私は、地域間の格差是正というのも今は大きな政治のテーマなので、どうも大都市中心に簡素化とか何とか言うと、強いところがますます強くなって、弱いところがなかなかはい上がれないという、地域によって国民の間に不公平を生ずるので、これはぜひ直すべだということを主張してきて、それが理解されたなと思って非常にありがたいと思っております。
 それから、どうして成功したのかということですけれども、正直、2年前というか、さかのぼる3年ほど前からいろいろな問題意識を持っていろいろなところに働きかけておったんですけれども、小泉内閣の時には、率直に言って全く歯が立ちませんでしたね。というのは、あのころは、とにかく構造改革で、いろいろなものを効率化する、簡素化するのが大きな流れで、それに抗するというのが何か非常に保守的なことを言っているという誤解がありました。どうしてもあの当時は、私は、都市中心の物の考え方で効率化が進められたなという面があると思います。しかし、私は、これは一富山県のためではなくて、同じようなことで苦しんでいるところがほかにもあるじゃないかということで、青森県とか熊本県とか長野県等にも呼びかけをしまして、直接知事さんにもお話をして、これはお互いに声を出すべきではないか、余りにも不公平じゃないかということで、皆さんそれはそうだということで、いろいろな県の皆さんもそのとおりだということで、あちこちで声を出して、与党やあるいは中央政府の関係の皆さんに働きかけをした成果だと思います。
 また、さっき申し上げたように、与党のPTには富山県選出の国会議員さんもお二人入っていますし、また、それ以外の国会議員さん方もいろいろな場で声を出していただいて、また、全国的にも、さっき言ったいろいろな県の知事さんにもお話をしましたし、また、幸い私も霞が関に長くおりましたから、いろいろな与党の先生方もよく存じ上げていますし、各省庁にも存じ上げている方がいるので、なかなか苦戦はしましたけれども、だんだん安倍内閣、福田内閣と内閣がかわるごとに、東京と地方との格差是正というのを、これを軽視してはいけないなと。言っていることは確かに一理も二理もあるなとだんだん思っていただけるようになったということだと思います。
 大都市に集まり過ぎの税収の格差是正の問題もそうですけれども、私は、こういう時代ですから決して富山県も甘えちゃいけないと思うんですね。自己努力することは、しっかり行革もみずからやると。現に国以上にやっておりますが、ただ、一生懸命努力しても、どうもこれはおかしい、何かおかしいんじゃないかということは、率直に何がおかしいかを明確にした上で、国に制度改正なり政策の見直しを求めていく、これはこれからも県民の皆さんのために筋を通すというか、物によってはまなじりを決して、しっかりと働きかけをしていきたいなと、こういうふうに思っております。

○記者
 地方交付税措置の拡充の件なんですけれども、交付税総額がなかなか増えることは難しいと思うんですけれども、その中で新幹線の補助が上がるということは、ほかの事業にどちらかといえばマイナスの影響があるのではないかという考え方もできると思うんですけれども、そのあたりについて知事はどのようにお考えでしょうか。
○知事 
 それは、今お答えしたつもりだったんですが、新幹線の地方負担というのは、国家プロジェクトで国としてやっているわけですから、それに必要な地方負担額というのは地方財政計画をつくるときには地方の必要な歳出として、地方財政計画の歳出に挙がるわけですね。例えば、今年は国全体で新幹線の地方負担はトータルで3,000億であるとか5,000億であるとかあるわけで、それを個々の団体に配るときに実際に地方負担が生じている地方には起債をはめて、その元利償還の45%だけ確かに来ると。残りは、要するにその他の公共事業と一緒になって単位費用の中に入っている計算になるわけです。そうすると、私が言っているのは、東海道沿線、山陽新幹線の沿線、上越新幹線の沿線、東北新幹線でも盛岡までの沿線の県は、地方負担なしで新幹線ができたのに、観念的には新幹線の地方負担が公共事業の単位費用の中に入って配られていることになる。そうしたら、地方負担なしでやったところに交付税が薄いとは思うけれども配られて、現に新幹線の負担で苦しんでいるところには薄くしか配られないというのは不公平じゃないかということを言っているんです。ですから見方で、それは確かにそういう意味からいうと、私は、極端に言うともらい過ぎのところが確かに適正化されるということはあると思いますが、だれかが損をするという話ではないと、より公平になったということであると理解しております。そのことを強く言ったから、しかもいろいろなことで説明したから、この厳しい中で政府与党も理解してくれた、全国知事会でも異論が出なかったと、こういうことだと思っております。

○記者
 続いて新幹線の話なんですけれども、たしか交付税の比率というのは85%というものを求めたんじゃないかと思うんですけれども、70%という数字についてどういう評価をして、これが合理性があるかどうかというのが一つと、あともう一つは、今、知事がおっしゃったように、制度についていろいろ中央に提言して改革すべきというのが大切だとおっしゃったんですけれども、今回のこの交付税措置の拡充については、知事も、県政の非常に重要な課題だというふうにおっしゃっていたので、今回の拡充についてはご自分の4年間のさまざまな業績の中で、どれくらい重要なものと位置づけられていますか。
○知事 
 今、まず前段の85%と言っていたのに、70%になったという点だと思いますが、それは率直に言うと、富山県知事としたら70%がもう少し上がってもなお良かったなと思いますけれども、ただ、考えてみますと、先ほど申し上げたように、公共事業的なものが新幹線を含めて多かろうと少なかろうと、なるべく平準化して長い目で見てトータルになればいいという考え方がもともとあったのと、それから、さっき言ったような理屈は理屈として、現実の交付税措置率を見ますと、大きな災害なんかが来ますと元利償還の90%とかいうケースもありますが、普通の自然災害債だと交付税措置率が上がっても58%ぐらいだということもありますし、それから、一番多くの自治体がなじみのある交付税措置率でいうと、例えば過疎債、過疎の小さな市町村が事業をやるときの交付税措置率が70%、それから、市町村合併した場合の合併特例債の措置も70%といったようなことを考えますと、非常に負担が増えたときには70までは上がるよという措置というのは、それはもちろん富山県知事としては、もっといろいろな思いがないわけではありませんが、私としては、さっき申し上げた小泉内閣以来の構造改革の流れがずっとあってきた中で、画期的な改善というか、改革をしてもらったなと、こういうふうに思っております。
 それから、この点についてどういうふうに自己評価するかという点は、これは、自分で点数をつけるようなものじゃありませんので、県民の皆さんに評価してもらえればと思いますが、ただ、正直言うと、私は就任して、400億の財源不足、これを何とか克服して元気な富山県をつくりたいと思って私なりに悪戦苦闘してまいったんですが、一つは税収格差是正というのが去年の年末、曲がりなりにも少しできましたが、もう一つは、新幹線の地方負担というのは、今年456億に対して地方負担が152億ですから、これ、あと数年たつと、これは起債を充てる前の金額ですが、数年たつと250億とか300億近い数字になるということで、正直、幾ら元気な財政再建、元気な富山県をつくるといっても、何か下りのエスカレーターに乗って2階に上がろうとしているみたいな感じで、非常に正直つらいものがありました。これを何とか打開しなければいけないと。そうしないと県民の皆さんの期待にもこたえられないし、また、私は、これは富山県のエゴではなくて、余りにも日本全体を考えたときに中央政府の政策として不十分というか、不公平ではないかと。このことにみんなが気がつかないのはおかしいということを2年越し、3年越しに言ってきて、ようやく実現できたということで、これは正直大変うれしく思っております。

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