富山県ホームページ メニューを飛ばして本文へ

メニュー


検索


本文

ホーム > 組織別案内 > 経営管理部 広報課 > 知事記者会見[平成15年度] > 知事記者会見要旨[平成16年1月5日]

知事記者会見[平成15年度]

最終更新日:2007年3月28日

知事記者会見要旨[平成16年1月5日]

◆日時 平成16年1月5日(月) 午後0時30分〜1時15分
◆場所 県庁特別室

【目次】

1.知事からの話題及び質疑応答
 (1) 無花粉スギの命名について
 (2) 細胞チップの開発について

【知事からの話題及び質疑応答】

●知事
 皆さん方に「明けましておめでとう」と申し上げます。
 昨年は皆さん方にいろいろと県政の推進についてご尽力をいただきまして、本当にありがとうございました。本年もどうぞよろしくご指導、ご協力をいただきますよう、一層厳しく愛していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 先ほどまでの会合でお酒が入っていて赤い顔をしていますが、今年はさる年ですからお許しをいただきたいと思います。

 年頭に当たり、所感の一端も含めまして皆さん方にごあいさつを申し上げたいと思います。

 昨年は、まさに激変と混乱の1年であったと思います。国際的には、イラク戦争があり、世界各地で爆弾テロ事件が続発しましたし、SARSなども起こりました。国内的には、衆議院の総選挙が行われました。厳しい経済情勢も続いたと思いますし、痛ましい子どもをめぐる事件も続発したところです。いずれにしましても、昨年はやはり激変・混乱の年でした。しかも大変動きが激しい年であったという感じが深いわけです。

 ただ、県政につきましては、おかげさまで順調に推移したのではないかと思っています。昨年来いろいろと皆さん方に申し上げていますのであまり詳しく繰り返しませんが、ひとづくりの事業、施設の整備、全国大会など各種のソフト事業など、いろいろな事業が進展しました。国に対する県の重要要望事項30件についても、すべて予算措置がされました。県政についてはいろいろと課題が多かったと思いますが、順調に推移したように思います。

 また、行財政改革も進みましたし、富山県内の市町村合併についても、今、全国一の進展状況であるということも申し上げておかなければなりません。そうしたいろいろな問題が着実に進んできたと思っています。

 改めまして、国会議員や県会議員、市町村長、そのほか関係団体の皆さん方、そして、県職員や関係の皆さん方のご尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。また、皆さん方や県民の皆さん方のご協力にもお礼を申し上げたいと思っています。

 そこで、今年の問題ですが、「去年今年(こぞことし)貫く棒のごときもの」という高浜虚子の俳句がありますが、私は今年もやはり激変・混乱が続く年になるであろうと思っています。

 こういうときには、将来を見通す明確なビジョンを持つことと、そのビジョンを勇気を持って実践することが大事であると思うわけです。幸い富山県には県民の英知を結集した「富山県民新世紀計画」という総合計画がありますが、この総合計画に基づく、人材立県・生活立県・環境立県・産業立県・国際立県という五つの立県構想に基づくいろいろな施策をこれからも県民の皆さん方と一緒に着実に推進していきたいと思っています。

 特に今年は、元気で明るい県づくりの事業、21世紀の県の発展基盤になるような事業、そして当面の懸案の問題に積極的に対応する必要があると思います。

 元気で明るい子どもと高齢者づくりを進める。あるいは、福祉・環境・教育の仕事を進める、そういう明るく元気な県づくりを進めなければなりません。また、21世紀の発展基盤づくりについては、北陸新幹線や道路・空港・港湾などの社会基盤の整備、情報基盤の整備、さらにはNOWPAPの本部事務局の設置を含めた発展基盤の整備が必要です。そして、3番めの当面の懸案については、特に景気対策、雇用対策にさらに積極的に取り組みたいと思います。景気も、富山県では少し薄日が差してきていると思いますが、今年がさらに明るい年になるように全力を尽くさなければならないと思うわけです。また、県民の安全・安心な暮らしを確保することも大事ですし、そのほか市町村合併にもさらに取り組んでいかなければならないと思います。

 特に、これから県の予算編成に取り組むわけですが、国の三位一体の改革については、昨年末にも申し上げましたが、一歩を踏み出したとは思いますが、これからの進む方向、内容、スケジュール、いろいろな面が不明確です。三位一体の改革については、私は地方財政の充実ということよりも、むしろ地方財政が厳しくなってきているという印象すら持っています。ですから、今年の予算編成では、三位一体の改革に地方団体を挙げて取り組んでいくことが必要であると思いますが、県としては財源の知恵、財源の工夫をすることが非常に大事な年になってくるということを痛感しています。

 これまでいろいろな新しい素晴らしい事業を心掛けてきました。富山県が発展するように、あるいは県民の皆さんの心を打つようないろいろな事業も進めてきたつもりです。今年はそうした事業にも努力しますが、それを実行するための財源の工夫が非常に大事になると思っており、今すでに着々と財政当局と相談をしつつあるところです。平成16年度の県の予算編成にも対応するようにさらに全力を尽くしたい。そして県民の皆さん方に夢も希望も持ってもらえるように頑張っていきたいと思っています。

 さる年の「申」ににんべんを付けると「伸」という字になりますので、今年は富山県が大いに飛躍・発展するような年にしなければならないと思っています。皆さん方の一層のご尽力を重ねてお願い申し上げたいと思います。

 私から皆さん方に、そして県民の皆さんにごあいさつを申し上げる事項は以上です。

 引き続き、今日の発表事項を申し上げたいと思います。一つは「無花粉スギの命名について」です。

 平成4年に本県林業試験場が全国で初めて無花粉スギを発見し、このスギの種子から苗木を養成するとともに、成長が優れているなど優良な無花粉スギの選抜を進めてきたところです。

 平成4年から随分時間がかかっていますが、まず平成4年度に無花粉スギが発見され、この種子によって苗木を作り、苗木を作ってから、花粉の出ない苗木をさらに精選する。そして樹形のよい無花粉スギを選抜する。また、品種登録に必要な3か年の実証試験も実施するということなどがありまして、このように時間がかかったわけです。木を育てることは大変時間がかかるのだということを痛感します。詳しいことは森林政策課や林業試験場からも発表することになろうかと思いますが、そのように大変苦心をして無花粉スギを発見し、その育成に努めてまいりました。

 無花粉スギは、1に書いてありますように、雄花は普通のスギと同じように作られますが、花粉の殻を作らない性質があることから、花粉どうしが融合し、最終的には全く花粉が無くなってしまうというものです。したがって、このスギは、花粉症の原因の一つとされている花粉を全く飛散しないものです。

 これまで新聞などには花粉の発生が少ないスギの紹介がありましたが、花粉が出ないスギは今回が初めてです。今、花粉症の患者は全国で約2000万人もおられます。国民の20%ぐらいが花粉症に悩んでおられます。これから大都会の皆さん方はさぞお苦しみになると思いますが、一つの大きな福音を与える、まさに画期的なことであると思っています。スギは日本独特の木ですから、欧米には花粉症はないのですが、日本では花粉症の患者が多いわけですから、大変素晴らしい発見であるということを申し上げたいと思います。

 無花粉スギの担当は、今、新潟大学の大学院の教授をしておられる平英彰(たいら ひであき)先生が最初は取り組まれたわけですが、その後、林業試験場の斉藤真己(さいとう まき)君、先ほどは県の職員表彰もしましたが、富山県の林業試験場の研究員として、これまで大変努力をしてきたということです。

 今、私は無花粉スギの定義などを申し上げましたが、お手元に写真なども差し上げています。私が説明しても皆さん方は信用されない面がありますから、その原理などについては担当者が詳しくご説明しますから、後にさせていただきます。

 そこで、この品種の名称の募集をすることにしました。昨年10月いっぱいかけて一般公募しましたが、47都道府県、アメリカやオーストラリアからもわずかですが応募があり、総数3327点の応募がありました。そして、林業関係者や学識経験者などによる「無花粉スギ名称選定委員会」によりいろいろ検討をしていただき、「はるよこい」という名前になりました。選定理由は、みんなにさわやかな春が来てほしいという願いを込めています。また、皆さんよくご存知の童謡「春よこい」のことも考えたわけです。

 こういう命名がされましたので、今般、品種登録をしました。このスギの名称を一般公募し、選考を進め「はるよこい」と命名し、昨年12月24日に国へ品種登録の出願を行っています。

 これからの問題ですが、今後はこの苗木を普及することが必要です。品種登録をして守りながら、しかし国民に無花粉スギとしての貢献をしてもらわなければならないと思いますので、今後、苗木供給にさらに努力をしたいと思っています。

 これも若干時間がかかりますが、林野庁の林木育種センターという国の試験研究機関からバイオ技術等の共同研究を進めようという話がきています。林野庁長官には、今度、本県出身の前田さんがなられて、非常に協力をしていただける状況になっています。今後こうした点についてもさらに努力をしたいと思います。

 それでは、斉藤研究員から、原理や今後のいろいろなことを説明してください。

●斉藤研究員
 皆さん明けましておめでとうございます。林業試験場の斉藤真己です。よろしくお願いします。

 皆さんのお手元に、花粉が壊れた写真があると思いますが、「無花粉スギの電子顕微鏡写真」と書いてあって、花粉の残骸らしきものが残っていると思います。それを拡大したのがこの写真(省略)です。

 この写真と、下にあるのが普通のタテヤマスギの花粉の写真ですが、この二つを比べると、決定的な違いは、正常なスギ花粉は表面に無数の粒があるのですが、無花粉スギの方はこの粒が作られないという特徴を持っています。この粒は専門用語で「ユービッシュ体」と呼ばれているのですが、この粒がないと花粉はうまく形を作ることができません。この花粉の粒があるおかげで花粉は形を保てるのですが、「はるよこい」はこの粒が全然ないのが分かると思います。この粒がないと、卵でいうと殻のない生卵と同じような状況になります。

 花粉が成育していく過程で、だんだん殻のない生卵が大きくなってくると当然つぶれてきてしまうので、お互いにくっついたりどんどん大きくなったりして、最後には完全に壊れてしまいます。ですから、2〜3月に花粉の飛散する時期になっても花粉は全く飛ばさない。ゼロです。そういうメカニズムになっています。

 このスギは花粉がないだけでなく、植えたときの初期成長が非常にいいスギです。スギを増やすときは挿し木をするのですが、挿し木能力が非常に高くて、タテヤマスギの場合は100本挿しても30本ぐらいしか根が付かないのですが、「はるよこい」の場合は100本挿すと95本は根が付きます。ですから増やす面では非常に有利な性質を持っています。

 先ほど説明があったと思うのですが、このスギは雄花がないわけではなくて、きちんと普通のスギと同じように雄花をつけるのですが、開花する時期になっても、完全に花粉が壊れてしまっているので雌花が受ける花粉がないというものです。

●知事
 何かご質問はありますか。

●記者
 花粉ができないという言い方でいいわけですか。写真では表面がつるつるのような、あの状態のものは一体何というものですか。

●斉藤研究員
 壊れつつある時期です。花粉のもとになるものはできるのですが、途中になると膨らんできて最後には壊れてしまうということになります。

●記者
 花粉のもとはできるけれども花粉になりきれないということですか。

●斉藤研究員
 そうです。最後までいかないということです。

●記者
 花粉ができないということだと、そこから種子を取って苗木を成長させるということが可能なのですか。

●斉藤研究員
 雌花の機能は正常なのです。雄はだめですが雌のほうは正常なので、他の種類のスギの花粉がかかれば十分種をつけます。ですから、交配をすれば幾らでも種で増やすことができます。

●記者
 交配はほかのスギ花粉を付ければ交配できるということですが、「はるよこい」だけで純粋培養をしようと思うときは挿し木をするしかないということですか。

●斉藤研究員
 そうです。あとは組織培養とバイオ的な技術でやるしかないと思います。花粉がかかってしまうと全く別のものになってしまうので、「はるよこい」を増やすためには基本的に挿し木です。

●知 事
 よろしいでしょうか。分からない場合には、あとでどうぞ遠慮なしに取材してください。

 まさに国民病とも言われるような花粉症対策にきわめて有効なスギが、富山県で発見・育成されているということです。スギは日本特有のものですが、これは日本でも画期的な研究事業です。ある意味では世界的な事業であるということも言えるのではないかと思いますので、PRについてもよろしくお願いします。今年は大きな事業が完成するさる年ですから

 次に「細胞チップの開発について」ご説明を申し上げます。

 現在、遺伝子を解析するDNAチップ、酵素等のたんぱく質を解析するタンパクチップが実用化されていますが、リンパ球等の細胞の反応を検出するものを細胞チップと呼び、次世代のバイオチップといわれています。

 富山県では、文部科学省から知的クラスター創造事業の実施地域の指定を受け、いろいろ研究を進めてまいりました。毎年5億円、5年間(H15〜H19年)、試験研究費が続きますが、その一環として、「とやま医薬バイオクラスター」という事業が進められてきました。そこでいろいろな研究プロジェクトがあるわけですが、免疫機能を活用した診断・治療システムに画期的な進歩をもたらす細胞チップが世界に先駆けて開発されたということを申し上げておきます。

 この共同研究機関及び開発担当者は、富山県工業技術センターの職員、特に工業技術センターの谷野次長、富山医科薬科大学医学部の岸裕幸(きし ひろゆき)先生をはじめ関係の皆さん方です。

 細胞チップ開発の意義は、別紙1をご覧ください。あとで谷野次長から詳しく説明してもらいますので私にあまり質問をしないでください。このあたりになってくると何が何やら“チップ”カンプンになりますので(笑い)。私には質問をしないという前提で私が説明します。

 体の中に病原菌が入ると、血液などにあるリンパ球が抗体を作り、体を守ろうとする動きをします。その患者からリンパ球を取り出し、病原菌を攻撃する抗体を作っているリンパ球を特定します。そのリンパ球を取り出し、それを培養して作っていくということになります。

 病原菌(抗原)に有効なリンパ球を見つけ出すためには、特定のリンパ球を回収する必要があります。そのため、リンパ球とほぼ同じサイズ(10ミクロン)の穴が多数整列し、リンパ球の出し入れが可能な細胞チップの開発が求められていました。その細胞チップの開発が成功したということが3に書いてあります。

 (1)1cm角のシリコン上に、直径が10ミクロンの穴25万個を配列した細胞チップを作製できた。高い集積度がある。これはあとで別紙2の写真もごらんいただきたいと思います。

 (2)細胞が一つの穴に1個だけ入り、水洗では流れ出しにくく、スポイトなどで取り出しやすい表面処理技術を世界で初めて開発した。

 (3)細胞チップ上の25万個の穴を世界で初めて番地化し、個々の穴の番地をスキャナーで読み取ることに成功した。

 今後は、工業技術センター、富山医科薬科大学において研究を進め、県内の企業等に技術移転なども進めていきたいと思っています。これもまた世界的な画期的な事業であるということを申し上げたいと思います。

 谷野次長からもう少し詳しく、写真なども含めてご説明を申し上げます。

●谷野次長
 工業技術センターの谷野です。今、知事から説明を申し上げましたように、私どものほうでは富山医科薬科大学と連携して細胞チップを開発しています。

 先ほどの説明のように、人の体の中に病原体が入ってくると、それをやっつけるためにリンパ球は抗体を作ります。

 ところが、すべてのリンパ球が抗体を作るわけではなく、病原体の種類によりますが、数十万個のうち数個から数十個程度のごく限られたリンパ球だけが抗体を作るわけです。それを特定して取り出さなければいけないということがあります。

 私どもが医科薬科大学から求められたのは、リンパ球の大きさは7〜10ミクロン程度、1ミクロンは1000分の1ミリですが、7〜10ミクロン程度の穴の中に1個だけが入るような細胞チップを開発してほしい。なおかつ、大量のリンパ球をばらまいて、それが1個ずつその穴の中に入る。25〜50万個ぐらいのものを求められていますが、今はとりあえず25万個のものを開発し、その25万個の穴の中にそれぞれ1個ずつ入るような細胞チップを開発してほしいということを求められました。

 1000分の10ミリの穴ですと、細胞を水溶液に混ぜてばらまくのですが、どうしても水の表面張力で穴の中に入らないという問題があります。

 世界各国の研究機関でこういう研究をやっているのですが、大体穴のサイズは10ミクロンの5〜6倍の大きさをしています。5〜6倍の大きさですと、リンパ球は入るのですが、1個ではなくて数個入ります。

 そうすると、数十万個の中から数個から数十個を取り出さなければいけないのですが、それぞれの穴に数個ずつ入っていて、一つが反応してもどれか特定できないわけです。そういう関係で、どうしても1個の穴に1個だけ入っていてほしいということがあります。

 表面張力で入らないのをどのように解決したかと申しますと、超親水性の表面処理を行い、中に細胞が入るようにしました。ただ入っただけではいろいろ問題がありまして、余分なリンパ球を水洗しなければならないのですが、そのときに流れ出さないような工夫もしてあります。あと、反応したものだけを特定してスポイトで取るのですが、そのときに普通の穴ではへばりついて取れないのです。死んでしまうのです。壊さないと取れないという状況があるのですが、それも取りやすいような処理をしてあります。ですから、入りやすくて、流れ出しにくくて、取り出しやすい。そういうすごく矛盾したような三つのことをその穴の中で完結させているわけです。そういう細胞チップを開発しています。

 番地化してあるのは、現在は医科薬科大学で顕微鏡をのぞいて反応したものを取り出しているのですが、将来、大量に抗体医薬を生産していくときには大量に取り出さなければいけないということがありますので、どうしても自動化をする必要があります。自動化をするためには、スキャナーで読んで自動機械で取り出すことになります。その場合は反応しているところの番地を知る必要があります。そういう関係で番地化もしてあります。

 したがって、一つの穴に細胞1個が入る細胞チップは、現在のところ世界にどこにもありませんし、番地化したものもどこにもありません。こういう関係で特許を3件、昨年9月に出願しています。ここ1年ぐらいの間に周辺をいろいろ固めて国際出願をする予定でいます。

 どのような疾患に対応できるかといいますと、ほとんどの疾患です。例えばインフルエンザや伝染性疾患、がん、肝炎、各種のアレルギーにも対応できますし、今、中国で問題になっているSARSの抗体医薬の製造にも役立つだろうと考えています。以上です。ありがとうございました。

●記者
 チップの厚さはどれぐらいですか。

●谷野次長
 シリコンウエハー、要するに半導体を作るようなシリコンで作っていますから、厚さは0.5mm前後です。

●記者
 穴が向こうへ突き抜けているわけではないのですか。掘ってあるのですか。

●谷野次長
 そうです。厚さは0.5mmで、穴の深さが15〜20ミクロンです。

●記者
 先ほど「表面処理技術」と言われましたが、表面というよりは、むしろ穴の中の表面処理技術のようなものが特徴になるのですか。

●谷野次長
 穴の周りです。周りを超親水性にしないことには、どうしても表面張力で入らないものですから、水がべたっとなるような処理をしてあります。そうすることによって転がって落ちていくわけです。

●記者
 穴の入り口付近の技術が今回非常にうまくいって入っていくようになったということですか。

●谷野次長
 それだけではありませんで、実は穴の底にもへばりつかないような処理はしてあります。取り出すときにへばりつくと取れないものですから。

●記者
 入り口近くと穴の底のほうでは何らかの処理の方法が違うということですか。

●谷野次長
 はい。違います。

●記者
 この研究に着手した時期と、いわゆる開発した時期ですが、時期的なものを教えてください。

●谷野次長
 医科薬科大学から開発できないかという申し出を受けたのが一昨年の11月です。それで、「こういうものですかね」というようなものを作ったのは昨年の1月です。でも1月の時点では全然入りませんでした。それから表面処理をいろいろ考えて、最終的にある程度のものができたのは昨年の8月で、9月に特許出願をしました。

●記者
 昨年の8月ごろにやってみたら成功したというか、いいものができたということですか。

●谷野次長
 ばらまきで例えば80%以上、25万個のうち20万個ぐらいの穴にリンパ球が1個ずつ入るようになったのが昨年の8月ぐらいです。6月の時点では50%ぐらいまではいっていたのですが、そのときは、今度、スポイトで取ろうにも取れないという問題を抱えていましたので、それから取りやすいような内部の処理もやっていったわけです。

●記者
 これは実用化できていると理解すればいいのですか。

●谷野次長
 ほとんど実用化しています。この技術そのものを県内企業に移転し、販売ができるようにしていきたいと考えています。

●記者
 これは世界の研究者が取り組んでいるということですが、富山県が最初にやったというのは、壁を打ち破れた要素は。

●谷野次長
 いちばん大きな要素は、バイオの研究者の方はエレクトロニクスの研究者との交流がほとんどないからだと思います。バイオの研究をやっておられる方は生物系の方です。こういう微細加工をやっているのは工学系の人間です。その生物系の人たちと工学系の人たちとの交流は、全国的に見てもあまりない感じです。ところが、今回の「とやま医薬バイオクラスター」の中では、非常に連携がうまくいって、医薬大の先生にも頼りにされていますし、私どもも医薬大の先生の期待に応えるために努力をしているという形です。

●知事
 各種の難病奇病その他の本当に難しい医療対策に画期的な成果を上げる研究内容であると思いますので、先ほどの無花粉スギも含めて積極的にPRをしていただきますようにお願いします。

 二つとも私はある意味で本当に世界的な研究事業であると思います。今日は職員の皆さんに職員の心構えのようなことをいろいろお話ししましたが、これからはもっと富山県の飛躍につながるような事業、県民の心を打つような事業、県民があっと言うような事業に、県庁ももっと取り組む必要があるということを強調しました。富山県庁は堅実で慎重であるということですが、もっともっと感動していろいろなことに積極的に取り組む必要があると思っています。

 特に県の試験研究機関については、これまで人材を集めてきました。今、研究員の約30%程は博士号を持っています。全国の地方団体の試験研究機関の中では2番目くらいに研究員の博士号取得率が高い状況になっています。要するに人材が大切だということですから、これからも、県庁の人材づくりも積極的に進めていきたいと思っていますので、その点もご理解をいただきますようにお願いします。

 なお、詳しいことについては、森林政策課、商工企画課に、それぞれ斉藤さんと谷野さんがいますので、取材をされたい方はそちらのほうにもおいでいただきたいと思います。

 本日はこれにてよろしいですか。今年の今の心境はどうだと聞かないでくださいね(笑い)。聞きたいですか。

●記者
 先ほど予算の話がありましたが、16年度予算で、シーリングのときにすでにある程度の方針を出されていますが、もう少し踏み込んで、何か目玉になるような事業をお考えかどうかということと、あとは予算の規模は15年度に比べてプラスになるのかマイナスになるのかという今の方針はいかがですか。少し踏み込んだ答えをいただけたらと思います。

●知事
 先ほど申しましたように、ひとづくりの事業、発展基盤の事業、当面の懸案、こうしたことに取り組まなければいけないと思いますが、何よりも財源の確保が重要であるということを特に申し上げました。

 そこで、富山県の飛躍・発展につながる大事業、県民の心を打つような事業、県民の皆さんに「あっそうか、ああよかったな」と言われるような事業を考えなければいけないと思っています。

 これから、いつも1月上旬には主要事業のヒアリングをやるようにしています。各部の次長から報告をしてもらい、みんなで意見交換をする、検討をすることにしています。昔、私が財政課長をしているときには、各部に一つぐらいしか重要案件はなかったように思いますが、今はどの課もみんな一つずつぐらいの重要案件を持っています。ですから、富山県庁には100ぐらいの重要事項があるということが言えると思います。そのような中で、特に大事なものについてみんなで意見交換をして、大体の方針を決めて、それに基づいて財政当局も予算措置をするというのが今までのやり方です。

 それでは来年何か目新しい画期的なものはあるかというと、今のところは、今日は二つだけ申し上げたのでお許しいただきたいと思いますし、またいずれ皆さん方にご報告を申し上げます。

 今年も知恵・工夫をこらした事業を最小の経費で最大の効果を上げるようにしてやることに努力をしたいと思います。今日はそういう努力に全力を傾けるということだけを申し上げておきます。

 予算の規模ですが、国の予算も地方財政計画も減になります。また、現在の三位一体の状況からいって、財源が大変厳しい状況にありますので、県の16年の当初予算の規模も前年度15年度に比べてやや減になる。その「やや」が今ははっきりしませんが、通常からいえばかなりの減になると思います。つまり、地方交付税で6.5%の減、臨時財政対策債で28%ぐらいの減と、とにかく一般財源の状況から言いますと大変な落ち方になります。ですから大変大きな減になってくるのですが、今年は富山県の発展、生き残りをかけて頑張らなければならない大事な年だと思っていますから、そのように単純に簡単に減にするようなことはなかなかできない。不要不急の事業の見直しなど行政改革を進めますが、必要なものは増やす。めりはりある予算を作ります。ですから、やや減といってもひどく大きい「やや」ではないと私は思いますが、これからもう少し詰めていかないと何とも今は申し上げられないというのが現状です。ただ、減になることは避けられないなあという感じを持っています。

●知事
 それでは、どうもありがとうございました。

【 情報発信元 】
経営管理部 広報課 電話:076-444-8909  [ お問い合わせフォーム
Adobe Reader< PDFファイルをご覧いただけない場合 >
左記のボタンのリンク先から「Adobe Reader」をダウンロードしてください(無料)。

情報発信元

経営管理部 広報課
電話:076-444-8909