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知事記者会見[〜平成16年度]

2016年12月2日

知事室 目次

関連ファイル

知事記者会見要旨 [平成17年2月14日]

◆日時 平成17年2月14日(月) 午後1時30分〜1時50分
◆場所 県庁特別室

【目次】

1. 知事からの発表事項
  バイオベンチャー企業の設立について
  [配布資料1]−関連ファイル参照

2.ベンチャー企業からの説明
  [配布資料2]−関連ファイル参照

3. 質疑応答

【知事からの発表事項】

記者会見で説明をする知事 このたび、知的クラスター創成事業「とやま医薬バイオクラスター」の研究成果等をもとにしまして、バイオベンチャー企業が設立されることになりましたので発表させていただきます。今回のバイオベンチャーの設立は、ここにおられる代表取締役就任予定の末岡さん、「とやま医薬バイオクラスター」の南日副本部長、研究統括をしていただいている村口富山医科薬科大学副学長はじめ、関係の皆様方の並々ならぬご尽力によるものでありまして、ここにあらためて心から感謝を申し上げたいと思います(関連ファイル−配布資料1参照)。

 今度のバイオベンチャー企業設立の意義ですけれども、企業の概要については後ほど末岡さんからご説明があると思いますけれども、その事業内容は本県が進めております「とやま医薬バイオクラスター」を中心として、「とやまの治験医療ネットワーク事業」にも取り組まれるという予定でございます。

 今回の企業の設立は、知的クラスター創成事業「とやま医薬バイオクラスター」発の初めてのベンチャー企業設立でありまして、医学と工業、医工連携をさらに加速させると。長期的には富山オリジナルの新しい抗体医薬の開発につなげる。伝統ある「くすりの富山」の発展に大きく貢献するものと考えております。

 今後の展望ですけれども、ベンチャー企業の運営はそう簡単なものではございませんが、一日も早く軌道に乗せていただいて、大きく飛躍されることを念願しております。県としても、県新世紀産業機構とともに、できるだけの協力をしていきたいと思っております。

 なお、知的クラスター創成事業というのは、ご承知かと思いますが、平成14年度に文部科学省から1億円、それから15、16年度で各5億円、ですからこれまでに11億円研究費を使っているわけです。それから、17、18、19年度は各5億円ずつ文部科学省からお金をいただいて、総計26億円でいろいろ研究開発をすると。さらに、全国的に、この文部科学省の知的クラスター創成事業というのは、18プロジェクトありますけれども、本県の「とやま医薬バイオクラスター」が、そのトップクラスの成果を上げておりまして、経済産業省でもこれに注目して、ご承知だと思いますが16年度に地域新生コンソーシアム研究開発事業として7500万円のお金を出していただいています。17年度もまだ額は決まっていませんが、数千万円程度資金を出してもらうことになっています。

 これによって、当然幾つか特許権等も確保できるわけですけれども、今度末岡さんのほうでおつくりになる、このバイオベンチャー企業にこの特許権の実施権を差し上げて、そしてやっていただく。だいたいそういう全体の構想になっていますので、よろしくお願い申し上げます。それでは、末岡さん(代表取締役就任予定)から具体的に事業概要を説明してもらいます。

【末岡 代表取締役からの説明】

記者会見で説明をする末岡 代表取締役 今、知事さんからご説明がありましたように、知的クラスターの成果も出てきまして、それに基づいて会社を起業します。そして、マーケティングを中心に営業部隊を先行して走らせて、市場ニーズを把握しながら事業の基盤をつくっていきたいと考えております(関連ファイル−配布資料2)。

 第1号の成果というのは、全世界で初めてなんですが、ヒト由来の特異的単一細胞を捕獲するリンパ球チップを開発しました。それに基づいてヒトの血液中の単一細胞から優れた中和活性を持つB型肝炎の抗体遺伝子の抽出に成功いたしました。こういう方式は全世界で初めてでありまして、それに基づいてマーケットリサーチを開始するということです。この特徴は、特定の抗原に対する抗体を網羅的に捕獲することができると。今までは一つの抗原に対して一つ一つ抗体を見つけていくというやり方ですが、今度のやり方は1センチ角のチップの中にウェル(穴)を作りまして、そこに25万粒のTリンパ球を入れまして、そこに抗原をふりかけて、抗体を一気に網羅的に獲るということです。

 これは、非常に効果的な抗体もとれているものですから、早く社会的還元を目指したいということで、富山医科薬科大学の村口教授、岸助教授、富山大学の鈴木教授、北陸先端科学技術大学院大学の民谷教授、ベンチャーラボの紀藤さん、インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクスの末岡が発起人となって、地元の企業としてはスギノマシン、立山科学工業、リッチェル、それから県外からも日立ソフトウェアーエンジニアリングの協力を得まして、リンパ球チップをプラットフォーム技術として抗体を開発するバイオベンチャー「エスシーワールド」を設立いたします。SCというのは、「Single Cells」の略称になります。フルネームで「エスシーワールド」ということでスタートします。

 技術の特長は、今も簡単に申し上げましたが、一つは単一細胞の取り扱いが非常に便利であると。リンパ球を1個ずつ個別に1枚のチップに25万個をばらまいて、そこから多数の細胞を同時に個別に取り扱うことができるということが、世界初ということになります。

 それから、精度が非常に高い。これは、今までフローサイトメーター等では、0.1%という精度以上なんです。我々のやり方では、理論的には0.001%以下の細胞も検出できるといったところが特徴になります。

 それともう一つは、先ほど言いましたように、複数個のリンパ球を同時に捕捉できることです。同時に捕捉できるというやり方は今までありませんでした。従来はマウスを使ったりして、マウス1匹で一つの抗体を作るというやり方なんですが、我々のやり方は、いきなりヒト抗体を作ります。しかも25万粒に抗原を振り分けるわけですから、幾種類もの違う抗体が同時に捕獲できるといった特徴を持っています。その中でいちばん効果的なものを選ぶというやり方になるかと思います。

 事業概要としては、ヒト・モノクローナル抗体については、抗体医薬品の開発を行う予定にしております。当初は抗体医薬品の候補を見つけ、それでアライアンスを組んでいくというやり方になるかと思います。ここでは感染症、がん、自己免疫疾患病等の分野に重点的に事業展開できるだろうと考えております。

 それから、当然、マウスのモノクローナル抗体についてもできるわけでして、このやり方は従来ですと2〜8か月くらいかかっていたものを、我々のやり方では1か月ぐらいに短縮することができる。これも、直接抗体を作っていくというやり方になるものですから、非常にコース短縮になっていくだろうと考えております。

 このリンパ球チップを使って、富山方式では、分注といいますか、細胞をチップの中にばらまくという方法、それをスクリーニングするという方法、そして三つ目にはそれをピックアップしていくという一体型のシステムを、今開発中であります。これも今秋、もしくは今年度末までに試作品が完成する予定になっておりまして、もう既にその方式の手作業でのやり方では抗体を作っていけるのですが、自動化システムを完成の暁には展開していく、販売していくということになるかと思います。

 これも、B細胞だけではなくてT細胞、リンパ球にはBリンパ球、Tリンパ球、NK(National Killer)リンパ球の種類があるわけなんですが、そういった細胞にも当然展開していけると。当然、医薬だけではなくて、診断、検査分野への波及も図っていきたいと考えております。

 将来性につきましては、Bリンパ球、B細胞、T細胞、NK細胞等のリンパ球を指標とする診断・治療分野への応用といいますか、我々、今わりと大きいシステムで考えているわけなんですが、そのシステムの携帯化を図ることによりますと、ポイント・オブ・ケアといいますか、ポイント・オブ・ケアというのはどういうことかといいますと、従来検査しようとすると検査室に検体を持っていかなくてはいけないということなんですが、ベッドサイド、患者サイドのところで診断をはかって、いろいろの診断をするといいますか、臨床試験等も含めて、がん免疫療法といいますか、そういう免疫的な診断というようなこともはかっていきたいと考えています。

 もう一つの医薬品の開発というところでは、我々のやる抗体医薬というのは、病原のピンポイントをターゲットにして攻撃する、分子標的薬という範ちゅうに入ると思いますが、抗体医薬候補、これは細胞の表面をターゲットにしたやり方です、それから低分子化合物を含めた、リード化合物の探索・最適化を含めて、臨床からフェーズ?〜?にいたるまでの臨床試験、医薬開発を行いたいと考えております。低分子化合物というのは、細胞内をターゲットにして開発するということになるかと思います。

 二つ目には、当然薬を開発していくわけですから、治験という作業が絡んできます。わたしどもとしましては、そういった治験の仕事も心がけていきたいと考えております。特に、医薬候補を治験へと進める段階で、富山県内外の大学病院との連携によりまして、比較的早く上市をねらえる開発パイプラインを整えることに焦点を絞って、事業展開を進めていきたいと考えております。

 最終的には、リンパ球チップによる個々の単一リンパ球の取り扱い技術を強みにした検査機器、医薬品開発から治験までを、総合的にとりすすめる総合製薬企業を目指したいと考えています。そして、広く医療・健康に貢献していきたいと考えております。以上です。

【質疑応答】

●記者
 県との関係について確認したいんですけれども、特許は県にあって、使っていいよという権利をこの会社に与えるということですか。

●知事
 特許は、出願人(特許により係わった研究者が異なるため出願人も異なる。県が出願人となっている特許もある。)に権利があるわけです。海外特許も国内特許も幾つか取っていますから。この特許を実施する場合には実施料をある程度払っていただいて、この会社に活用してもらって、事業をどんどんやってもらうということです。

●記者
 出資、資本金のほうの話ですが、これに県がからんでいくということはないんですか。

●知事
 出資は、今のところ民間の皆さんですよね。

●末岡
 そうですね。

●知事
 出資もできるように、例えば「元気とやま中小企業総合支援ファンド」などもあるんですけれども、今回は民主導でやってもらうということで、そういう考え方にしております。

 関連でいいますと、今回の17年度予算で「元気とやま中小企業総合支援ファンド」の基金も2億円から3億円に増やすとか、またそれ以外にも卒論研究テーマ等実用化研究支援事業をやるとか、創業ベンチャー挑戦応援事業など、いろんな新しい施策も考えていますけれども、これはまさに、今度の末岡さんのプロジェクトは、ベンチャーのまさに第一号になるわけで、「元気とやま」づくりのために大変幸先がいいなと思って、私も大変喜んでいます。ぜひ、皆さんも取り上げていただいて、県民の皆さんが元気がでるように、勇気がわくように扱っていただくとありがたいなと思います。これについて自分もやろう、なんていうのをどんどん応援する仕組みを今度の予算でつくりますので、予算発表を楽しみにしていただきたいと思います。

●記者
 大株主は、インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス社になるんですか。

●末岡
 今は大学の先生を中心にスタートしました。資本金1600万円です。そういった面では、村口先生と私の出資額が一番大きいということになると思います。二人で30%ぐらいでしょうか。

 今回は、北陸の三大学が共同で会社をつくるわけですから、そういった面では、従来、TLOといいますと一つの大学だけで会社をつくるというケースが多いわけですけれども、非常に珍しいというか、多分、初めてではないかと思います。

●記者
 資本は、企業として出しているわけですか。個人で出しているんですか。

●末岡
 個人で、とりあえずスタートします。

●記者
 これは全員ですか。

●末岡
 そうです。それでですね、もう一つ「人員構成(案)」という資料が手元に配布されているかと思いますが、ここに協力団体ということで、協力していただける会社さんと団体の名前を書いておりますが、この会社さん方に近いうちに増資を計画しておりまして、増資に応じていただこうと。今、いろいろご説明しておりますが、ほとんどの企業さんからは、ぜひ出資してこの事業に一緒に協力したいというふうに申し入れをいただいております。

●記者
 この人員構成(案)に書いている役員、顧問、アドバイザーの方々が、全員個人で出資されているのですか。役員だけですか。

●末岡
 今のところ、役員だけです。

●記者
 すべて個人ということですか。

●末岡
 そうです。

●記者
 市場規模というか、どのくらいの商売ができるのか。

●末岡
 すぐ事業化して一気に売上げが伸びるということは期待できないんですが、抗体医薬一つとれば、今2005年で約1兆円弱といわれています。あと5年後には 2.4兆円を超えるだろうといわれています。その中に、わたしどもが新しい抗体を提供していくということになるかと思います。市場自体が15〜20%強ぐらいで伸びてきますので、その中でいい抗体を提供していきたいと考えています。その中で、どれだけ売れるのかというのは、今は未定です。たくさん売りたいということですが。

●記者
 事業化のメドは。

●末岡
 今この技術は世界初ということで、非常に特異性を持ってまして、製薬会社さん数社を少しヒヤリングした結果なんですが、非常に興味をお持ちです。抗体のところは競争もし烈です。ですからスピードをどうしても問う、ということになります。スピードの中では、このやり方が今群を抜いた製造法といいますか、発見法になるわけですから、そういう面では非常に画期的なことが期待できるんではないかなと考えています。事業化のメドに関しましては、今は感覚でしかお話ができないんですが、試作機が完成するのが今年の秋から本年度末ということになるわけですから、そういう面では、事業基盤というのはここ2年のうちに作りたいと考えております。3年目には、きちんと事業をしているというふうに考えていただきたいと思います。

●記者
 網羅的に捕獲できるということの意味について、従来の方法とどれだけ違うのか、ということをもう少し分かりやすく説明してください。

●末岡
 技術資料の中に、1ページ目と2ページ目がありますが、まず1ページを見ていただくといいのですが、網羅的というのは、チップがこういうふうにウェル(小さい穴)、10マイクロメーターの穴になりますけれども、深さが大体15〜20マイクロと考えていただきたいのですが、そこにBリンパ球が入っていくと。その上に、コショーをふりかけるように、抗原をふりかける。そうするとシングル細胞それぞれが抗体をつくる。抗体というのは、ご存じのように、外部のものに対して自分を守ろうとするものですから、そういったものをつくるわけですから、そのつくり方、強度というのは、いろいろ種々なものができてくるわけです。

 今までは、抗体ができたといっていても、1種類だけ捕獲して「できた、できた」という言い方なんですね。我々のものは100種類出るかもしれないし、1000種類出るかもしれない、それは複数個出ることは間違いない、それぞれの強度を把握しながら最適なものを選んでいくということです。そういう面でも、1抗体1マウスを殺していくというやり方よりも、非常に経費節減にもなりますし、スピードアップ、見つけるだけであれば10分以内に25万個をぱっと検査できるということですから、そういった面では高速化が実現できるというふうに考えています。

[終了]

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