県政レポート第30号[平成18年11月1日]
こんにちは、富山県知事の石井隆一です。
街路樹も色づきはじめ、いよいよ秋も深まりました。去る10月26日の早朝、入善町の民家や商店が建ち並ぶ一角で散歩中の男性がクマに襲われ、亡くなるという痛ましい事件が起きました。最近、人家の少なくない地域にもクマが頻繁に出没するようになっていますので、県民の皆さんには十分注意してくださるようお願いします。
それでは、前回レポートしました10月16日以降の主な仕事や出来事について紹介します。
10月17日(火)、静岡県浜松市で「先端産業懇談会」を開きました。懇談会には、自動車メーカー「スズキ」の鈴木修会長をはじめ、機械、電子、楽器メーカーなど11社の経営者の方々にお集まりいただきました。私から、来年度末までに予定される東海北陸自動車道の全線開通や日本海物流の進展と伏木富山港の発展可能性なども含めた本県の特色や立地環境などについて説明し、今後県内企業との取引拡大や新規工場立地等について積極的に検討していただくようお願いしました。
10月18日(水)午前、東京で全国知事会の地方分権特別推進委員会が開かれました。委員会では、地方交付税小委員会及び地方税小委員会の報告並びに公営企業金融公庫の廃止後の地方債の共同発行組織のあり方の報告が行われたほか、政府が臨時国会提出に向けて検討を行っている「地方分権改革推進法案」の検討状況などについて報告が行われました。私からは、旧分権推進法では「地方税財源の充実確保」が明記されたのに対し、今次の法案の伝えられる条文では「税源配分の在り方を検討」との表現にとどまっており、国に対して「地方税財源の充実強化」の明記を求める必要があることなどについて発言しました。また、道州制については、同法案に当初「検討を行う」と明記されていたものが、行革・道州制担当大臣の下におかれる懇談会で検討されることを理由に削除されたことは、3年間で拙速に結論を出すことは無理であるから一定評価すべきである。ただ、道州制について、積極論、慎重論のいずれの立場であっても、これを地方分権ではなく行政改革の観点から推進するというのでは地方切り捨てになるおそれがあり、全国知事会として戦略をしっかり構築すべきではないかと提起しました。これに対しては、増田岩手県知事(地方分権推進委員長)などから、「道州制を行革の手段として位置づけるというのはとんでもない話だ」などの発言が相次ぎ、麻生会長などにも伝えていただくことになりました。
10月19日(木)午後、県民会館で「全国社会教育研究大会」が開かれました。大会には、県内外から約1,500人の関係者の方々が参加され、基調報告やシンポジウムが行われました。シンポジウムには、大橋謙策全国社会教育委員連合会長、松下倶子国立青少年教育振興機構理事長、佐藤一子東京大学大学院教授、平林正吉文部科学省生涯学習政策局社会教育課長とともに私も出席し、「住民参加による地域づくりと社会教育の課題」をテーマに意見交換を行いました。
私からは、「県は、従来から生涯学習・社会教育に力を入れてきたこと、県民自らが自己実現を図りたい、あるいは地域社会に貢献したいなどの意欲を持って、積極的に生涯学習や社会参加をされることは大変望ましいことであり、今後も必要な環境の整備に努めたい」、また、「社会教育発展のためには地域の様々な課題にチャレンジ精神を持って取組むリーダーの存在や人のネットワークの形成が大切であること」、さらに、「県内で、地域の歴史、名所旧蹟、豊かな自然などをもっと知り、ふるさとに愛着や誇りを持とうという活動をされている公民館長さんや子どもたちにも参加を呼びかけホタルの里づくりに取組んでいる公民館の取組みなどを紹介しつつ、自分自身の趣味や学習意欲のためだけでなく、地域の現実的な課題解決にも積極的に参加することで、社会教育や生涯学習の新たな展望が切り開かれるのではないか」と申し述べました。
10月20日(金)夕方、東京・有楽町の日本外国特派員協会で「富山の酒を囲む夕べ」が開かれ、私も出席し、挨拶を申し述べました。このイベントは富山県の食文化を発信する目的で初めて開かれたもので、同協会の会員など約200人の方々が参加されました。会場には、県内の39種類の地酒や郷土料理が並べられ、伝統芸能の「むぎや」、「こきりこ」、「おわら」が披露されました。
10月21日(土)午後、富山市婦中町のファボーレで「花と緑の大会」が開かれました。大会には、県内市町村に設置されている「花と緑の銀行」の支店の関係者など約350人の方々が出席され、県内の緑化推進について決意を新たにしていただきました。私も出席し、「花と緑の銀行」の理事長としてご挨拶するとともに、県内の緑化に功労のあった個人や団体、花と緑のコンクール入賞の皆さんに表彰状を贈らせていただきました。
10月22日(日)午前、富山市の富岩運河環水公園で「県民歩こう運動推進大会」が開かれました。私もこの運動の推進委員長として参加し、出発式でご挨拶するとともに、当日参加された約350人の皆さんと運河沿いの景色を眺めたり、パナマ運河方式で水位調節が行われている中島閘門の説明を受けたりしながら、約3キロのウォーキングを楽しみました。
10月23日(月)午前、県民会館で「とやまの魅力再発見・再生のための有識者懇談会」を開きました。懇談会には、副座長の西頭徳三さん、稲本正さんなど5人の有識者の皆さんが出席されました。冒頭、去る17日にご逝去された座長の故木村尚三郎さんのご冥福をお祈りした後、中間とりまとめ(案)について審議していただき、概ねご了承いただきました。また、富山のイメージを全国発信するためのキャッチフレーズ「くらしたい国、富山」とそのロゴマークについてもご了承いただきました。なお、木村尚三郎先生については、私は、東京・霞ヶ関時代から「地域における文化振興のあり方」などについて、貴重なご意見、ご尽力をいただいてきました。知事就任後も「とやま文化大使」にご就任いただくなど大変お世話になっており、ご逝去は誠に残念で心からご冥福をお祈りする次第です。
同日午前、同じく故木村尚三郎先生に座長を務めていただいてきた「食のとやま『越中料理』ブランド化推進懇話会」の中尾哲雄副座長(富山経済同友会代表幹事)、安井恒夫委員(県調理師連合会専務理事)から「中間とりまとめ」を提出していただきました。
10月25日(水)午前、県民会館で「日本公衆衛生学会総会」(学会長 鏡森定信富山大学医学部長)の開会式が開かれ、私も出席し、ご挨拶をしました。総会には、全国から大学研究者、医師、保健師など約2,000人の皆さんが参加され、27日までの3日間、講演、シンポジウム、分科会などが行われました。
また、27日には、県民会館で「子どもの安全と健康」をテーマに市民公開フォーラムが開かれ、私も参加し、「子どもを安心して育てられる地域づくり」と題して講演を行いました。
10月25日(水)午後、高岡市で新しい総合計画策定について高岡・射水地域の市長との意見交換会を開きました。意見交換会には、橘慶一朗高岡市長、分家静男射水市長、堂故茂氷見市長、小矢部市からは市長代理として楠公尚収入役に出席していただき、それぞれご意見やご要望をお聞きしました。今後、12月までに砺波、富山、新川の3地域でも開催したいと考えています。
10月26日(木)午後、岐阜県高山市で古田岐阜県知事との懇談会を開きました。この懇談会は、昨年に引続き2回目で、交通基盤の整備促進、広域観光の推進、子育て支援、森林づくり、クマ対策、流木対策などについて話し合いました。また、今後とも、毎年、両県知事の懇談会を継続的に開催していくことで合意しました。
10月28日(土)午後、砺波市のとなみ散居村ミュージアムで「となみ野散居村再発見フェア」が開かれました。このイベントは、散居村の景観保全についての気運を高めようと開催されたもので、屋敷林(カイニョ)の保育講習会、講演会、シンポジウムなどが行われました。シンポジウムには、コーディネーターとして島根大学教育学部助教授の作野広和さん、パネリストとして建築家の天野一男さん、育林事業を営んでおられる鶴巻登志広さん、近畿日本ツーリストの森幹夫さん、南砺市在住の漫画家の森みちこさんとともに、私も参加し、「散居村風景とカイニョの保全」をテーマに意見交換しました。私からは、「となみ野などの散居村景観は次世代に引き継ぐべき財産であり、地域の皆さんにはその素晴らしさを再認識し、保全について積極的に取り組んでいただくと大変有難い。地域の皆さんの熱意ある取組みに対しては、県としても砺波市や南砺市とも連携しつつ応援したい」と申し述べました。
なお、このシンポジウムに先立って、代表的なアズマダチの屋敷である砺波市太田の入道家を訪問し、家屋の内外をご案内いただき、維持管理面などでのご苦心などをお伺いしました。
10月29日(日)午後、テクノホールで麻生太郎外務大臣、伊吹文明文部科学大臣、若林正俊環境大臣及び地元の長勢甚遠法務大臣の4閣僚などが参加されて、自民党県連の政経文化パーティが開かれました。私も出席し、地元を代表して歓迎のご挨拶を申し上げました。約4,000人の県民が参加されたパーティの終了後、4人の閣僚の方々と懇談する機会をいただきましたので、北陸新幹線の整備促進、地方分権実現のための地方税財制度等の確立、クマ対策など8つの県政の課題について説明し、要望いたしました。
10月30日(月)午前、県内の一部の高校で必修科目が履修されていない問題について、私から八木近直県教育委員長と東野宗朗教育長に対し、生徒や父母などの不安を少しでも早く解消する方向で、対処方針を早急に示すよう要請しました。八木教育委員長からは、「誠に遺憾であり、大至急、教育委員会としての方針を打ち出したい」との回答がありました。
同日午後、魚津市の大町小学校を訪れ、児童や保護者などによる「地域安全マップづくり」を視察した後、安全なまちづくりについて「ふれあい対話」を開きました。対話には、地区の防犯組合、PTA、学校安全パトロール隊の代表者など6人の方々に参加していただき、日頃の活動や子どもたちの安全対策などについて懇談しました。
その後、魚津工業高校を訪れ、インターンシップについて「ふれあい対話」を開きました。対話では、インターンシップに参加された生徒の皆さんから就業体験を通して感じたことなどを発表していただくとともに、受入事業所やPTA、後援会、教員の皆さんからもご意見、ご要望を聞かせていただきました。
10月31日(火)午前、射水市新湊地区の原油タンクがテロによって爆破されたことを想定した緊急対処事態の図上訓練を行いました。訓練には、県や県警のほか、射水市、自衛隊、伏木海上保安部、北陸電力などから約100人の皆さんに参加していただき、事前にシナリオを知らせないロールプレイング方式で被害状況の確認や住民の避難誘導などを行いました。
11月1日(水)午後、とやま自遊館で「男女共同参画フォーラムinとやま」の開会式が開かれ、私も出席し、ご挨拶をしました。
開会式には、東海北陸・近畿ブロックの女性団体やボランティアグループ、行政関係者など約600人の方々が参加され、引き続いて東京家政大学名誉教授の樋口恵子さんによる「人生100年すべての人に居場所と出番」と題した基調講演も行われました。
その後、県芸術文化協会35周年・第55回県芸術祭記念式典・祝賀会がダブローナキ駐日ハンガリー特命全権大使などをご来賓として盛大に開催され、私もお招きいただき、お祝いを申し述べました。
なお、その他のものも含め、この間の仕事や出来事を一覧表にしてまとめましたので、ご覧ください。
| 10月17日(火) | ・先端産業懇談会(静岡県浜松市) |
| 10月18日(水) | ・全国知事会・地方分権推進特別委員会(東京) |
| 10月19日(木) | ・富山商船高専創立百周年記念式典(射水市) ・全国社会教育研究大会富山大会シンポジウム(富山市) ・北信越市長会懇親会(高岡市) |
| 10月20日(金) | ・アサヒビール(株)富山支店からの寄付贈呈 ・定例記者会見 ・日本外国特派員協会「富山の酒を囲む夕べ」(東京) |
| 10月21日(土) | ・花と緑の大会(富山市婦中町) |
| 10月22日(日) | ・県民歩こう運動推進大会(富山市富岩運河環水公園) |
| 10月23日(月) | ・とやまの魅力再発見・再生のための有識者懇談会(富山市) ・「越中料理」のブランド化に向けた提言(中間とりまとめ)手交式 ・連合富山からの政策・制度要求書手交 |
| 10月24日(火) | ・富山大橋起工式 ・県青年議会 |
| 10月25日(水) | ・日本公衆衛生学会総会開会式(富山市) ・「良好な都市景観を形成するための屋外広告物のあり方に関する提言書」提出 ・高岡・射水地域の市町村長との意見交換会(高岡市) |
| 10月26日(木) | ・岐阜県知事との懇談会(岐阜県高山市) |
| 10月27日(金) | ・日本公衆衛生学会総会「市民公開フォーラム」講演(富山市) |
| 10月29日(日) | ・麻生外務大臣、長勢法務大臣、伊吹文部科学大臣、若林環境大臣に要望(自由民主党政経文化パーティ) |
| 10月30日(月) | ・県立学校未履修問題について県教育委員長、教育長に要請 ・ふれあい対話(魚津市大町小学校、魚津工業高校) |
| 10月31日(火) | ・国民保護図上訓練 ・とやま食育推進フォーラム(富山市) ・兵庫国体等上位入賞者の報告会 |
| 11月1日(水) | ・男女共同参画フォーラムinとやま(富山市) ・県交通対策協議会安全運転部会 ・県芸術文化協会35周年・第55回県芸術祭記念式典・祝賀会 |