平成16年度富山県水墨美術館運営委員会議事録
 


日  時


平成16年7月9日(金) 午後13時30分から


場  所


富山県水墨美術館 映像ホール


出 席 者


(委  員)


 委 員 長 平田 純

 副委員長 森  政雄

 委  員 牛窪 正、経田 博子、郷倉 祀子、新村 輝子、鶴谷 登、堀内 道子、水尾 比呂志 計9名

 欠   内山 武夫 


(県関係者)


教育委員会文化財課 課長 舟崎 邦雄

富山県水墨美 術館 館長 加藤 淳、副館長 福井 文夫、総務課長 石政 英治、学芸係長 浅地 豊、嘱託 泉 彰宏  計6名


次  第


(1)開  会


  ◇あいさつ 加藤水墨美術館長


   水墨美術館は、四月に来館者数累計60万人に達し、5年間でも年平均約12万人の観客を動員している。(全国的統計では、年平均約5万人で、当館は大きく 上回っている)昨年度は、総入館者数が初めて8万代に落ち込んだ。今年度に入ってから2つの企画展を終えたが、2万6千人ほど入っており、順調なスタートを切ったといえる。今年度はさらにマスコミとの協力を得、人々の来館を促すような企画展を用意している。
 展覧会の入館者数、入館料収入、高齢者・障害者の入館料、展覧会の質の問題などが課題が課題となっている。また、民間でも美術館を経営可能な指定管理者制度が昨年9月より開始されている。企画展、美術館運営について忌憚のない意見を拝聴し、今後に活かしていきたい。



(2)議  事


委員長、副委員長の選出
全員一致で委員長に平田委員、副委員長に森委員を選出

議題@〜Dについて、「平成15年度富山県水墨美術館年報」に基づき、事務局から説明(説明者:福井副館長、石政総務課長)


 ア報  告


  1 平成15年度事業報告


  (展覧会の開催)



15年度も企画展を7展開催した。年間入館者数約8万7千とやや不本意な数だが、「高村光太郎と智恵子の世界」展は入館者数約2万5千人で成功といえる。 全国では、1つの企画展に1万人入ったら成功といわれている。当館の観覧料収入は、2千2百万で約50パーセントの収入率(全国平均は、16パーセント)



(作品収集活動)



15年度は、横山大観「瀑布四題」・「立山遠望」、小林古径「牛」、前田青邨「西遊記(下絵)」等作品13点を購入した。



(教育普及活動)



教育普及活動の主なものは、講演会の開催、子どもたちを対象としたワークショップの開催と同作品の展示、機関誌「水美」の発刊、友の会の運営、美術館の PRなどである。特に、岩崎巴人氏を講師に児童・生徒を対象とした水墨画のワークショップ「○△□何でも描いてみよう」は好評であった。


今年度も、美術館が主体性を保ちながら、来館者や教育現場など、広く人々の声に耳を傾け活動するよう心掛けた。今後とも、美術館の支援・協力者との和を広げ、より効果的な活動を行うよう努めていきたい。


  2 平成16年度事業計画



(展覧会の開催)



企画展を7展開催する予定。6月末時点での入館者数は約2万6千人。これは、「荒川豊藏と加藤唐九朗展」約1万3千人と「上村松篁展」が約1万人と成功を 収めたため。昨年に比べて入館者数も収入もアップしているので、この調子で引き続きいきたい。この後は、「院展を築いた4人の巨匠 ―大観 春草 観山  武山―」、「山辰雄−墨色の世界」展などが控えている。


  3 学校教育との連携



(観覧料減免)



学校教育との関わりについて、平成14年度から始まった小中高生の観覧料無料化がある。これは「学校週5日制」の本格的導入に伴い小中高生が土・日・祝日 に展覧会を観る場合に企画展を含む入館料を無料にする制度である。15年度1年間の統計から、@小学生は、休みの日に家族とともに来館(平日85人、土日 祝日924人)、A中学生は、学校行事で平日に生徒のみの小グループで来館(平日250人、土日祝日548人)、B高校生は、平日学校行事で団体で来館 (平日856人、土日祝日310人)、C盲ろう養護学校からの利用は1校のみという傾向が見られた。


15年度は、特に各学校に周知を図ったこともあり、10月の「高村光太郎と智恵子の世界展」に教育の一環として高校生が多く来館しました。



(中・高校生の体験学習受入)



14歳の挑戦 15年度 西部中4名 (7/7〜7/11)
         16年度 西部中3名(7/5〜7/8)で昨日無事終了した。


高校生のインターンシップ 7月9日現在、まだ実施希望なし(小杉校)



(高校教師の体験研修受入)



社会に学ぶ先生の挑戦(2人)(H15年度)


大人を対象にした講座


県民カレッジ


  4 その他(前売り券の販売について事務局より報告。)



館単独企画展の前売り券を出すことは、@趣旨にあるように、展覧会 の早期周知が図られる。A若干安い値段(団体料金相当額)で見られるという点で、サービスの向上につながるB料金を下げることによりより多い入館者数が期 待できる。つまり、来館者の新規開拓につながる可能性がある等のメリットが考えられる。


しかし、これには当然事務量の増大が伴い(印刷物の早期作成・配布・回収・精算などの事務量の増大)、また、経費もかかる。さらに、来館者の開拓につなが らなければ、料金が低くなるだけ、観覧料収入の減につながる可能性もある等のデメリットもある。しかし、サービスの向上には替えられないということで、 15年度から実施した。


これまでの実施結果としては、平成15年度は多くはなかったが、平成16年度に入ってからは制度が浸透してきたことや、企画展の内容が県民に受けたこと等もあり、かなり増加した。



 イ協  議(意見交換)



委  員 県内の学校にはポスター等は配布しているのか?


事 務 局 教育事務所を通して県下すべてに行き渡っている。


委  員

教員体験研修のレポートの 抜粋にもあるように、学校で図工・美術の時間が削減されているのが現状。「美術館に行ったことがない」という学生が多くなっている。学生達のレベルは、美 術館で作品を見る以前の問題として、美術館とはどういうものなのかという説明や、マナー等を知らせなければいけないという段階。また、小中高で美術館に 行ったことのない短大生が、幼児に美術を教える立場にあるのが現状である。

年に一度でも土日祝日などに、美術館での企画展無料鑑賞(自分の意志で好きな展覧会を選んで観覧)の機会が与えられればと考える。



事 務 局 一般的に、観覧料の無料化が即来館につながるとは限らない。無料観覧と半日ボランティア活動としたらどうか。そのほうがためになるのではないか。


事 務 局

小中高生の観覧料無料化に取り組んでいるが、短大生まで無料化が行き届いていないのが現状。

「高 村光太郎と智恵子の世界展」で県下高校に案内文を出した影響もあって学生の入館者数は増えた。また、上村松篁展では、子どもにも親しみの持てる展示とし て、幼稚園等に案内文を出した成果もあって園児も来館する機会が増えた。しかし、肝心な交通機関の利用としてのチャーターバスなどの利用ができないと、遠 方にある施設は来館するのが難しい。その例として、近隣の富山工業高校などは積極的に当館を活用している。また、子供むけ展覧会も今後視野に入れていこう と考えている。



委  員

バスチャーター等「足」の問題はここだけの問題でない。市民団体に呼びかけ、子供たちの為に なんとかならないか。小学校の先生と、水美とでこれらの問題について検討会を開く必要があるのではないか。隠れた美術愛好家に一肌脱いでもらって、それら を連携していくようなことを誰かがやっていかなければならない。民間が出てくる今後は、危機感をもって積極的に行かないとまずい。


委  員 学芸員が時間の制約もありながらやっている解説などは、普段作品だけを観にくる時とは違い様々な面で親近感がわいてく る。出前講座のようなものはどうか。昨年子供たちの墨画展の際、とある親子が喜んで観覧していた。話しかけると、なぜ寒い冬に「子供たちの墨画展」を展示 しているのかという質問があった。また、平日4時30分に茶室に来館したら、テレビ局がいて入室できなかった。


事 務 局 茶室の営業は4時半までという表示はしている。監視員に茶室への案内させる際、時間確認の必要があるだろう。通常取材等は、できるだけお客が少ない時に行うよう心がけている。


事 務 局 市民団体への呼びかけについては、ライオンズクラブなどへ(1年に1回くらい子ども達の交通手段を援助してもらえるよ う)協力を要請してみる。子供の墨画を夏に持ってくるのは、他の展覧会との関係上難しい。また、出前講座などは、軸装してある作品や多くのいたみ易い日本 画・水墨画を館外に出すのは難しい。 また、当館は少ない人数で多くの展覧会を開催している点もご理解いただきたい。


委  員 今までの水墨美術館の生活空間の中の日本の美というテーマと、ブランドとも言える名作がそろった作品群は素晴らしい。今後は、館の新しいテーマを楽しみにしている。


事 務 局 新しいテーマとして「親と子」を考えている。水墨美術館の枠から少しはみだす可能性もあるが、手広く展覧会を行っていく必要があるだろう。


委  員

年1回とか学生を招待したらどうか。公告・宣伝・PRは集中して予算を使ったらどうか。また、交通手段についてはバスは地域に持っているのではないか。


委  員 広報の一つとして、ボランティアや利用者に投書を呼びかけてはどうか。「良かった」という感想のようなものに影響されてさらに入館者が期待できるのでは。 一般の者を引き込むには、そういったところからの影響も考慮すべきか。また、質問コーナーのようなもの(ホームページ等を含む)があれば、来館者の疑問な ど解決できることがあるのでは。


事 務 局 雑記帳の内容にはいろんなご意見が書かれているが、取り入れられるところは反映してきた。できる限りで対応している。


委  員 開館時間延長は?難しいのか。


事 務 局 過去に検討した時期があった。八尾のおわらの時期に延長したが入館者数は増えなかった。かなりの手間をかけたが、反映されなかったという事情もある。


委  員 サマータイム制はどうだろうか。市立だが図書館はサマータイム制をとっているところもある。採算ぬきでやれないのか。


委  員 告知の徹底がなければ効果はない。また、採算の問題とは関係ない。自信をもってサービスすることが大切である。何か特別人気ある展覧会と連携させて時間を拡大するのも手か。また、近代美術館ともリンクする必要があるだろう。


委  員 開館時間について、東京では金曜日は午後8時までが一般的である。これらのことは、認識が行き渡るまで待つ姿勢が必要となる。出前講座に関しては、スライ ド・ビデオ等を使うことは可能で、気長にやる必要がある。しかし、スタッフの人数に対して年7回の企画展は、消化していく能力に対して過重ではないか。この年7回という理由はあるのか。


事 務 局
回転を早めて動員数を期待する点と、作品を借りる期間の問題から。


委  員 その辺も理解できるが、もう一工夫できる。4回でも大変なことだ。長く借りられる作品もあるし何とかならないのか。


委  員 これまでの議論の中で、いくつかの課題が整理された。水墨美術館におかれては、本日の議論を順序を考えて、慎重に検討、対応してもらいたい。委員各位にお礼申しあげ、本日の委員会を終了いたします。



(3)閉   会


謝  辞 水墨美術館長
 

(参 考法令)

○博物館法(昭和26年12月1日法律第285号) −抜粋−

(博物館協議会)

20条 公立博物館に、博物館協議会を置くことができる。

 博物館協議会は、博物館の運営に関し館長の諮問に応ずるとともに、館長に対して意見を述べる機関とする。

21条 博物館協議会の委員は、学校教育及び社会教育の関係者並びに学識経験のある者の中から、当該博物館を設置する地方公共団体の教育委員会が任命する。

22条 博物館協議会の設置、その委員の定数及び任期その他博物館協議会に関し必要な事項は、当該博物館を設置する地方公共団体の条例で定めなければならない。


○富山県水墨美術館条例(平成10年9月30日富山県条例第39号) −抜粋−

(富山県水墨美術館運営委員会)

12条 博物館法(昭和26年12月1日法律第285号)第20条第1項の規定に基づき、美術館に富山県水墨美術館運営委員会を(以下「委員会」という。)を置く。

13条 委員会は、委員10人以内で組織する。

 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、再任されることができる。

14条 委員会に、委員長及び副委員長1人を置く。

 委員長及び副委員長は、それぞれ委員が互選する。
 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。