平成15年度富山県水墨美術館運営委員会議事録
 


日  時



平成15年7月16日(水) 午前10時30分から


場  所



富山県水墨美術館 映像ホール


出 席 者



(委  員)



 副委員長 森  政雄

 委  員 牛窪 正、内山 武夫、郷倉 祀子、堀内 道子、水尾 比呂志、川原 和夫、新村 輝子 計8名

 欠   平田 純 経田 博子



(県関係者)



教育委員会文化財課 課長 舟崎 邦雄

富山県水墨美術館 館長 加藤 淳、副館長 福井 文夫、総務課長 奥村 寛行、学芸係長 浅地 豊、嘱託 泉 彰宏  計5名


次  第



(1)開  会



  ◇あいさつ 加藤水墨美術館長



   一般的に開館して3年たつと、入館者が半減すると言われているが、当館は丸4年間で年平均約12万7千人の観客を動員している。当館は、開館から7月16日 まで累計で約55万人を達成することができた。博物館長会議に出席した際に、地方博物館の年間の来館者数は平均約4万人という報告があったが、これを大きく上回るものである。
 しかし、学校週五日制、高齢化社会、生涯学習社会、国際化等、社会をとりまく環境が変化しつつある。入館者数、入館料収入、前売り券、開館時間、月曜集中の休館日のありかた、友の会、ボランティア等、問題が山積している。 企画展、美術館運営について忌憚のない意見を拝聴し、今後に生かしていきたい。



(2)議  事



委員長、副委員長の選出
全員一致で委員長に平田委員、副委員長に森委員を選出
以下、平田氏欠席のため副委員長の森氏が司会として議事を進行。

議題@〜Dについて、「平成14年度富山県水墨美術館年報」に基づき、事務局から説明(説明者:福井副館長、奥村総務課長)



 ア報  告



  @平成14年度事業報告



  (展覧会の開催)




企画展を7展開催した。6月末時点で入館者数は約2万人と出だしは鈍くなっていたが、この後、「川合玉堂展」「上村松園・鏑木清方展」では入館者数16,220人、51,405人という驚異的な伸びで、全体的に前年度を上回る結果となった。




(作品収集活動)




14年度は、村上華岳、加山又造等の作品、18点を購入した。




(教育普及活動)




教育普及活動の主なものは、講演会の開催、子どもたちを対象としたワークショップの開催と同作品の展示、機関誌「水美」の発刊、友の会の運営、美術館のPRなどである。特に、岩 崎巴人氏を講師に児童・生徒を対象とした水墨画のワークショップ「○△□何でも描いてみよう」は好評であった。また、図録「富山県水墨美術館収蔵作品集」も作成した。


今年度も、美術館が主体性を保ちながら、来館者や教育現場など、広く人々の声に耳を傾け活動するよう心掛けた。今後とも、美術館の支援・協力者との和を広げ、より効果的な活動を行うよう努めてゆきたい。



  A平成15年度事業計画




(展覧会の開催)




企画展を7展開催する予定。7月末時点での入館者数は約3万人。この後、「現代金銀屏風名作選」「高村光太郎と智恵子の世界」「県民文化財展絵画にみる富山の至宝」が控えている。



  B今後の事業計画




(展覧会の開催)




今後の企画展の主なものとしては、平成15年度では、「高村光太郎」「高村智恵子」、16年度では「上村松篁」「山辰雄」、17年度では「村上華岳」等に関するものを計画している。



  C学校教育との連携




(観覧料免除の拡大)




小中高の土日 祝日の減免の結果、@小学生は、休みの日に家族とともに来館、A中学生は、学校行事で平日に生徒のみの小グループで来館、B高校生は平日学校行事で団体で 来館、C盲学校生も数は少ないものの来館という傾向が見られた。




(中・高校生の体験学習受入)




中学2年生を対象に県内公立中学校が実施する社会体験学習事業「社会に学ぶ14歳の挑戦」に協力し、平成11年度から毎年、3〜5人の生徒を受入れ、清掃、除草等の館内業務を体験してもらっている。2校受け入れる予定。(西部・新庄中)


県内県立高校が実施する高校生の社会体験学習事業「インターン・シップ事業」については、今年度に初めて受入れの依頼があり、8月に2名の生徒を受入れる予定である。




(高校教師の体験研修受入)




県立高校の教師を対象に今年度から県教育委員会が実施する社会体験研修事業「社会に学ぶ先生の挑戦」に協力し、今年度、名の先生を受入れる予定である。


(その他、博物館実習、いきいき文化財博士養成講座、県民カレッジ、「富山ふれあい講座」 等)



  Dその他




館が抱える以下の課題について、事務局より報告。




(前売り券)




今年度から館 単独主催の企画展について、「前売券販売制度」を試行的に開始した。この制度はサービスの向上にはつながるものの事務量や経費の増大というデメリットもある。さらに工夫しながら制度の充実を図っていきたい。

 


 イ協  議(意見交換)




委  員 生徒を連れて来る際、疑問に思ったのだが、企画展の開催時期はどのような基準で設置しているのか。


事 務 局 開催日時から逆算して、ほぼ2年前には決定している。


委  員 水墨美術館の企画展は、開設以降、質を落とさず、さらに集客力のある素晴らしい内容を保っている。




〈観覧料減免について〉


委  員 高齢者の観覧料減免のについては予定はあるか。また、インターネットで紹介されている他館の前売りチケットを、水墨美術館であっせんできるようなシステムはできないものか。


事 務 局 高齢者の観覧料減免については、財政状況が厳しい中ではあるが、視野には入れている。制度の見直し等、今後検討していく。


事 務 局 館の収入確保も大きな課題であることから、大きなウエイトを占める高齢者の観覧料を減免することは難しい。




〈教育との連携について〉


委  員 学生は、来館前は水墨=近寄りがたいというイメージをもっている者が多いが、実際に来館して、そのイメージの差に気づく場合が多いようだ。いかに若者に体験させるかが問題となる。


委  員 各学校が年に一回は、水美を訪れるよう働きかけたらどうか。


事 務 局 今回の「現代日本画家50人 万葉歌を描く」では各学校に館長名の案内文を出した。しかし、土日祝日の減免についてさえ知らない学校があるようだ。




〈水美の基本的理念にそった展覧会予定について〉


委  員 入館者数の減少は、全国的な問題であり、悲観すべきではない。



水美の基本的理念として、「日本文化の美を具現化する美術館」として「生活空間の中の美術」ということがいわれていたと思うが、具体的にどういう形で現しているのか。


事 務 局 このことを意識した企画展としては「近代金銀屏風名作選」を予定しており、その見せ方を工夫したい。また「歴史と色」という日本人の故郷(美意識)を探る企画展も考案している。


事 務 局 11月の「県民文化財展」は生活文化と密着というポリシーのもとに行う。これまでもそうであったが、今後とも美術館のポリシーを常に念頭においていきたい。




〈休館日の変更案について〉


事 務 局 水墨美術館の休館日について、意見を伺いたい。現在は、県内の博 物館等の多くが月曜日を休館日としているが、休日や余暇が多様化している現在、これでよいのかという声がよく聞かれる。


委  員 変更するとなると、逆に月曜日を休みと思っている人が多いので、新たな休館日の周知・定着には時間がかかり、混乱する可能性がある。


委  員 美術愛好家は、月曜日を外して旅行計画を立てる者も多い。


委  員 「今さら何を」と言う感じがする。


委  員 京都では、水曜日から月曜日に戻した例もある。


事 務 局 飲食店、理髪店等は、月曜を定休日としているところが多く、これらの人達から来館しにくいという声をよく耳にする。




〈開館時間の延長について〉


事 務 局 開館時間の延長について意見を伺いたい。県内でも開館時間を18:00まで、あるいは土日のみ20:00までとしている美術館がある。サービスの向上にはつながるもののコストの問題もあり、課題となっている。


委  員 休館日の変更より、開館時間に「夏時間、冬時間」をつくってはどうか。(夏の動員数を増加、冬の経費削減を見込む)


委  員  花火大会など、他のイベントのある日には開館時間を延長してはどうか。




 〈今後の全般的な意見〉


委  員 学校教育と美術館の連携「教員の社会体験」レポートの意見に、「美術館は作 品の魅力を判りやすく教えてもらえるところと認識されるよう、努めて欲しい」というものが、挙げられている。これは逆に、学校側の美術館に対する認識不足 ではないのか。(その他、入館料の金額の設定方法について質問あり)


委  員 年7回の展覧会は多すぎないか。収入等を視野に入れながら6回にしてみるのはどうか。(学芸員等の負担の軽減と展示会の質のさらなる向上をのため)



「工芸」等の展示会も美術館のコンセプトと一致しているので、予定してみてはどうか。



高齢者の割引は、無料は難しいが、多少の減額が望ましい。余暇をもてあましている方も多い。



ワークショップのような子どもの来館を意識したイベントは今後も期待できる。



内山氏のお話にもあったが、学校において美術に関する教育の意識が未発達、未熟である。


事 務 局 高齢者の減免制度については、全国の状況を調査する等、今後検討していきたい。



IT時代に対応したサービスについては、「電脳県庁」という県の方針もあり、すぐには対応できないが検討していきたい。


委  員 これまでの議論の中で、水墨美術館の優れた面と、いくつかの課題 が整理された。水墨美術館におかれては、本日の議論を踏まえ、慎重に検討、対応してもらいたい。委員各位にお礼申しあげ、本日の委員会を終了いたします。



(4)閉   会



謝  辞 水墨美術館長

 

(参考法令)


○博物館法(昭和26年12月1日法律第285号) −抜粋−


(博 物館協議会)


第20条 公立博物館に、博物館協議会を置くことができる。


 博物館協議会は、博物館の運営に関し館長の諮問に応ずるとともに、館長に対して意見を述べる機関とする。


第 21条 博物館協議会の委員は、学校教育及び社会教育の関係者並びに学識経験のある者の中から、当該博物館を設置する地方公共団体の教育委員会が任命する。


第 22条 博物館協議会の設置、その委員の定数及び任期その他博物館協議会に関し必要な事項は、当該博物館を設置する地方公共団体の条例で定めなければならない。


○富山県水墨美術館条例(平成10年9月30日富山県条例第39号) −抜粋−


(富山県水墨美術館運営委員会)


第 12条 博物館法(昭和26年12月1日法律第285号)第20条第1項の規定に基づき、美術館に富山県水墨美術館運営委員会を(以下「委員会」という。)を置く。


第13条 委員会は、委員10人以内で組織する。


 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、再任されることができる。


第14条 委員会に、委員長及び副委員長1人を置く。


 委員長及び副委員長は、それぞれ委員が互選する。
 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。