平成13年度富山県水墨美術館運営委員会議事録


日  時

平成13年7月6日(金) 午後1時30分から
場  所

富山県水墨美術館 映像ホール
出 席 者

(委  員)

 委 員 長 平田  純

 副委員長 森  政雄

 委  員 牛窪  正、押田 雅次、経田 博子、郷倉 祀子、水尾 比呂志


計7名(3名欠席)

(県関係者)

 教育委員会文化財課 課長 伊藤 清江

 富山県水墨美術館 館長 加藤  淳、副館長 福井 文夫
主任 浅地  豊、主任 水口  仁、主任 八木 宏昌
                      計 6名
次  第

(1)開  会

 

  ◇あいさつ 加藤水墨美術館長

当美術館の昨年の入館者数は12万6千人で、開館から約2年と1月となる去る5月26日に累計で30万人を達成することができた。

お 陰様で、当館は、幸い多くの方々に来館いただいているが、全国、さらには海外においても美術館の来館者数は減少傾向にあるといわれている。先日も、目黒の 雅叙園が倒産したとのニュースも報道されていた。調べてみると、この2〜3年のうちに公・私合わせて320館の美術館・博物館が閉館している状況で、美術 館の運営が如何に難しいかを強く感じている。

本日は、13年度の実績、14年度の計画等について説明いたしますので、委員各位から忌憚のないご意見を伺いたい。

(2)新委員の紹介と委員長・副委員長の選出

 @新委員の紹介

任期満了に伴い、 今年4月1日をもって役員の改選を行った。新委員10名のうち新任が富山女子短期大学幼児教育学科助教授の郷倉祀子委員及び富山県美術連合会会長の押田雅 次委員の計2名、再任が牛窪委員、内山委員、経田委員、平田委員、堀内委員、水尾委員、森委員及び山口委員の計8名となっている。

 A委員長及び副委員長の選出

富山県水墨美術館条例第14条の規定に基づき、委員長、副委員長各1名を委員の互選により選出することになっている。出席委員の7名全員の承認により、引き続き平田委員が委員長に、森委員が副委員長に、それぞれ選出された。

(3)議  事

平田委員長が司会として議事を進行。

議題@〜Bについて、「平成12年度富山県水墨美術館年報」に基づき、事務局から一括説明(説明者:福井副館長)。

 ア報  告

  @平成12年度事業報告

  (展覧会の開催)


常設展については、「近代水墨画の系譜」「下保昭作品室」とも、年4回の展示替えを実施した。


企画展については、7展開催し、入館者数は125,710人。開館年の11年度(138,828人)より約9%減少した。


企画展の中では、メインに位置付けていた「富岡鉄斎展」と「現代の水墨画T」のうち、前者は入館者数が約1万2千人で予想を下回ったが、逆に後者は前者を上回る約1万6千人を記録し、明暗を分けた。


(作品収集活動)


12年度においては、寄贈作品の60点、他の所属からの移管作品の8点、合計68点に加え、富山県博物館資料取得基金により14点を購入した。


また、茨城県近代美術館ほか3館に計31点の当館収蔵作品の貸出しを行い、収蔵作品の有効活用を図った。最近は、下保昭氏の作品に対する貸出しの依頼が増えている。


(教育普及活動)


従来の映像ホール、情報コーナー、図書室、インターネットホームページ等の運用、美術館ニュース等の広報印刷物の発行等に加え、3回の美術講演会の開催のほか、富山県水墨美術館友の会によるコンサート、研修旅行等を実施した。

  A平成13年度事業計画


(展覧会の開催)


企 画展を6展開催する予定。入館者数は、4月〜5月に開催した足立美術館所蔵の横山大観展が約3万3千人と盛況だったこともあり、6月末時点で約5万1千人 と順調な出だしとなっている。この後では、今年の目玉の企画展で、公募展形式の「公募:墨画トリエンナーレ富山 2001」が明日開幕するが、どのような 反響があるか、結果が楽しみである。最終的には12〜13万人程度を目標にしている。


(作品収集活動)


13年度の作品購入としては、予算的には昨年並みを見込んでいる。


(教育普及活動)


昨年の運営委員会においてある委員から提案のあった、小・中学生を対象にした水墨画の作品展など、いろいろ検討しているところである。

B今後の事業計画


(展覧会の開催)


通常、企画展で は、準備期間を考慮し、概ね開催の3年前には計画を立てていかなければならない。当館の特徴を出しながら、かつ入館者数の実績も上げていかなければなら ず、テーマの選定・企画は容易ではない。例えば、公募展について、募集対象を中国、韓国といった海外へ拡大したり、逆に児童・生徒に限定したり、工夫して いきたい。

 ア協  議(意見交換)


委 員 私が教えている大 学では、毎年、美術館の団体鑑賞を行っている。今までは近代美術館を利用していたが、今回は水墨美術館を利用しようと企画展の開催予定を尋ねたところ、年 度末だったが、正式に発表するまで待ってほしいと言われ、結局、近代美術館からの情報の方が早かったので、近代美術館に決めてしまった。もう少し早く、2 月くらいには情報を提供してもらえないか。


事務局 通常、2月頃には、内部では決定しているはずで、おそらく県議会での予算議決前という理由で担当者が躊躇したものと思われる。今後は、内定の段階であることを説明したうえで、速やかに情報提供させていただく。


委 員 企画展では、毎回、新聞社やテレビ局等のマスコミが共催しているが、共催先によって入館者数に差が出るものか。


事務局 新聞社を例にとっ ても、その発行部数には差がある。展覧会の内容など様々な要因が組み合わさった結果の数字ではあるが、結果としては、発行部数等が大きなところが共催の企 画展で多くなっているようである。しかし、他社の新聞やテレビを購読、視聴している方々も数多くいらっしゃるので、各社なるべく偏りのないよう、共催先の 選定には十分配慮している。


委 員 展覧会の開催に合 わせて、こちらのフロアで何か研修会みたいなものはやっているのか。本日の「公募:墨画トリエンナーレ富山 2001」の開会式後の作品解説の中で説明さ れた、「墨の精神性」「墨による黒の表現」などの基本的なことすら、私には意味が分からない。そうしたものを易しく解説してくれるような研修会があれば、 単に作品を鑑賞するだけでなく、知識を深めることもできる。


委 員 貴館では、作品解説会を定期的に開催し、それに併せて団体客を誘致するガイドツアーのようなものをやっているか。


事務局 12年度では、美術講演会を開催し、作家の先生などにテーマを決めて解説をしてもらった。通常は、団体客から申込みがあれば、ボランティアさんや学芸員が解説している。ガイドツアーについては、現在の学芸員数では対応が難しく、行っていない。


委 員 企画展の年間スケジュールを見ると、企画展の題名の中には「画壇」等の馴染みのない言葉や抽象的な表現が散見される。美術の専門家としては当たり前の表現であっても、一般の素人には題名だけでは内容が分かり難い場合があるので、もっと配慮していいのではないか。


事務局 巡回展など難しい場合もあるが、可能な範囲で工夫してみたい。


委 員 一般の人に対する配慮として、学芸員でなくボランティアさんでもいいから、作品の解説を定期的に行うようにすれば、素人なりに理解が深まり、美術ひいては水墨美術館に対する親しみや興味が増すのではないか。


委 員 来年2月の刀剣展の際には、刀剣協会の支部会員に研修を行い、会期中、2名づつ解説させようと思っている。ぜひ、刀剣の魅力を伝えたい。、


委 員 とにかく、人々に数多く足を運んでもらうことが先決。そのためには、気軽に来館できる雰囲気づくり、例えば、来館者とのコミュニケーションによる交流、触れ合いの機会を増やすよう心がけてほしい。


委 員 直接、会話しなくても、例えば、来館者が自由に意見や感想を記入できるノートを館内に設置しておくだけでもいいと思う。美術館側が、その中の意見に真摯に応えていけば、それも立派なコミュニケーションである。



来館者へのアピールとしては、先ほどの「分かり易さ」に加えて、余りいやらしくならない程度の「魅力的」なタイトルを企画展に付けることも必要である。学芸員の方には、せいぜい知恵を絞ってほしい。また、場合によっては、タイトルを公募するのもおもしろいのではないか。


委 員 私の所属する自遊塾では、やりたい人がボランティアで教えている。水墨美術館でも、例えば、「墨の楽しさ」「水墨美術館の魅力」といった簡単なテーマで、水墨画を勉強した人が個人又はグループで、ボランティアとして一般の人に教えるようなこともできるのではないか。


事務局 友の会のボランティア会員にお願いするなど、やり方は色々考えられるので、検討してみたい。

(4)閉  会

謝  辞 水墨美術館長


本日は貴重なご意見を拝聴でき、大変有意義な会議であった。ご提案については、出来ることから、迅速に取り組んでいきたい。来館者の感想ノートについては、明日から早速、実行したい。本日は、ありがとうございました。

 

(参考法令)
○博物館法(昭和26年12月1日法律第285号) −抜粋−
(博物館協議会)
第20条 公立博物館に、博物館協議会を置くことができる。
 博物館協議会は、博物館の運営に関し館長の諮問に応ずるとともに、館長に対して意見を述べる機関とする。
第21条 博物館協議会の委員は、学校教育及び社会教育の関係者並びに学識経験のある者の中から、当該博物館を設置する地方公共団体の教育委員会が任命する。
第22条 博物館協議会の設置、その委員の定数及び任期その他博物館協議会に関し必要な事項は、当該博物館を設置する地方公共団体の条例で定めなければならない。
○富山県水墨美術館条例(平成10年9月30日富山県条例第39号) −抜粋−
(富山県水墨美術館運営委員会)
第12条 博物館法(昭和26年12月1日法律第285号)第20条第1項の規定に基づき、美術館に富山県水墨美術館運営委員会を(以下「委員会」という。)を置く。
第13条 委員会は、委員10人以内で組織する。
 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、再任されることができる。
第14条 委員会に、委員長及び副委員長1人を置く。
 委員長及び副委員長は、それぞれ委員が互選する。
 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。