地界とは、洋の東西を問わず、人間の住む地上からはるか下方にあって、罪により堕ち、様々な苦しみ
を受ける世界、地獄のことです。かつての立山禅定路はまず立山地獄を巡り、それから観音の導きにより
浄土すなわち登拝の最終目的地である立山山頂の社に詣でる道程でしたが、想念の世界を五感で体験す
るまんだら遊苑でも出発点としています。
まんだら遊苑では、地獄の世界は多くの記述や伝承にあるような異次元の世界に展開するものではなく
現実の世界つまり俗世と表裏を成す、非常に近い、生々しい関係であるという観点から、地界を地下に埋
設せずに、地上に現しています。また、施設や造形の形態は、先達の絵画的世界を避け、現実すなわち地
獄という接近した世界を暗示するために、幾何形態を主として抽象表現に徹し、具象的な形態は、実物の
岩や植物そのものの形を用いて場を組み立てています。
地界は、閻魔堂をその入口として八熱地獄、餓鬼道、八寒地獄の世界によ
光や色彩、素材と共に地獄を描写しているのが、音と香りです。