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日本を代表する作家、郷土の作家、充実した版画コレクションなどを随時ご紹介します。

感覚的に暖かい色や冷たい色があるように、色彩はそれ自体がなんらかのイメージを持ち見るものの意識に訴えかけます。色は単に視覚的なものではなく、心理的、文化的なものなのです。芸術家たちは色彩を慎重に選択して、色彩そのものが持つイメージを作品の中で巧みに使用しています。 この展示室では、色彩にこだわり、そこに様々なイメージを託した画家たちの、絵画と版画作品を紹介します。自らが育った風土に根ざした色彩を「性格色」として好んだ山口長男、色と形を不可分なものと考えたオノサトトシノブ、感情を排する色彩としてメタリックカラーを用いる桑山忠明、様々なイメージが重なる版画を2種類の色彩で制作した横尾忠則、虹色の作品を制作し続ける靉嘔の作品をご覧ください。
常設II これまでの記録
以下は、すでに終了した展示の記録です。
斎藤義重(1904-2001)は、戦前から戦後のきわめて長期間にわたり、第一線で意欲的な制作を展開した日本の現代美術のパイオニアです。この特別展示では、1980年頃から斎藤が取り組んだ金属のレリーフ作品を中心に、晩年の制作の一断面をご紹介します。 斎藤は戦前の1931年、二科展にレリーフ状の作品を出品しようとしましたが、絵画部と彫刻部のどちらの扱いか判然とせず、結局持ち帰っています。その後、半世紀を経て斎藤が取り組んだ金属のレリーフには、確かな重量感、強い物質感がありますが、しかしその作品の表情は、徹底してニュートラルです。一枚の絵といえども、ある厚みを備えた「もの」だという素朴な問い。斎藤は、人間の認識と、具体的な空間との間にある造形思考を、たゆむことなく純化し続けたアーティストでした。 この特別展示では、これまでほとんど紹介されていない斎藤直筆のスケッチ、アイデアメモなどをあわせて展示し、今なお謎多き「現代美術の巨人」の思索の姿を探ります。
今回は光をイメージさせる絵画や写真作品と、光の効果を利用した彫刻・デザイン作品をご紹介します。 近代絵画は印象派に代表されるように、光のうつろいによる瞬間的な色彩の変化を一枚の絵画にいかに表現するかという命題のもと展開してきたという側面があります。さらに現代では、写真技術を用いたり、抽象的な表現によって多様な展開を見せており、目に見えるものや色と光の関係は、現代の芸術家たちにとっても大きなテーマであり続けています。 立体作品では、光の透過と反射の効果を活かすべく、ガラスと鏡を用いた作品をご紹介します。ガラスはその透明性によって光を透過することで、物質感や重量感を軽減しますが、それによって逆に不思議な存在感を放っています。反対に、鏡はその反射性によって対面する世界を反復・延長し、まるで別の新しい世界がその中に広がっているかのような錯覚を起こさせます。 光の輝き、透過、反射の生み出す多彩な芸術表現を体感してください。
この展示室では、アクリル絵具を使用して描かれた絵画作品を紹介します。 アクリル絵具は、合成樹脂を混ぜて作られる絵具で、20世紀後半のアメリカで開発されました。油絵具とは異なり、水溶性で扱いやすく、速乾性で多様な表現が可能なこの絵具は、その後の絵画の進展に大きな影響を与えます。 日本国内では、1960年代後半より輸入が始まり、使用されるようになりました。アクリル画についての本を著した前田常作、多彩なイメージを巧みな構成で描きだす福田美蘭、写真と見まがう絵画を制作する鴫剛など、アクリル絵具の特性を生かして描かれた絵画作品をご覧ください。
横尾忠則(1936年/昭和11年 兵庫県生まれ)は、日本を代表するアーティストです。グラフィックデザインから絵画作品、さらには著作物やその生きる姿勢にいたるまで、多くの人々に注目されています。今年10月29日〜12月4日の「横尾忠則ポスター展 THE BEST 450(YOKOO)」の開催にあわせ、本会場では、絵画と版画を紹介します。 初期の代表作で横尾流ポップアートの「葬列」や横尾氏の個人史が時空を超え混在する「思い出と現実の一致」をはじめ、いくつかの時代や事物などの多層的な事象が1つの画面に収められた絵画や版画からは、横尾氏の独自の視線で貫かれた精神世界が伺えます。また、当館で公開制作された「マウリッツォ, ニコラ,サンドロ,バレーゼにて 1984.6.1 2」や、富山市で取材し制作した「暗夜(あんや)光路(こうろ) 道祖神(どうそじん)」など、富山とゆかりある作品も展示いたします。夢のような非日常、湧き上がるイメージの世界に誘う 横尾ワールドをお楽しみください。
今回は、新しい日本画の創造を目指し活躍してきた作家たちの作品によって、叙情と幻想に溢れた戦後の日本画の世界を紹介します。 伝統的画材である墨を用い、庄川峡にある雪のダム水門を表現しようとした加山又造、祈るように絵具を何回も塗り重ねる独特の表現で富山の海を描いた平山郁夫、郷里和歌山の風景と女性を組み合わせ、幻想的な世界を描いた稗田一穗、絵を描き続けるという決意を、天に向かって弓を放つ姿によってダイナミックに力強く描いた加藤東一、剱岳のもつ山の姿を雄大に、そして仙人池に赤く変化した剱が倒影した美しさを鮮烈に表現した奥田元宋、構成的な画面と生き物の姿を通して、自己の内面性を投影した松尾敏男、インドの大地とそこに生きる人々への深い共感をもって、みずみずしい色彩と力強い筆使いでお気に入りの寺院を描いた秋野不矩、小さな生き物にも生命感を見出し、郷里津軽への想いと深く内面に潜んだ心象世界を幻想的に描いた工藤甲人、屏風形式で千葉県の犬吠埼の 燈台を豪快に描いた横山操たちの作品を紹介します。(会期中、一部作品の展示替えがあります。)
当館では平成17年の企画展「とやまの洋画史 入門編」の機に、富山県の明治期における洋画の状況をはじめて調査しました。この小展示では、その後ご寄贈いただいた新収蔵作品を中心に、郷土の洋画の黎明期を紹介します。 明治20年前後に京都府画学校で洋画を学んだ、「富山県最初の洋画家」田部英嘉をはじめ、同じく京都府画学校に学び、旧制富山中学校に赴任した矢野倫真、明治40年の第1回文展に富山県人として唯一入選した五島健三、そして東京美術学校西洋画科在学中から白馬会展に入選していた俊才、酒井栄之の作品をご紹介します。 本県では、これまで大正期以前の洋画の状況がほとんど知られていませんでしたが、彼らの作品により、明治期の全国の動向の中での富山県の状況が確認でき、また、とかく中央での出来事だけで語られがちな近代美術史に、地方からの視点を書き加える契機を得たと言えるでしょう。
20世紀美術全体が、「美術」という存在の問いかけなおしや否定、素材の拡大や技術革新などによって大きく変化したのと同じく、彫刻界も「彫刻とは何か?」という大きなテーマにぶつかりました。特に、第一次大戦後にヨーロッパでシュルレアリストたちが既存のものにちょっとした題名の言葉遊びや細工を行ってつくった「オブジェ」の存在は、彫刻を考えなおす機会になりました。そして、21世紀の今は、彫刻とオブジェの区別を越え、「立体造形」というさらに大きなジャンルで分けることも多くなりました。 今回ご覧いただく彫刻は、21世紀を生きる私たちが楽しめる、自由に想像できる作品を選びました。具象的な作品では柳原義達(やなぎはらよしたつ)の粗削りの存在感や、舟越(ふなこし)桂(かつら)の静謐(せいひつ)な人物などには、見た人の心が作品と共鳴するような世界観があるでしょう。抽象的な作品では、形や素材の組み合わせ、彫刻家の発想の豊かさ・面白さを発見し、新鮮な気持ちを味わうことができるでしょう。 オブジェと彫刻の違いをいうのは難しいことですが、素材に対する深い知識と作家自身の思いを表現する技術力の裏付けによって「生み出されたもの」が彫刻といえるでしょう。作品と自分の気持ちを通い合わせるという視点で、彫刻をみる体験を楽しんでください
今期、常設IIでは、富山ゆかりの日本画家の作品に着目しています。海辺で戯れる童の様子を生き生きと描いた郷倉千靱。彼は晩年、独自の仏教絵画の世界を表現しました。そして自然の霊気を墨で表現しようとした豊秋半二、初夏の小牧ダムを素朴な表現で描いた小坂勝人、花鳥画を得意とし自然を深く見つめる郷倉和子、花の生命感を細やかに描いた石崎光瑤、イメージを重ね合わせ詩情豊かに表現する下田義寛たちの作品を紹介します。
「県展会員」の作品及び、前年の「県展大賞」受賞作品を展示。
今回は、企画展「池田満寿夫の版画」開催にあわせ、日本を代表する版画家であり彫刻家の浜田知明(1917年熊本県出身)を紹介します。浜田は、池田が強い衝撃を受け、銅版画を始めるきっかけとなった作品「絞首台」の作者です。浜田は、東京美術学校卒業後、招集。中国大陸と内地で軍隊生活を送ります。浜田の表現の原点は、延べ5年間の第二次世界大戦中の非人間的な従軍生活にあります。その原体験が、人間存在の愚かさや弱さ、社会の不条理を直視する作家としての眼を養い、その後の表現活動の出発点となっています。「初年兵哀歌」をはじめ戦争に対する批判に満ちた初期の版画作品、人間に対する深い愛情を根底に社会を諷刺の対象とした版画作品、さらに1983年から新たな表現方法に加わった彫刻作品を紹介しています。
昨年10月に急逝された洋画家、清原啓一氏の追悼展示を行います。昭和2年砺波市に生まれた清原氏は、主に日展や光風会展を作品発表の舞台として活躍。わが国の洋画壇における実力者の一人として高い評価を受け、平成14年には日本藝術院会員に就任されました。生涯の画題として追求された"群鶏"シリーズを中心に、代表作80点による回顧展を昨年5月から7月にかけて当館で開催したばかりでした。この追悼展示では、このたび寄贈いただくこととなりました選り抜きの代表作により、重厚な油彩画によって独自の「花鳥画」的様式を完成した清原芸術の粋をご紹介します。貴重な作品をご寄贈いただきましたご遺族のご厚意に心より感謝申しあげます。
東洋的あるいは日本的なものを意識して、それぞれの表現を展開した戦後絵画の先駆者たちの作品を展示します。象形文字のようなかたちを題材に、書を思わせる大胆な筆触やかすれ、対称的な構図によって、力強い画面を構成した菅井汲。幾何学的な色面を組み合わせ、塗った絵具を拭き取ったり、ゆるく溶いた絵具を塗り重ねたりした独特の絵肌の作品や、和紙を貼り重ねたような装飾的な画面を生み出した岡田謙三。墨を用い、その表情により独自の絵画世界を求める篠田桃紅。日本画の常識にとらわれることなく、紙粘土という新たな画材を用い、鳥を題材にレリーフ状の作品を制作した下村良之介。千葉県の犬吠埼の燈台を、現代人の精神を画面にぶつけ反映させたかのように豪快に描いた横山操たちの作品を紹介します。
「県展会員」の作品及び、前年の「県展大賞」受賞作品を展示。
柳原義達は、1910(明治43)年神戸市に生まれました。初めは日本画を学び、その後ロダンやブールデルに影響を受け、彫刻家の道を歩みます。裸婦像や、鳩や鴉をモチーフにした「道標」シリーズなど、彫刻を通じて、力強い"生命"の表現を追求しました。麻生三郎は、1913(大正2年)年東京に生まれました。戦前は、様々な実験的な絵画を制作し、戦後はたくましく生きる人間や風景を発表。1960年代以降は、解体と再生の試みによる人間像を追求しました。この展示では、人間の存在を深くみつめた、日本を代表する作家〈柳原義達と麻生三郎〉の世界を紹介します。二人の作品は、経済成長、グローバリズムが叫ばれる現在においても、一方で失われつつある何かを問いかけ、改めて私たち人間の存在について語りかけてくることでしょう。
昨秋、81歳で亡くなられた前田常作氏を偲び、当館の収蔵作品による追悼展示を行います。前田氏は富山県下新川郡入善町のご出身で、富山師範学校を卒業後、武蔵野美術学校に学ばれました。第1回国際青年美術家展での大賞受賞を機に昭和33年、渡仏。記号化された人体を円形に密集させた構図の作品を批評家ジェレンスキーに“マンダラ”と評されたことに暗示を受け、以後、曼荼羅を主題として制作。緻密な構成で宇宙的な荘厳さを描き出し、現代の密教的絵画として注目を集めました。この展示では初期作品や滞欧作をはじめ、代表作『銀河瞑想』『天の浮舟』など、前田氏の独自の画業を振り返ります。
今回は、自然の諸相の中で古来より描かれ続けてきた身近な「水」に焦点を当て、水のある景色を描いた作品を紹介します。穏やかな海の様子を描いた平山郁夫、池から構想を得、静かな光に包まれた空間を象徴的に表現した杉山寧、滝を象徴的に表現した千住博、独特の画面構成により幻想的な画面を展開している稗田一穂、黒部川と扇状地に暮らす人々の、時の姿を表現した富山出身の松倉唯司たちの作品を紹介します。 多彩に表現された「海・川・水が物語る景色」をどうぞお楽しみください。
日本には変化に富んだ気候風土があり、四季の細やかな移り変わりに恵まれています。古今を問わず人はその美しさに感動し、絵に歌に表現してきました。今回は春から夏にかけての風情を表した日本画作品を紹介します。初春のたたずまいを描いた岩橋英遠、早春の喜びを描いた荘司福、写実にもとづく装飾的画風で牡丹を描いた石崎光瑤、初夏の小牧ダムを素朴な表現で描いた小坂勝人、白と紫の色彩対比で水芭蕉を描いた三輪晁勢、花鳥画に腕を振い、晩年に独自の仏教美術の世界をひらいた郷倉千靱、その娘で自然を深く見つめ、院展を中心に活躍している郷倉和子などの作品を紹介します。
「県展会員」の作品及び、前年の「県展大賞」受賞作品を展示。
今回この展示室では、動物を表現した日本画作品を紹介しています。雷鳥の親子の姿を描いた吉岡堅二、造形的表現で自己の内面性を投影した松尾敏男、五位鷺の姿に自身を重ねた麻田辨自、美しく厳しい自然の中に生きる鳥の姿を描いた上村淳之、雪景色の美しい情景を描いた西内利夫、象徴化した画面で小鳥たちの楽しい様子を描いた郷倉和子、富山の自然のあり方を羚羊の姿で表現した石田武、神秘的な世界を描いた工藤甲人、大胆な構図と清麗な色彩で雪深い妙高山麓の自然を描いた郷倉千靱たちの作品を紹介しています。画家の深いまなざしによって描き出された、豊かな表現世界をお楽しみください。
日本には変化に富んだ気候風土があり、春夏秋冬の細やかな移り変わりに恵まれています。古今を問わず、人はその美しさに感動し、絵に歌に表現してきました。今回は、夏から秋の季節に着目し、日本画と洋画を展示します。海辺で戯れる童の様子を生き生きと描いた郷倉千靱、小牧ダムを題材に素朴な表現で描いた 小坂勝人、初秋の情景を幻想的に描いた稗田一穗、深まりゆく秋を表現した渡辺武夫や浦田正夫、武蔵野の空気感を抒情的に表現した菱田春草たちの作品をご紹介いたします。
戦後、アメリカの美術家は、公共施設の巨大な壁面を飾るために、大型作品を制作するようになりました。その影響は版画にも及び、まるで工場と見間違えるほどの規模の版画工房が作られ、最新の技術が投入されました。版画工房では、美術家がアイディアを出し、技術と経験を備えた工房スタッフが作品制作に積極的に加わります。美術家と工房スタッフとの度重なる協議の末、複雑な技術工程から版画が生まれるのです。手で持てるサイズという版画の常識も、版画工房の技術力ですぐさま覆されました。
「県展会員」の作品及び、前年の「県展大賞」受賞作品を展示。