富山県立近代美術館ウェブサイトへようこそ
企画展

トップIPT > IPT2009入賞作品

第9回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2009

グランプリ 金賞 銀賞 銅賞 亀倉雄策国際賞 → 審査講評
「第9回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2009」展覧会情報はこちら
"Prize winners and their works" English version

入賞作品

グランプリ

グランプリ作品
ラルフ・シュライフォゲル(オランダ)
チューリッヒインテリアの美しいおもかげ
A部門

金賞

金賞作品01 金賞作品02

軍司匡寛(日本)
Little Family Tree
A部門

アラン ル・ケルネク(フランス)
私たちと同じ人、ただダウン症候群なだけ
A部門

 

銀賞

銀賞作品01
銀賞作品02

永井裕明(日本)
パウル・クレー
A部門


バーロック(オランダ)
美しい外観 偽か正か
A部門


銀賞作品03

ヴィエスワフ・ロソハ(ポーランド)
ヘンリク・トマシェフスキへのオマージュ
B部門

 

銅賞

銅賞作品01

佐野研二郎+遠藤祐子(日本)
Grease
A部門


銅賞作品03 銅賞作品02

ラルフ・シュライフォゲル(オランダ)
クリス・マルケル 映画よさらば
A部門


銅賞作品04 銅賞作品05

メルヒョール・インボーデン(スイス)
「メルヒョール・インボーデン
デザイナーの肖像と写真展」(杭州、中国)
A部門

ウヴェ・レーシュ(ドイツ)
世界インダストリアルデザインの日
A部門


銅賞作品06 銅賞作品07

スタシス・エイドリゲヴィチウス(ポーランド)
テレジーン
A部門

ピオトル・モォドゼニエツ(ポーランド)
ハムレット
A部門


銅賞作品08 銅賞作品09

ピエール・メンデル(アメリカ)
ピエール・メンデルのオペラポスター
A部門

衛藤隆弘(日本)
大ずもう
B部門


銅賞作品10 銅賞作品11

アナ・アルベロ(スペイン)
乾癬
B部門

カシア・ロゴヴィエツ(ポーランド)
ヘンリー・ミラー:錯綜
B部門

 

第4回亀倉雄策国際賞

第3回亀倉雄策国際賞作品

ウラジーミル・チャイカ(ロシア)
フリーダ・カーロ+ディエゴ・リベラ=100年の愛
A部門

ページの先頭に戻る↑

審査講評

勝井三雄 佐藤晃一 ミシェル・ブーヴェ ヴェルネル・イェカー

勝井三雄 (審査委員長) Mitsuo Katsui

「世界の今」

この審査は、9回27年の歴史を持つ、我が国唯一のポスターコンペティションであり、国際的に見ても5本の指に挙げられる貴重なコンペとして有名な存在に成長した。今回の出品は過去最高4516点で、ポスター先進国ポーランドを始め、ドイツ、スイス、フランスはもとより、特に近年目覚ましい発展を見せる台湾の756点、それに続き中国、イランが目立って作品を応募してきた事実からは、世界の中で本展が如何に重視されているかが分かる。
4月11〜12日、国内審査員永井一正、松永真、佐藤晃一、安西水丸、服部一成、片岸昭二と勝井によって409点が選出され、入選展示された。 2次審査は、私の他、スイスのヴェルネル・イェカー、フランスのミシェル・ブーヴェと佐藤晃一を迎えて激しく文化圏の差異を戦わせて推考をかさねる2日間であった。まさにイェカーの云う「人との交流を通じてなにかを発見し自分自身を高める場にいられたからに他ならない。私の体験した富山は一つの実験であり、幾つもの大陸・文化・時代をまたぐ一本の橋であった。そしてそこで旅する仲間たちとの出会い、スパーリング相手を見つけ、仲間たちの芸術を通じて、、、、、、信頼と尊敬をえる。」のように視覚の眼差しと知覚のスパーリングが行われたのである。第1の難問は入賞作品16点を選ぶことだった。それは丸1日では収まらず、夜半を通じて各自持ち帰り、改めて明くる朝持ち寄って行われ、18点が残り、上位賞6点を推考の上、グランプリが選ばれたが、最後まで論争の的はヴィエスワフ・ロソハ(ポーランド)「ヘンリク・トマシェフスキーへのオマージュ」であった。審査員を二分する作品の根本的評価の論争が続いた。その結果、最後に残った4作品のなかから全員の賛同と高い評価をうけ、タイポグラフィーの新しい領域表現を切り開いたラルフ・シュライフォゲル(オランダ)、「チューリッヒインテリアの美しいおもかげ」がグランプリに決まり、金賞はアラン・ル・ケルネク(フランス)「私たちと同じ人、ただダウン症候群なだけ」と軍司匡寛の特異なイラスト「Little Family Tree」、そしてロソハの「ヘンリク・トマシェフスキーへのオマージュ」と永井裕明「パウル・クレー」の明るいセンシティブな表現が審査員の好感を呼び、バーロック(オランダ)の「美しい外観偽りか正か」が銀賞となった。更に銅賞10点それぞれの文化背景、表現領域テーマの差異がバラエティーに富んだ選考になったのは幸いであった。しかし残念なのは最後まで残り、健闘したメウディ・サイーディ(イラン)「SINGLE HANDメウディ・サイーディの個展」とジョウ・フォン(中国)「新生―四川大地震祭」で、惜しまれたことをここに記録にとどめておきたい。
また、国内審査員によって選ばれる亀倉賞は、全員一致で重量感溢れるテーマ性を見事に捉えたウラジーミル・チャイカ(ロシア)「フリーダ・カーロ+ディエゴ・リベラ=100年の愛」であった。
全体を通じて高水準の作品が集められ、世界の「今」を垣間見る展覧会となったことはこのトリエンナーレの実力が整ったことを証明するものであり、この機会が3年に一度訪れることが審査員の一人として最高の幸せであることは云うまでもない。世界のポスターを通じて「今のグラフィックデザイン」を多くの人々に鑑賞していただきたいと思いつつ。

佐藤晃一 Koichi Sato

今回、はじめて国際審査員をやったのだが、とてもたいへんで、よい経験をした。今まで仲の良い友人だった外国の審査員と、一枚のポスターをめぐって真っ向から意見が分かれたのには正直とまどった。日本では考えられないことだ。
私はなんとなく、世界中のバランスなどを考えて賞を配分することに気を使った方がよいのかと考えていたが、そんなのんきなことを考えるゆとりはまったくなく、目の前の作品が賞を与えるのに十分な作品かどうかだけを全員が真剣に話し合った結果となった。
もう一つわかったことは、私はよい作品を選べばよいと考えていたのだが、ヨーロッパから来た2人は、よい作品でも古くさい点があるものは決して認めようとしなかった点だ。これはたいへんな違いだと感じた。そんなことを考えながら今回の展覧会を観てもらえたら、この日本でたった一つの国際展の意味も大きなものになると思う。

ミシェル・ブーヴェ (フランス) Micheal Bouvet

このたび、世界ポスタートリエンナーレトヤマに国際審査員として関われたのは大変に光栄でした。まだ駆け出しのデザイナーだったころ、私がはじめて買ったポスターの書籍が、1985年のトリエンナーレトヤマのとても大きなカタログだったのです。その本のおかげで、当時最高のポスターの数々を見ることができましたし、いつかそんなすばらしいポスターを描きたいと夢見ることもできました。とはいえ、それが実現できたかどうかは何ともいえませんが。いずれにしても、本日、審査員のわれわれは、現代をもっともよく代表すると思われるいくつかのポスターを選びました。別の方々が審査すればまたまったく別の結果になっただろうことは想像に難くありません。二人の日本人デザイナー、スイス人とフランス人が代表するそれぞれの文化が出会うさまは、わたしにとってとても興味深いものでした。わたしたちは、室内で鑑賞するだけでなく屋外に展示されるべく作られた、本当のポスターに賞を差し上げたいと考えました。賞に選ばれたのは、著名なグラフィックデザイナーや、まだ名を知られていないデザイナー、大御所から若手まで幅広い方々です。技術云々はともかく、大切なのはメッセージがどれだけ強く表現されているかです。審査の雰囲気もとてもよいものでした。

ヴェルネル・イェーカー (スイス)  Verner Jeker

ぼくら審査員の仲間たち
まるで違う文化を背景に
まるで違う感性を抱き
仕事を任された
それは国内審査員の方々が選んでくれたポスターから
賞を決めて優秀な作品を挙げること

二日の間ぼくらは世界から集まったポスターが作る道を歩き回った

ぼくたちが出会ったのはポスターたち
世界中のさまざまな場所で生み出された
さまざまな文化から
さまざまな任務を持って
まるで違った経済事情で
まるで違う形式で
まるで違う図像の言葉を持ったポスターたち

心引かれる
圧倒的な

それぞれのポスターにしてみればなんと酷い立場に置かれたもの
巨大なポスターはたいてい喧しいだけでそのわりには
気がつかれもしなかったもの
ときに心を引きつける力を持つのは
小さく
静かで
人とは違った
実験的なもの

ページの先頭に戻る↑

→ IPT2009 展覧会情報へ