港には毎日たくさんの船が出入りし、海外や国内の港から運んできた貨物を降ろしたり、また新たに積み込んでは次の港へと往き来しています。船のこのような活動が円滑に行われるために港にはいろいろな機能があり、これを支えている人々がいます。

 船が港に入港する際には、前もって港湾管理者に届け出て岸壁の使用許可を受けたり、入港時に港長、税関、検疫所、入国管理局による水際での所定のチェックを受けるための諸手続きがあり、主に船会社の支店や船舶代理店を通じて行われています。
 入港に際しては水先人、タグボート、綱取離し業者などが船の運航、接岸作業を助けるほか、船からの貨物の積み降ろしや沿岸での荷役を行う荷役業者、運ばれた貨物を保管する倉庫業者、また荷役の際に貨物の数量・個数をチェックして受け渡し証明を行う検数・検量業者や荷主に代わって通関を行う通関業者などがあります。

●水先人、タグボート、綱取り離し業
 巨大な船が狭い航路を一定の速度で航行したり、回頭したり、岸壁へ離接岸する場合に船の推進器と舵だけで操船を行うのは難しい場合が多いので、船の種類や大きさによって一定の隻数、馬力のタグボートが付いて、船体を押したり引いたりして操船を助けます。また、目的の岸壁に接岸するまで、水先人(パイロット)が直接船に乗船して、船長に速力や針路をアドバイスしたり、タグボートによる押し引きの指揮を執ったりもします。船が港に接岸する際には繋留索と呼ばれる太いロープが船の前後から張られて船を岸壁にしっかりとつなぎ止めますが、陸側で繋留索を船から受け取ってビットやブイにつないだり、離岸する際にこれを取り離す作業(綱取り・離し作業)が行われます。

●税関、入国管理局、検疫所
 税関では貿易が正しく行われるよう輸出入貨物を審査したり、関税を徴収したり、密輸などが行われないよう水際にチェックを行っています。税関による入港手続きが終了するまでは、貨物を陸揚げすることはできません。
 入国管理局では外国から来た船の乗組員や乗客の出入国審査を行っています。入港船は入国管理局の審査を受け、上陸許可証の発給を受ける必要があります。外国から来た船によって、伝染病が国内に侵入するのを防ぐことを検疫といいます。検疫が済むまでは港に入港することも、人が乗下船することもできません。
 また、動物検疫、植物検疫の対象となる貨物がある場合には、通関前に指定された場所で、動物検疫所、植物検疫所の検査を受ける必要があります。

●港湾管理者、港長
 港全体の一元的な管理・運営は港湾管理者が行っています。港湾管理者は港の施設を効率よく運営するために入港船のバース指定や、入港順位の調整を行っています。

 
また、港則法にもとづいて港内における船舶交通の安全と港内の整とんを図る機関として港長があり、夜間入港、危険物を積載しての停泊・荷役、港内での移動、船舶の修繕なども港長の許可を受ける必要があります。

●港湾運送業者
 船が接岸してからは、船からの貨物の積み降ろし、上屋での貨物の荷さばき、蔵置(段重ね・取り下ろし)といった作業があり、荷役業や、積み降ろしされる貨物の数量を確認したり、受け渡しの証明を行う検数・検量作業を行う人たちがいます。船からの貨物の積み降ろしは、荷役業業者の手で、まず船の船倉から主に船のクレーンによって岸壁に下ろされ、そこから野積場、上屋などに運ばれます。在来船の荷役は人手に頼る部分が多いことから、コンテナ船の普及により次第にコンテナ荷役にとって代わられるようになり、近代的な設備機器・装置によって多くの人手を必要とすることなく短時間で行われるようになっています。