(2)ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎含む)

《定義》
 フラビウイルス科に属するウエストナイルウイルスによる感染症で、蚊によって媒介される。

《臨床的特徴》
 2〜14日の潜伏期の後に高熱で発症する。発熱は通常3〜6日間持続する。同時に頭痛、背部の痛み、筋肉痛、 食欲不振などの症状を有する。約半数で発しんが胸部、背、上肢に認められる。リンパ節腫張も通常認められる。症状は通常1週間以内で回復するが、その後倦怠感が残ることも多い。特に高齢者においては、上記症状とともにさらに重篤な症状として、激しい頭痛、方向感覚の欠如、麻痺、意識障害、痙攣等の症状が出現 し脳炎、髄膜脳炎を発症することがある。特に米国では重篤な例で筋力低下が約半数に認められている。

《届出基準》
 ○ 診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断や血清学的診断がなされたもの
病原体の検出
 例、ウエストナイルウイルスの血液や脳脊髄液からの分離
病原体の遺伝子の検出
 例、PCR法等によるウエストナイルウイルス遺伝子の血液や脳脊髄液中での検出
抗体の検出
 例、ウエストナイルウイルス特異的IgMの血液や脳脊髄液での検出
ウエストナイルウイルス特異的IgGの検出とペア血清における4倍以上の上昇


「医師から都道府県知事等への届出基準」より