病原体

Orientia tsutsugamushi (ギムザ染色,写真左)
   〃         (間接蛍光抗体法,写真右)


つつが虫病はどうやって感染するか?(感染経路)

ツツガムシの生活史とつつが虫病の発生

 ツツガムシは、山林、河川敷などの草地、耕作地などの地中に広く分布しています。ヒトにつつが虫病を媒介するのは、アカツツガムシ、フトゲツツガムシ、タテツツガムシの3種類です。ツツガムシは卵→幼虫→若虫→成虫へと成長します。若虫と成虫は地中や地表で昆虫の卵などを食べて生活し産卵します。幼虫は(体長0.2〜0.3mm)は世代に一度、温血動物に吸着してその体液(リンパ液)を吸わないと若虫へと成長できません。そのため、幼虫は地中より出て、草の先端などで待機し、野鼠などの動物が通ったときに体表に吸着します。このサイクルの中にヒトが入ると、ヒトは幼虫に刺されてOtに感染し、つつが虫病を発症します。アカツツガムシは夏期(7〜8月)、タテツツガムシは秋期(10から12月初旬)、フトゲツツガムシは春期(4〜6月)と秋期(10月〜11月)の年2回、それぞれの幼虫が出現します。Otはツツガムシと共生しており、卵によって次代に受け継がれていきます。Ot媒介種のツツガムシのすべてがOtを保有しているわけではありません。また、このOt保有ツツガムシはコロニーを形成し、スポット状に点在して生息しています。

国立感染症研究所 小川基彦博士のご好意による掲載です。 フトゲツツガムシの電子顕微鏡写真