新しくなった心肺蘇生法について


 もし皆さんが、目の前で人が倒れているのを目撃した場合、どうします か?
 平成18年、心肺蘇生法について、日本における指針(ガイドライン)が約5年ぶりに新しくなりました。
 そこで、新しくなった心肺蘇生法についてご説明します。

(1)意識の確認、救急車・AED依頼
 倒れている人がいた場合に、まず行うべきことは意識の確認です。

 「大丈夫ですか?」と、軽く肩をたたきながら声をかけます。
 反応がなければ、周りにいる人に救急車を呼ぶように依頼します。
 AEDが近くにあるようなら、それも一緒に依頼するとよいでしょう。(関連リンク:AEDをご存知ですか?)
 他に誰もいなければ、自分で119番通報します。

(2)気道の確保
気道の確保の写真 呼びか けに反応しない場合は、呼吸をしていない可能性があります。
 そこで、空気の通り道、つまり「気道」を確保します。
 これは、息をしていない原因が、気道が下や異物によってふさがっている可能性が考えられるからです。

 相手を仰向けに寝かせ、片手で額を押さえながら、もう一方の手の指先を、相手のあごの先端の硬い骨の部分にあてて持ち上げます。
 そうすると、相手の顔がのけぞるような姿勢になり、あごの先が持ち上がります

 この動作によって、のどの奥をひろげ、空気を通りやすくするのです。

(3) 呼吸の確認「見て、聞いて、感じる」
呼吸の確認のイラスト 気道が 確保できたら、呼吸をしているかを確認します。

@呼吸に よって胸が動いているのを「見る」
A耳を相手の口元に近づけ、呼吸している音を「聞く」、
B自分の肌で、息が吹きかけられるのを「感じる」

 この3つ、「見て、聞いて、感じる」方法を使って、呼吸の有無を確認します。
 これは約10秒間かけて確認します。


(図引用:救急蘇生法の指針:日本救急医療財団心肺蘇生法委員会)

※もしも息をしていることが確認できた場合は?
 相手を注意深く観察しながら、救急隊の到着を待ちます。
 必要に応じて、横向きに寝かせて、嘔吐して者をのどに詰まらせることを防いでおくとよいでしょう。
 ただし、あえぐような呼吸など、「正常な呼吸(普段どおりの息)」とは言 えなかった場合は、「息をしていない」ものと同等と考えなければいけません。

(4) 人 工呼吸を2回
@気道を確保し、口を覆う
人工呼吸のイラスト1

 気道を確保しても呼吸が確認できなかった場合は、人工呼吸を行います。

 相手の気道を確保する向きをとらせたまま、口を大きく開き、相手の口を覆って密着させ、ゆっくりと息を吹き込みます。
 この際、吹き込んだ息が相手の鼻から漏れ出さないように、額を押さえているほうの手の親指と人差し指で、患者さんの鼻をつまんでおきましょう。
A胸が上がるのを確かめながら、約1秒かけて
人工呼吸のイラスト2

 息は、相手の胸が上がるのが見て分かる程度の量を、約1秒間かけて 吹き込みます。

 いくら一生懸命吹き込んだつもりでも、息を吹き込むのにあわせて胸が上がっていなければ、有効に相手の身体に空気が入れられていないことになりますの で、横目で、胸がちゃんと上がっているかを確認しながら息を吹き込むことがポイントです。
B吹き込み終わったら胸が下がるのを確かめる
人工呼吸のイラスト3

 吹き込んだら、一旦口を離し、相手の息が自然に出る(このとき胸が下がります)のを待ち、もう一度、口で口を覆って息を吹き込みます。

 このようにして、合計2回吹き込むことになります。
マスクの写真
 人工呼吸を行う際には、できるだけ、感染防御のための器 具を使うことをお勧めします。

 写真のようなマスク(折りたたんで携帯できるようになっています)の他、シート式のものもあります。
(図引用:救急蘇生法の指針(日本救急医療財団心肺蘇生法委員会))

(5)胸骨圧迫を30回
 人工呼吸を2回行った後、ただ ちに「胸骨圧迫」の手技に移ります。

 圧迫を行う位置は、両方の乳頭を結んだ線の真ん中です。
 この下に心臓があります。ここを圧迫すると、一番有効に心臓に力を加えることができます。

 この位置に、一方の掌の基部(手首に近い、いわゆる「ほっぺた」の部分)を胸が4〜5cm程度沈むまでを目安に強く圧迫します。

 圧迫のテンポは、1分間に100回程度が目安です。この速さで、30回連続で圧迫します。
※速度の目安・・・「アンパンマンの主題歌」、「どんぐりころころ」、「地上の星」などの曲のリズム
胸部圧迫の写真1
 胸が4〜5cm沈む位の力を与 えるには、実際、結構力を必要としますし、30回連続して行うことになりますので、体重をかけて押せるような体勢(圧迫する場所の真上から押すような体 勢)が適切です。

 30回の胸骨圧迫が終わったら、また人工呼吸2回を行います。
 このようにして、胸骨圧迫:人工 呼吸=30:2の割合で続けます。
 もしもAEDがあれば、この流れに組み入れることになります。

 心肺蘇生はこのような手順で行います。
 これを続けながら、救急車を待ちます。
胸部圧迫の写真2

一 番避け たいのは、「何もしないこと」
 今回のガイドラインで、最も重要視されているポイントは、「絶え間な く 胸骨圧迫を行うこと」です。

 そのため、たとえば感染防御具を持っていないなどで、人工呼吸をするのがためらわれたり、困難な状況である場合は、人工呼吸にこだわらず、胸骨圧迫のみ を行って、救急車の到着を待ってください。

 人工呼吸をしてもあまり胸が上がらず、「うまく空気を入れられなかったのでは・・・」と心配になるようなときも、何度も息を吹き込もうとするのではな く2回吹き込んだら速やかに胸骨圧迫に移るようにしてください。
 胸骨圧迫のみでも、適切に行えば十分救命に効果的であるといわれています。

 何より一番避けたいのが、「何も しないこと」です。
 より高い救命のために私たちができることについて関心を高め、尊い命を救う手助けをしていきましょう。



お 問い合わせ先

新川厚生センター(本所) 企画管理課 0765-52-1224


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