メタボリックシンドロームについて


 最近、メタボリックシンドロームという言葉を、巷でよく聞くようにな りました。
 ここでは、メタボリックシンドロームについてご説明します。

1 「肥満」には、2つのタイプがあります
 メタボリックシンドロームとは何か、というご説明の前に、まず、私た ち の身体についている「脂肪」には大まかに2種類あることをご存知でしょうか?

 身体の脂肪は、付く場所によって、大きく「皮下脂肪」「内臓脂肪」に分かれています。

 「皮下脂肪」とは、皮膚の下についている脂肪で、表面からつまめるものです。
 一方、「内臓脂肪」は、腸の周りにつくもので、この脂肪が多いと、ウエスト周りの大きさに影響しやすいといわれています。

 見た目としては、おなかがぽっこり出た体型のひとが、内臓脂肪型肥満と考えられます。
 一方、腰まわりやお尻、太ももなどの下半身を中心に脂肪がたまるタイプの肥満は、皮下脂肪型肥満と考えられます。

 そして、この内臓脂肪こそが、メタボリックシンドローム(別名:内臓脂肪症候群)に、大きく関わってくるのです。

2 メタボリックシンドロームとは?
 メタボリックシンドロームとは、別名「内臓脂肪症候群」といい、内臓 脂 肪が多いタイプ、つまり、おなかがぽっこり出たタイプの肥満の人が、「高血圧」「高血糖」「高脂血症」などの危険因子を併せ持っている「状態」のことで す。
 これらの危険因子を併せ持っていると、動脈硬化を飛躍的に進行させてしまいます。
 その結果、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気になったり、その後遺症で不自由な生活を強いられる危険性が高くなってしまいます。
 
 生活習慣病の代表ともいえる高血圧や高脂血症、糖尿病などの発症、悪化には、腸のまわりについている脂肪、つまり「内臓脂肪」が強く影響しています。

3  内臓脂肪はなぜ怖いのか?
 内臓脂肪の細胞からは、高血圧、糖尿病、動脈硬化のリスクを高める複 数 の物質が分泌されています。
 このため、内臓脂肪が多すぎることが問題になるのです。

4  「1+1+1=36」 さて、何のことでしょう?
 あなたは、この間の検診で「少しだけ」血圧が高いですね、とか、 「ちょっと」中性脂肪が高めですね、と言われませんでしたか?

 一つ一つの値はそれほど悪くなくても、重なると危険です。

メタボリックシンドロームを標的として対策が有効と考えられる3つの根拠
   (厚生労働省HPより)

 グラフからわかるように、肥満、糖尿病、高血圧症、高脂血症の4つの危険因子を「全く持たない」人と比べ、危険因子を「1つでももっている」人が、動脈 硬 化を原因とする心臓疾患(狭心症・心筋梗塞)を発症するリスクは、約5倍になります。
 さらに、危険因子を「3つ以上」持つ人のリスクは、なんと約36倍にも跳ね上がるという研究結果がでています。
 しかも、それら危険因子のひとつひとつは、「ごく軽度」といわれている程度のものです。

 このことは、たとえ軽症でも、危険因子が重なることで互いに影響しあい、飛躍的に動脈硬化が進んでしまうことを表しています。

 「1+1+1=36」、この式は、危険因子の数が、1つずつ 増えて3つになったとき、心臓疾患になるリスクは、危険因子が1つだけだったときの「3倍」に なるのではなく、なんと「36倍」になってしまう、ということを表した、メタボリックシンドローム独特の式なのです。

5  診断基準は?
★ 腹 囲(おへその高さで測定)が、男性85センチ以上、女性が90センチ 以上

かつ、以下の3項目のうち、2つ以上あてはまれば、「メタボリックシンドローム」と診断されます。

★血圧 上(収縮期)が130mmHg以上、または、下(拡張期)が 85mmHg以上
★血糖 空腹時血糖が110mg/dl以上
★脂質 中性脂肪が150mg/dl以上、または、HDLコレステロー ル40mg/dl未満

 それぞれ一つ一つの基準値は、いずれも「少しだけ」正常より高い、と一般にいわれる程度の値になっています。
 しかし、それらがいくつか重なった状態が怖いのです。

 さて、みなさんはいかがでしょうか?
 最近受けた健康診断の結果を見ながら、チェックしてみましょう。

6  メタボリックシンドローム該当者、予備軍の状況は?
 予備軍とは、腹囲が男性85cm、女性90cm以上で、3つの項 目(血圧、血糖、脂質)のうち1つに該当する者をいいます。

 厚生労働省の平成16年度国民健康・栄養調査結果によると、40〜74歳では、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドローム該当 者、または予備軍と考えられています。
 また、日本全体では約2,000万人と言われています。

7  内臓脂肪は一旦つくと減りにくいの?
 答えは×です。
 身体に悪影響を及ぼす「内臓脂肪」は、皮下脂肪と比べ、実は、比較的減らしやすい脂肪でもあるのです。
 つまり、内臓脂肪型肥満は、「努力のしがいのある肥満」といえます。

 次にご説明する食事、運動の工夫を普段の生活に取り入れて、内臓脂肪を撃退しましょう。

8  こんな工夫でカロリーダウン!
@ 調理の方法
 同じ魚でも、調理の方法を揚げ物から煮物、焼き物、蒸し物にするだけで、カロリーに大きな差が出ます。
 刺身や煮物とフライでは、カロリーに約3倍近い差が出てしまいます。

(例)アジ(一匹、正味約60g)の場合
刺 身
煮 物
か ら揚げ、天ぷら
フ ライ
100kcal
100kcal
200kcal
280kcal

A食べるときの一工夫

ポイント1 揚げ物の衣を外す

(例)エビの天ぷら1本 (えび40g:天ぷらに使われる一般的な大きさ) 
衣がついた状態・・・・約100kcal 

衣を外すと・・・・・・・・約40kcal
なんと、半分以下のカロリーになります!

ポイント2  肉は脂身を外す 鶏肉は皮を外す

(例)牛サーロインステーキ(130g・・ステーキ1枚分相当) 
脂身がついた状態・・・・・・・約400kcal

脂身を取ると・・・・・・・・・・・約300kcal  

(例)鶏モモ肉皮付き(120g・・・チキンステーキ1枚分相当) 
皮がついた状態・・・・・・・約240kcal

皮を取ると・・・・・・・・・・・・約110kcal

ポイント3 食べる順番、食べる時間、使う調味料にも一工夫

・食物繊維の豊富なもの(野菜、豆、きのこ、海藻類)から先に食べる  
(食物繊維の働きでお腹がふくれ、その跡で食べる量をコントロールしやすくなる)

・よく咬んでゆっくり食べる
(早食いをすると、脳に満腹の命令が行くのが遅くなり、結果的に食べる量が多くなってしまうことが分かっています。)

・食器を小ぶりのものにする
(同じ量でも、多く感じられる効果があるため、満足感が得られやすくなります。)

・夕食は、寝る3時間前までに済ませるようにする
(夜遅くなると、摂ったカロリーが身体に溜め込まれやすくなってしまいます。)

・サラダなどにはマヨネーズより、ノンオイルドレッシングやポン酢を使う
(これにより、カロリーを5分の1〜10分の1以上に減らすことが可能になります)

9  日常的な運動でカロリー消費!
 改めて運動をしようと思うと、逆にストレスになり、続かなくなってし ま う可能性もあるので、日常的な運動でカロリーを消費する工夫をしてみましょう。

 ・駅や会社などで階段を使うようにする
 ・車でなく、可能な範囲で自転車を使う
 ・バス停1つか2つ分を歩く
 ・布団干しなどの家事で身体を動かす

 このような日常的に可能な動作でも、カロリー消費になります。
 また、筋肉を増やすことで、脂肪が燃えやすくなるので、テレビのコマーシャルの間を使って、スクワットや脚上げなどの「筋力トレーニング」を行うこと も、有効な運動です。

 いずれも、無理なく、ストレスにならない程度に続けることがポイントです。

10  いくら頑張って脂肪を減らしても・・・・タバコをすえば意味がない!
 最後に、忘れてはならないポイントです。
 内臓脂肪を撃退する目的は、メタボリックシンドロームを予防し、ひいては動脈硬化の促進を防ぎ、病気を防ぐことです。
 タバコは、がんの発症率を高めるだけでなく、動脈硬化も促進させますので、い くら頑張ってやせても、タバコをすっていれば、せっかくの努力も、効果的なものにはなりません。

一本あたりのタバコ本数と虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の危険性 (男性)
吸わない人 1,0、14本/日以下 2.3、15〜34本/日 3.0、35本/日以上 3.1
  (厚生労働省研究班 2006年4月)

 上のグラフは、1日あたりに吸うタバコ本数と、動脈硬化が原因でおこる心臓の病気(狭心症、心筋梗塞)のなりやすさについて、吸わない人を1とした場 合、何倍なりやすくなるかを示したものです。
 たとえ1日1箱も吸わない人でも、タバコを吸わない人と比べれば、2倍以上の危険性があることを示しています。
 タバコを吸っている方は、食事や運動の工夫と一緒に、禁煙にも取り組むことが必要です。

11 これらのことを実行して・・・数ヵ月後、おへそ周りを測ってみましょう!
 おへそ周りが1センチ減っていたら、それは、おなかから内臓脂肪が約 1 キログラム減った目安になります。
 合言葉は、「ウエストのサイズダウンで健康アップ!」です。

 日常生活で無理なく行える生活習慣の改善で、内臓脂肪を減らし、メタボリックシンドロームを予防・改善していきましょう。



お問い合わせ先

新川厚生センター(本所) 保健予防課 0765-52-2647
新川厚生センター魚津支所 地域健康課 0765-24-0359


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